挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
いきすぎた健康は異世界チート。行きつく先は・・・魔法王? 作者:ぼん・ぼおやっじ
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

47/49

3-07 鑑定の結果は・・・?








 そしていよいよ始まりました。
 部屋の中央に立つルトナ。その正面、祭壇の前にミディオン一級神官殿が立ち、ルトナから見て左右の位置に三人ずつ若い神官さんが立っている。

 この技能神ナーディアスの神官が持つ『スキル鑑定』というスキルは八級から一級まであって、この本鑑定が使えるのは一級のスキルを持った神官。つまり一級神官だけということらしい。

 二級、三級が個別鑑定のできる人、四級、五級が簡易鑑定のできる人。六は見習いで、七と八はスキルを持つているだけの修行僧という位置づけだ。
 この本鑑定は補助についている神官さんも二級三級の人だそうだ。

 ミディオン一級神官さんが何やら神への祈りを唱える。

【大いなる技能を司る神、ナーディアスの御力を持って、今ここにルトナ・ナガン氏のもつ修練の力を形にせん。オーラ、オーラ、ナーディア・・・・・】

 という感じだ。
 それに伴ってルトナの足元から磨き抜かれた黒い床に金色の文様が広がっていく。

『おお、この年でこれだけ立派な…』
『大きいものが多いわね…大したものだわ…』

 そんなささやき声が聞こえてくる。
 補助の神官さんたちは床に浮かんだ文様を手元の紙に正確に書き写していく。
 文様は複雑で、重なる部分もあり、この文様のことをよく知るものでなければこの書き写し作業はできない。
 文様の一つ一つがスキルを表していて、文様が重なる部分であればそこからスキルごとの文様を分解して読み取れないとこの作業はできないのだ。

「これか【織姫】のジョブスキルですね。珍しく素晴らしいものです、こちらは格闘術、これは…」

 というような作業が続き、その結果。
 結果ルトナは【武術家】【織姫】のジョブスキルを持っていることが判明した。

 武術家の構成スキルは、
 【体術】・体を上手に動かせるセンス。
 【魔気功】・魔力体内で練り上げ、めぐらせて生体強化に資する。
 【魔撃】・練り上げた魔力を攻撃に転嫁する技スキル。
 【気配察知】・周囲の気配を把握しやすくなる。
 【間】・タイミングや間合い、呼吸を掴めるようになる。
 【格闘術】・徒手空拳での戦闘術。
 【手斧術】・手斧を使った戦闘術
 【双剣術】・短剣を使った二刀流戦闘術。
 【夜目】・暗くとも物が見える力。
 【敏捷+】・敏捷に補正。動きがすばやくなる。
 【柔軟+】・体の柔らかさに補正。
 【体力+】・耐久力、持久力に補正。
 【集中+】・集中力が上がる。
 となる。

 なかなかすごい構成だね。中でも『間』と『能力+』系はジョブスキルでしか手に入らないスキルらしい。

 ちなみに織姫のスキル構成は
 【採寸】・対象を観察することでそのていしょう対象の正確なサイズを立体的に把握できる。
 【デザイン】・頭の中で詳細なイメージを汲み上げることができる。衣料限定。
 【裁断】・組み上げたときの構造を理解しつつ裁断できる。
 【縫製】・裁縫の上位版、ミシンのように正確に早く布を縫える。
 【微針】・正確に素早く布を縫う技スキル。
 【機織】・上手に機を織れるセンス。
 【紡績】・上手に糸を紡げるセンス。
 【染色】・上手に布などを染めるセンス。
 【忍耐++】・忍耐力に大きな補正。
 【集中++】・集中力に大きな補正。
 【器用++】・器用さに大きな補正。
 【持久力++】・持久力に大きな補正。
 だそうだ。
 忍耐に大きなプラスというのが微妙に笑える。

 ルトナに感想を聞いたら何か服を作ろうとしたとき、どう縫えばいいのかとか、どうすればイメージ通りの布が織れるのかとかそう言うのが感覚的にわかるのだそうだ。
 そしてそれをつくるために的確にカラダが動くとか。
 まさに開眼という感じだな。

 ルトナは他にも個別スキルとして【モンスターテイム】【以心伝心】を持っていた。
 フェルトと通じ合ったことで手に入れたスキルだろう。以心伝心はフェルトに正確に指示を出せて、フェルトが何を言いたいのか分かるらしい。

「うん、やはりジョブスキルに昇華していたか…」
「分かってたの?」
「ええ、あの時、魔力撃を手に入れて連日決闘していたときルトナの動きがいきなりよくなったことがあったね、あの時からルトナは何かを会得したようにうまくなったわ」

 うーん、全然気づかんかった。
 さすが親というか、同じ武術家ということかな。

 最後にスキルではなく【称号】というのもあってちゃんと【ケットシーの友】【エルフの友】というのもあった。
 単にもらっただけかと思ったらこれもちゃんと身に備わっているんだね…
 ルトナは他にも【武芸の申し子】というのがあった。
 称号、聖号もこの一種らしいが、これは力ある誰かから送られるものなんだそうだ。うーん…

 ◆・◆・◆

 その後俺が同じように鑑定を受けたのだが…

「これはいったいなんだ?」
「見たことのないスキルだ」
「すごい、新スキルのオンパレードだ」

 神官さんたちおおはしゃぎ。

 俺のスキル構成はこうだった。
 まずジョブスキル。
 【魔法騎士マギウスナイト

 個別スキル
 【格闘術】

 よくわからんスキル。
 【アラヤシキ】
 【フラグメント】

 この内この神殿に資料があるのは格闘術だけ。他は神官さんたちも初見だったらしい。
 スキル名自体は鑑定で出てきたスキルの文様から読み取れるらしい。でもそのスキルの資料がないので、それがどういうスキルなのか、細かいところは全く分からないのだそうだ。
 前代未聞だ。大発見だと言って大はしゃぎしている。

 例えば化石ハンターが新種の化石を丸ごと発見したり、物理学者が新しい法則を解き明かしたりするようなものなのだろう。
 このはしゃぎっぷりを見るとちょっと不安になるな。

 だがその騒ぎはほかならぬミディオン一級神官の一括で静まった。

「私たち技能神様に仕える神官は何があろうとも鑑定の結果を漏らさないのが決まりです。今まで発見されたことのないスキルでもそのルールは変わりません、ご安心ください」

 そう言ってミディオンさんは俺に笑いかけた。
 スキルというのは効果が大きい。そのスキルの構成によっては将来の展望が開けたり閉ざされたりする。
 その判断は本人に委ねられるべきもので、軽々しく他所に漏れていいものではないという考え方だ。
 特に戦闘職などであればその構成の秘密は生命線と言ってもいいのだ。
 しかしまったく知られていなかったスキル。それをほったらかしというのもいかにも勿体ない。

「ただ…」といってミディオンさんはいくつかの提案をしてきた。
 一つ目は俺に技能神の神官にならないかというお誘い。
 同じ神官であればスキルを研究して、詳しい内容が分かればそれを後々にまで伝えていける。
 この場合は破格の待遇が約束されるそうだ。

 恐ろしくいい話ではある。
 だが断わる。
 俺は武道家にならなければならないのだ。

 とはいっても子供の主張だ。
 今俺が一〇歳として将来を選ぶのはまだ四年ほど先になる。
 この世界では十三か十四ぐらいで将来を見据えて職を選び始める。
 そのぐらいから自分の付きたい職業の所に行って見習いなどから始めるのが普通なんだそうだ。

「その時の選択肢として神殿の扉が君のためにあいていることを覚えておいてほしいです。また他の道を選んだとしても、このスキルの内容をお知らせいただければ相応のお礼はいたします」

 どちらにしてもまだ先の話ですが…

 そう言ってミディオンさんは穏やかに笑った。

 スキルが分かったらということだったが実のところ少しは分かっている。
 【フラグメント】はあの世界の欠片である。名前が何故フラグメントなのか、メイヤ様が【採用】と言っていたからその所為だろう。
 【魔法騎士マギステルナイト】というのは分からないのだがこれを意識した時に【管理者アドミニストレーター権限Ⅰ】というのが頭に浮かんだ。『アドミニストレーター権限Ⅰ、該当ユニットなし』というメッセージが脳裏をよぎったのだ。
 まあそれ以外は分からないんだけどね。

 それにアラヤシキはたぶん阿頼耶識だろう。名前からして何か知覚系のスキルか? 魔力が視えたりするのはこれのせいかもしれない。

 ◆・◆・◆

「ミディオン様、今まで知られていなかったスキルが見つかったのです、それを調べて審らかにするのは我々の義務ではないのですか?
 直ちに本神殿に連絡して高位の神官たちを呼んで…」

 俺達が帰った後のこと、若い神官がミディオン一級神官に食らいついていた。

「ティート、何度言ったらわかるんですか、鑑定で知りえた秘密は何があろうと漏らさないのが決まり、神のお許しがない限り本神殿への連絡もみとめられません。必要であればナーディアス様が何か言ってきます。何事も神のご意志のままにです」

 神さまが実際に活動しているここではそう言うこともあるのだ。

「そんな…分かりました…」

 ティートと呼ばれた神官は踵を返すと唇をかみしめて奥に下がっていく。
 ミディオンは残った神官に問いかける。

「彼は本神殿からの出向組でしたね」
「はい、本神殿の一級神官の身内だとか…うーん、早まらなければいいんですけどね…」

 彼のような立場の人間は本神殿に良いところを見せないといけないという意識が強く、時に暴走することもある。
 彼らが心配したのはまさにそのことだった。
 そしてその心配はすぐに現実になって表れる。

 その日の夕方、ミディオン一級神官の元にティートが倒れたという連絡が届いた。
 彼の机には何かを書こうとした書きかけの手紙が乗っており、本神殿に何かを送ろうとしていたことが察せられた。

 そして数日の昏睡の後、目を覚ましたティート三級神官は神官が持つべき神授のスキル。『スキル鑑定』と『スキル助勢』の二つのスキルを失っていたことが分かった。

 神殿の仲間たちはそろって深いため息をついた。
 俺の知らないところでそんなことがあったらしい。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ