無限の友情
大学に行かない生活が続いて俺は大学を休学することにした。
「実験や講義についていけないなら無理に合わせる必要はない、来年頑張ろう」
そう思って大学の公式サイトに自分のIDでログインして、自分の受けている講義や来年以降受けるであろう講義やもう既に受けた講義のレポートや問題集のPDFファイルを今ダウンロード可能な限りダウンロードした。
「あとは親に許可得て親も含めて大学側と話すだけなのかな」
俺の親は母親しかいない。俺が小さい頃に父親を亡くし俺と姉と弟を女で一つで育ててくれた母親だ。迷惑をかけることは分っていても今の状況で大学の実験も講義も参加するのは不可能だと思う。本当にすまない。
電話をかけたがでなかった。母親は家に携帯を忘れたまま外出することがよくある。後からかかってくるだろうと待つことにした。
2時間ぐらいして電話がかかってきた。
「もしもし」
「もしもし、どうしたの?」
「大学休学しようと思う」
「なんで?退院した時大丈夫って言ってたでしょ?休んだ分講義も夏休みにやってくれるって言ってたし」
「それはやってくれるんだけど、講義も実験もついていけなくなってここしばらく大学に行ってないんだ」
「ついていけないって、努力はしたの?」
「もともと寝る時間とか削ってレポートとか実験ノート書いてたんだけど、実験に関係ないレポートはまだいいよ高校の延長上みたいなもんだし、実験に関しては休んだ分積み重ねだからついていけないのと実験ノートは手書きで書かないといけないから俺みたいに書くペースが遅いと休んだ分取り戻せない」
ネトゲをやっている影響からパソコンを使ったレポートを書くのは得意だったが、元々文字を書くことが苦手だった俺は書くのが遅いのと字が汚いというコンプレックスがあり手書きで作らないといけない実験ノートは苦手だった。実験のない木土日に先の分をかけるだけ書いても実際の実験に間に合わないこともあるぐらいだった。
しばらく話して親も納得してくれた。
次の月曜日の午後4時にゼミの担当の先生と親と俺で話して大学側にも休学を認めてもらった。
それから来年までの休憩だと思い、よりネトゲにはまっていったが不遇職である魔法だと敵が先に倒されることがストレスとなり、ゲームがストレス発散だがゲーム自体がストレスとなり毎日朝から酒を飲み夜遅くまでゲームをしていることが多くなった。
そんな生活が数か月続いたある日、昼間にパンさんが話しかけてきた。
「おっす、アマ最近学校行ってないだろ」
「おっす、休学してるんだー」
「あぁ休学なの?ワシ仕事やめたけぇ、しばらく昼間も遊ぼうや」
「どうしたの?例の社長の息子か」
「ワシに火ついたままのタバコ投げてきてな、やめてやったわ。マジワヤだわ」
「社長の息子だからクビになるわけでもなくそれでもやっていけるのが怖い。あ、昼間いるんだったらギルド入っとく?」
「おぉ、いいね一緒の場所入っとくか」
「ギルマスに話しとおしとくは」
俺の入ってるギルドBeビーは廃ギルドだった。
夜勤や仕事してない等で昼間にいるメンバーから普通に仕事してる夜いるメンバーなど全員が全員効率よく狩りができるようにギルド内でPT狩りするタイムスケジュールが決まっているのと新規コンテンツが実装されたら真っ先に攻略できるように皆切磋琢磨してプレイヤースキルを向上させ、ダンジョンを以下にソロで早く攻略できるかの意見を交換するそんなギルドだった。
ギルマスのミーシュに話してパンさんもメンバーに加わり毎日狩りをしているがギルマスはパンさんに話しかけることはなかった。パンさんが入ってから一週間ぐらいたってからことは起こった。
「一発で落とせないならその範囲攻撃やめろよ」
その後パンさんを除いたメンバー全員でギルド通話になった。
「もう我慢の限界だわ、敵に無敵時間つく範囲攻撃するし周りの攻撃みないし」
「そんな言い方ないだろ、俺のフレだぞ」
パンさんはまだ始めたばかりだが、骨格が違うことから周りから嫌われておまけに使える範囲攻撃も少ない種族を使用していたが俺はその不遇でも頑張る心や人柄から好きだった。
「みんな思ってるよ何でギルドにいるのかって」
「俺も我慢の限界だわ」
「何よりギルマスが無視してるじゃん」
「俺出てくわ。俺抜きで通話したつもりなんだろうけど、スカイプのバグなのか聞こえてるわ」
パンさんがチャットをうって会議を退出した。
「悪い、俺も出てくわ。俺も戦力外だからな」
俺も会議から退出してギルドから抜けた。
後から聞いた話だがその後に俺もギルドで邪魔だと思われていたらしく抜けてよかった等と言われていたらしい。俺がギルドにいる最中俺抜きで通話して俺がなんでギルドにいるんだ?みたいな話は元からあったらしい。ギルメンのさーこから聞いた。
ギルドを抜けた後、俺とパンさん二人で通話していた。
「マジワヤだわー、アマはあいつらと違って良かったよ」
「そりゃ不遇を生きる仲間なんだから当たり前だろ」
「ワシら二人でギルドでも作るかのー」
「そうするかー、また1からだね」
人がいないギルドだが頭の上に友情の証のギルド名、無限の友情がかかげられることが嬉しかった。