フラグが存在する世界
フラグとは…
小説・ドラマ・漫画・アニメ・シミュレーションゲーム等のストーリーにおいて、後に特定の展開・状況を引き出す事柄を指す用語である。
この世界にはフラグというモノが存在する。言葉としてではなく物体として。
しかし、そんなフラグも皆持っているわけではない。
選ばれしものに与えられる、神様からの祝福…みたいなものだ。
確立としては100人いるうちフラグを持てるのは1人か2人と、案外多い。
そんな世界に生きる主人公の俺。
主人公だからもちろんフラグは持っている。
そして、フラグ保持者だけの学校もある。
その名も『危旗高校』
俺はそこの生徒だ。まぁ、学校内の能力で見たら一番下なんだが…
「なぁ、聞いたか?あの噂」
「噂?」
「ほら、生徒会長がついに教師にまで歯向かったって話」
「あぁ、聞いた聞いた。教師の集団で負けたって話か。」
「そうそう、生徒会長も馬鹿だよな。一人で向かおうとして」
田中誠二…俺の友人で噂やらに敏感な奴だ。
こいつは物語組の『クリアフラグ』の保持者だ。
「どうしてあの生徒会長、死亡組に入らないんだろうな」
この学校には3つのクラスがある。
1つは俺と誠二のいる普通の組の『物語組』
2つ目は善の心を持った生存フラグ組 通称『生存組』
3つ目は悪の心を持った死亡フラグ組 通称『死亡組』
がある。
簡単に言うと、
じゃんけんで勝ったら生存組、
負けたら死亡組、
あいこなら物語組となる。
「あれでも、会長だ。下手に死亡組に行かせたらそいつらと手を組む
可能性が出てくる、だからじゃないのか?」
「それでも、納得が行かねーよ。」
「ここで、お前が立ち上がったところでどうにもならない。」
俺は誠二の言うことを冷た返した。
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「…なぁ、親友よ。俺と組まないか?」
いきなり変なことを言い出した。
「お前、俺が学園最下位のこと知って言ってるのか?」
「フラグも使いようだろ?」
「俺の『分岐フラグ』でどうやれと?」
俺のフラグは分岐フラグ。できるのは、精々物事の結末を知ることだけだ。
それに他のフラグとは違い、棒の中央に穴が開いている。
細長いものなら入りそうなぐらい。
「あああああああああ!畜生、どうすりゃいいんだ!」
「っあ…方法がないわけではないぞ。だけど、それなりに過酷になるかもしれない。」
「なんでもいい、教えてくれ。」
誠二とは思えないほど真剣な目をしていた。
「生存組と物語組を仲間にして、会長と死亡組を殺る」
「…お前、マジで言ってんのかよ」
「マジだよ、マジ。」
死亡組の奴らは強い。
物語組が立ち向かっても勝てる相手ではない。
「もし、この計画をやるなら今すぐ人員集めだ。どうする?」
「そんなの、やるに決まってんだろ。」
俺はこんなにも真剣な顔をした誠二を見たことがなかった。
しょうがない、久しぶりにやる気出しますか。