第18話
愛してるよ、影丸─────
影丸
「ナニカ、聞コエタ。」
シャドウ
「(俺にも聞こえたな。愛してる、という言葉が。)」
シャドウ
「(そう言われてみれば、無意識によって生み出したとされる主が居たが今は何処に居るんだろうか?)」
シャドウ
「(短時間で別れたのは今でも覚えてるが、あれ以来その主とは再会もしてないし生存確認すらも出来てない状態の中でただひたすらに時が過ぎるのを待った。)」
???
「どうやら母さんも、生まれたばかりのお前を一目見たくて天国からこの現世に来てくれたみたいだ。」
シャドウ
「(なんて言ってるが、その割にはあいつの母親と思われしき人物の姿が見当たらないようだけどな。)」
影丸
「お前、ナニカ知ってる。教えろ、アノ声の事ヲ。」
???
「教えるも何もあれはお前の母さんの声だ。母さんも俺と同じで実の息子に会いたかったんだよ。」
影丸
「・・・」
???
「まぁ生まれたばかりのようだし、俺が何を言っても理解できるはずもないし時間もかかるだろう。」
???
「ただな影丸、これだけは覚えていてほしいんだ。」
???
「俺や母さんはずっと、お前のような息子と会える日を心待ちにしていただけじゃなく何度か雲の上から会話をしてみたいと本気で思っていたぐらいだ。」
???
「だから今、こうして会えたのが嬉しいんだよ。」
影丸
「父親トハ、ナンダ?母親トハ、ナンダ・・・?」
???
「あはは、まぁそうだよな。お前が生まれる前から俺と母さんは不慮の事故に遭って命を失ったから。」
シャドウ
「(事故か・・・。最近やたらと多発してるよな。)」
???
「それじゃあ父親と母親が何かを教えてやろう!」
???
「とその前に、父さんの名前を教えてやろうな。」
如月誠
「如月 誠(きさらぎ まこと)だ。」
誠
「ちなみに母さんの名前も如月真琴だ。」
シャドウ
「(いやいやおいおい、夫婦揃ってまことかよ。)」
シャドウ
「(なんつーう偶然だ。いや、これは必然か?)」
続く