第31話
その夜の事だった。
カァー カァー
シャドウ
「(またかよ。今日はやたらと夜鳴きカラスが出没するがこれは何かの前触れだとでも言うのか?)」
シャドウ
「(だとしたらこいつは・・・、俺たちを長いこと監視し続けていたあの神主が怪しいんじゃ?)」
シャドウ
「(待て。そう決め付けるには証拠が不十分っつーかそれはそれで決め手に欠けるってもんだ。)」
シャドウ
「(フレイ、お前はこれをどう感じているんだ?)」
シャドウ
「(いや、ドラゴン同士の意思疎通という上等テクニックは今のところ俺だけしか使えねえか。)」
シャドウ
「(とは言えおちおち寝てられねえぜこの状況。)」
チラッ チラッ
フレイ
「(どうしたんだシャドウの奴?なんて言うかさっきから妙にチラチラと周りを気にしてるけど。)」
フレイ
「(あ〜、カラスがうるさくて寝られないのか?)」
フレイ
「(でもカラスだって鳴きたい時はあるし、それを俺たちがどうこう言える筋合いも無いし。)」
フレイ
「(ましてや大声なんか出せねえしなぁ。こんな時間帯に吠えたら近所迷惑になってしまう。)」
シャドウ
「(そんな悠長な事を言ってる場合じゃねえ。)」
シャドウ
「(あ〜くそ!どうにかして伝えられねえか?)」
キョロキョロ
フレイ
「(なんだ?今度はキョロキョロし出したぞ?)」
フレイ
「(本当に今日のあいつは落ち着きねえなぁ。)」
シャドウ
「(だからそんな事を言ってる場合じゃねえ!)」
ザッ
フレイ
「(あ、あれっ?シャドウ、起きようとしてる?)」
フレイ
「(う〜ん、やっぱり眠れねえのかなぁ?)」
シャドウ
「(なっ!? こ、この能天気野郎がァ・・・。)」
シャドウ
「(ちったぁ、危機感持ってっつー話だよ!)」
続く