起きていながら夢を見る
寝ようとしたけど寝られない。
頭がおかしくなったみたいだ。
とってもいい感じの声が聞きたい。心の底から安心できるような。そんなことはできないか?
お前は、そんな声は聞くことができないと言っているのか。それとも、安心することなんてできるはずがないと言っているのか。
この前ひどくうなされていたとき、起きていながら夢を見ているような感覚を味わった。昔の記憶がてんでバラバラに思い起こされるのだ。その記憶のようなものが一部だけ違うものに変わっていたり、文字がいやに鮮明に眼前に現れてくる。一瞬で変わり、そのつぎまた一瞬で変わり、もうあんな思いは二度としたくない。
とにかく俺は、この状況を打開せねばならない。
(本当にそう思っているのか?)
一体、どうすればちゃんとした生活に戻れるのだろう。
(お前には無理だね)
ああ、ほら、もう既におかしくなっている。ため息、ため息、いくつ吐いても全然足りない。不幸自慢か? 不幸自慢だと、なぜ俺がそんなことをしなくてはならない。いけない、頭がおかしいだけなんだ。お前はもうちょっと言葉をひねったほうがいいな。いけない。ちょっとこれはいけない。
「タタリというならこの世はタタリそのもの」
「人生は地獄だよ」
生きるには生きようと思わねばならない。そんなことは今お前が考えるべきことではない。
上半身を揺らして、それはもう美しいくらいに。
寝られるときに寝ようじゃないか。今はそれでいい。




