21.チーム内告知・賞金首討伐
天候は晴れ、4~5月辺りの暖かな気候のSoFO世界にて、今日も俺は汽車を走らせている。
今日の貨物は機械人族の本国ギア・ギヤからエルフ族の本国エル・グランテへ木製品を工場の専用貨車を使って運んでいる。
行動範囲が急激に広がってから、クラウドやオルティガから遠いところにも、流石にフィールド探索は戦闘の実力が不安なので行っていないが、駅から駅へ乗客や貨物を運ぶ為何度か訪れた事があるが、エル・グランテにはまだ行ったことがないので、少し楽しみだと思っていた。
とはいえ、駅に着いて貨物を下したら街に出ずに帰るつもりなのだが。
そんな事を考えながら、列車はグランド・パシフィックに近い外海からの船舶が頻繁に行き来する海峡に架かる巨大な稼働橋を渡ってゆく。
橋を渡り森に入り、その中を進むといつの間にか列車はエル・グランテ駅の自然の洞窟をそのまま利用して作られ、木々や青々とした枝葉が生い茂る駅舎へ到着していた。
列車は3番ホームに入り、荷物を積み降ろして運ぶ為の荷車の近くへアンクル・パフを停車させた。
小川のせせらぎや小鳥のさえずりが響く平和な駅舎だが、このときちょっとしたハプニングが起こるとは想像もしてなかった。
ホームには依頼主と思われるエルフ族が数名立っていたので、到着を報告する為に俺は機関車から降りた
その時である!
「!機械人だ!殺せ!」
「ゥオア!?何事!?」
突然、目の前にいるエルフ族の女が叫び、こちらに弓矢を向けて構えたのだ。
俺はそれに驚いて、すぐさま機関室に隠れる。
機関室の窓から様子を見ると、そのエルフの女と一緒にいた他の二人のエルフ女性もそれぞれ、剣と魔法杖を構えてこちらに敵対を示している。
一体何があってのか、俺が何かしてしまったのか。
俺は疑問に思い、辺り一体に一触即発の空気が漂う・・・と思った次の瞬間!
「やめんかこのバカ者共!!」
突如、他のエルフ族が現れ、武器を構えているエルフたちの頭を杖で一発づつ殴り、叱り飛ばした。
「しっかりせんかこの愚か者どもめが!機械人との大戦は数年前に終わったであろうが!それにこやつはNPCではなくプレイヤーじゃ!大戦に参加した個体ではないわ!」
そのエルフは青い髪をしており、レオタード型の上半身、意味をなさない程にミニ丈のスカート、そこから見えるパンツに至るまで全て木の葉で作られた衣服に、足には裸足にサンダルを着用し、その体格は他のエルフに比べ、小さな胸にくびれているがふっくらとしたお腹、むちむちとしたお尻と太ももを有しており、身長が低くまるで人間の少女のような姿をしているが、3人のエルフが頭が上がらない様子を見るに、年上かつ上司なのであろう。
「すまんのう旅の者。かの種族機械人との大戦はとうに終結したが、未だにかの種族に対して不信感を募らせる同族が多くてな」
それからしばらくして、貨車から荷物を積み下ろす際にエルフの幼女上司が積荷の一つを手に取って見せてくれた。
それは木で作られた弦が張られていない弓であった。
「これは一般の兵士用に作られた弓じゃ。弓自体はエルフの職人でも作ることが出来る、一人の優れた力を持つ者にはこれで良いが、じゃがどんなに優れた腕があっても大量に作れば時間は掛かるし幾つかはバラつきが出てしまう。じゃが機械人の持つ技術を使えば短時間で量産でき、どの弓も同じ性能にすることが出来る。これならば兵士一人一人に合わせて調整することも可能じゃ。全く、弓一つに取っても恐ろしいモノじゃわい。我らの味方になってなければ今頃どうなっていたことやら・・・」
エル・グランテ駅にて戦争の爪痕のような物を感じた後、牽いてきた工場の貨車は自動で転送されたので
クラウドへ回送する途中、稼働橋で大型船の通過を待っていると、チームメンバーからチャット通信が届き、俺は回線を開いた。
「チームリーダーから全メンバーへ、聞こえるか。手の空いている者は会議を行うため、メインベースに集合してくれ。繰り返す、手の空いている者はメインベースへ集合せよ、以上」
通信相手はブラッドだ。
どうやらチームメンバー全員に通信しているようだ。
一体何が起こるのか、と思っているとまた通信が入る。
「J-7~聞こえるにゃ~?ブラッドが言った通り、暇なら集合して欲しいのにゃ~。で、メインベースに行く方法だけど、まずメインメニュー開いてチームの項目選んで、それからその中の「本拠地に移動」っていうのを選べば、行けるからやってみるにゃ。ほいじゃ☆」
キャット☆アイから通信が入り、俺は暇だったので行くことにした。
言われた項目を選び、YESと言うと、俺の身体と機関車はサイバーっぽい水色に発光し次の瞬間視界が白に染まった。
光が収まると、機関車は異なる場所に移動していた。
地下空間らしく薄暗く窓はなく、金属の質感のあるくすんだ青色の壁はロボットアニメの格納庫を彷彿とさせる。
アンクル・パフが乗っている線路はスペースを広く取っており、前方には転車台とその先に各種燃料補給装置と車止め、後方は線路が続いているようだが、巨大な金属の扉に遮られている。
その線路が機関車の進行方向左側に何台分かの本数が並んでいた。
そして進行方向右側には線路から少し下に向かって階段とスロープがあり、そこから奥の方へ床が続いているが、奥の方は明かりがなく真っ暗だ。
ここが、BBの本拠地。
俺はそう思いながら機関車から降り、ホームの階段を降りる。
アンクル・パフがアイテムパックに戻ったとメッセージが出たが、不思議な事に機関車は線路の上に出たままだった。
そうして階段を降りきると・・・
「BBの本拠点にようこそにゃ!」
暗闇から空間に響く声がすると、キャット☆アイが上から俺の目の前に音も無く降りてきた。
「俺が一番最初か?」
「ん~、そうみたい。でもみんなすぐに来るにゃ。さ、コッチだにゃ。照明つけて~!」
言われた通りキャット☆アイの後ろを付いて行くと、彼女の声で薄暗い地下空間に明るい照明が点き、目の前には広い吹き抜けの空間が現れた。
俺はキャット☆アイの揺れるヒップと尻尾を視ながら、地下駐車場のような、地下基地のような光景を観察していた。
貨物コンテナ用の大型エレベーターに乗って、俺とキャット☆アイは一番下へ降りて行った。
底層エリアに着くとそこは巨大な作戦室のようになっており、何台も並べられたSFチックな装置が付いたデスクに、高い位置にあるステージには巨大なモニターが付いている。
「そうだ、武器開発班も来てくれ、紹介しておきたいからな」
ステージにはブラッドが通信機を持って各所に連絡している様子が見えた。
到着して適当な席に座っていると、数分も経たずにBBのメンバーが次々集まり程なくして、会議が始まった。
「大体集まったな、それでは会議を始めるぞ。まずはうちのチームに新しく加わったメンバーの紹介から初めよう」
「ほら、J-7も行ってくるにゃ」
「ああ、俺もそうだったな」
ブラッドの呼びかけによって、俺を含む新人メンバーたちがステージに上がってゆく。
「まずは自己紹介からだ、順番に名前と使用している武器、それと一言メッセージを頼む」
「は、はい!僕は、今日からこのチームに入った「アルト」と言います!武器は剣と盾を使っています!まだまだ未熟ですが、よろしくお願いします!」
「えっと・・・私は「サクラ」と言います。両手杖で回復魔法が使えます。皆さんが怪我しないように一生懸命頑張りますので、不束者ですが、よろしくお願いいたします!」
新人たちが次々に挨拶して行き、次は俺の番になった。
「本日からこのチームの所属になったJ-7だ。武器は固定銃座をメインに使っている。機動力のある戦闘は出来ないが、防衛と援護射撃で取り返すつもりだ。それから鉄道車両の運転資格を持っているから、必要な物資、行きたい目的地があったら依頼してくれ、これからよろしく頼む」
俺の後にも何人かのメンバーが自己紹介をした。
「俺の名は「クラッシュ」!武器は何だって使って見せますぜ!戦いの時はどんなヤツでもどんなモノでも全部ぶっ壊してやりまさぁ!」
「まぁ、野蛮ですわね・・・私は「ローズマリー」。このチームの人々を脅かす魔物や犯罪者たちと戦う理念に共感致しましたの。私達に手向かう者は、この鞭でお仕置きして差し上げますわ」
「・・・私は「ヘイゼル」・・・暗器が得意・・・『裏の仕事』は任せて・・・よろしく・・・」
そうして最後のメンバーが紹介を終え、ステージから降りるとブラッドが進める。
「よし、それじゃあ今回の本題に入るぞ。最近、クラウド周辺の森から狼の群れが頻繁に出没して、被害が出ている。調査によれば森の深部エリアに「マザーウルフ」という大型のモンスターが出現し、それが狼たちを繁殖させ群れを率いているらしい。ギルドはこのモンスターを賞金首にし、俺達に討伐依頼を出した。そこで、賞金首討伐と一緒に新人たちの研修も行うことにする。作戦開始は3日後、それまで準備をしておいてくれ、質問はあるか」
なんと、チームの活動で賞金首の討伐に行くのか。
だが、少し気がかりなことはある、早速意見を具申せねば、挙手。
「よし、J-7」
「新人研修を兼ねた討伐作戦ということだが、俺を含めて新人メンバーはおそらく初ログインから数日か1週刊と少々位しかプレイしてない為、実力が高いとは言い難い。皆が想像しているであろう賞金首という強敵に対するには戦力不足ではないか?」
「その点に関しては問題ない、マザーウルフは賞金首クラスのモンスターとしては初級者向けの相手だ。
それに当日は俺も含め、既存のメンバーがサポート役に同行する予定だ。お前達がやられないようしっかり支援するから安心してくれ」
ブラッドが説明すると、今度はアルトが手を挙げた。
「その・・・メンバー選出はどのようにしますか?」
「そうだな、こっちの方で決めるのも手だが、可能な限り希望者を優先したい、希望者はいるか?」
そう言ってブラッドは辺りを見回した。
そして俺は、この任務に名乗り出ることにした。
「俺が行こう。このゲームをやっていればそのうちそれくらいの強敵と戦うことはあるだろう。こういうことは早めに経験しておいた方がいい」
「おお、威勢がいいなJ-7。だがお前の装備は完全に後方支援向きだ、誰か前衛向けの装備の者と回復呪文が使える者で志願者は?」
確かにそうだ。スキルで素早くなったとはいえ、固定銃座の設置には隙が出来る。その間に敵に攻撃を受ける可能性は高いだろう。
敵の注意と攻撃を引き付ける前衛攻撃役と負傷してもすぐ回復出来る者がいれば、全体のバランスは良くなるだろう。
と、思っていると、アルトとサクラが手を挙げた。
「僕も行きます!お願いします!」
「わ・・・私も行きます!精いっぱい頑張ります!」
「待て待て待て!俺も行かせてくだせぇ!早く戦いたくてたまりませんぜ!」
「あたしも!」 「俺も!」
それに続いてクラッシュと他の新人メンバーたちも挙手する。
「ほう、皆やる気みたいだな、分かった当日はこのメンバーで行くことにしよう。他の参加しないメンバーに関しては、ウチのメンバーと一緒に他のクエストに就いてもらうとしよう」
ブラッドはそう言うと、次に何人かのメンバーをステージに上がるように言った。
ある者は素早く、ある者はゆっくり歩いてステージに並んでいく。
並んでいる者たちは男女数人おり、皆エプロンや白衣のような作業着らしきものを着用し、特に男性陣はここに来る前に作業中だったらしくかなり煤けて汚れている。
ブラッドが説明する。
「よし、皆そろったな。ここに並んでいる者たちは、俺達のチームで装備品やアイテムの開発を主に行っている、所謂『職人』と呼ばれる奴らだ。自分の装備に不安があったり、必要なアイテムがあるなら、彼らに相談すると良い。では自己紹介を頼む」
「エー、メンドくせぇ・・・俺は「ステイル」、主に金属製の武器・防具の開発を担当している。防具も作っているが、得意なのは武器、特に銃器類だ。だが他の仕事をおろそかにする気はない。どんな依頼だろうと最高の仕上がりにしてやる」
ブラッドからの補足:「コイツは見ての通りぶっきらぼうだが、職人としての気質・プライド・情熱は本物だ、気兼ねなく相談をすると良い。次!」
「よー新入り共!俺は「ティン・バー」、木製品の専門だ。お前らの頼みなら、弓矢でも木の盾でも作ってやるぜ!ああ、木の盾って脆いイメージがあるかも知れねぇが、ちゃんと作れば金属製品よりも丈夫になるんだぜ?これからよろしくな!」
その他に、刀剣鍛冶のエルフ男性「秋雨」、特殊能力を備えた、もしくは特殊な状況に対応出来る装備の設計開発をメインにしている男女「ブレインズ」と「プラニー」、そして爆発物のスペシャリストの男性竜獣人「D.O.O.M.」が紹介を終えた。
「よし、それじゃあ次」
ブラッドが言葉を放つと、次はモデル体型の美しい女性が自己紹介を始める。
「私は「シラユリ」、布・革製のアイテムを作ってるわ。どんな注文も最高級に仕上げてあげる。ところで・・・そこのあなた」
「えっ!?あ、は、はい!?」
シラユリは突然、サクラを指さして彼女に近づいて行った。
「あなた、可愛い顔ね。どうかしらこの後私と一緒に作業場まで行きましょう?あなたにピッタリの装備品があるの・・・」
「ええ!?え=っと、あの、その!?」
「・・・・・・」 (ああ、また始まったよ、アイツの悪い癖が)
シラユリはいきなりサクラを口説き始め、ブラッドはそれを見てため息を吐いて呆れている。
この女性はそういう性癖の持ち主なのだろう。
突然の出来事に周囲の者は非常に困惑し、どうしたら良いか分からないようだった。
そんな状況で、以外にもクラッシュが口を開いた。
「あれ、サクラ。お前のその着てるやつって、カーボン繊維製とか言ってなかったか?」
「えっ?あ、はい、そうなんです!だから布とか革だったらアルト君に聞いてくれませんか?」
「 (えっ、僕!?)あー、はい。ですので出来れば僕の装備について、お話し出来ればと・・・」
だが、アルトがシラユリに話しかけた、次の瞬間!
「男は去ねッ!!」
「「ええええーーー!!?」」
「本性現したッ!?」
「な、なにをするだァーッ!許さん!!」
態度を豹変させ、アルトに対して威嚇したシラユリを誅するように、キャット☆アイが彼女に凄いスピードで腹パンを喰らわせる。
瞬間一撃で重撃を受けたシラユリは、言葉もなく吹き飛ばされるように床に伏した。
「新入りチャンたちに対する狼藉、許すわけにはイカンにゃ!貴様は死ぬべき女にゃ・・・」
「全くですわ!見ず知らずの女性に対して、ーーー男性もダメですけどーーー女性がいきなり口説き始めるなど、は・・・ハレンチ極まりませんわ!」
「ハレンチったって、マリーお前その恰好で言うか?オッパイを80%くらい出してるし、ヘソ出しだし、ミニスカだし。おまけに乳はデカいし、くびれて細いし、尻と太ももも大きくてムチムチ・・・あイタァ!?なにしやがる!?」
「こ、こ、こ、このッ!?ハレンチ野蛮人がッ!?ここで成敗してくれますわ覚悟なさい!!」
「んだとォ!ホントの事言っただけじゃねーか!」
ローズマリーの言うことももっともだが、クラッシュの言にも一理あるな。
・・・なんて思っちゃ駄目か。
「おい新入り共、そろそろ話を戻すぞ」
ブラッドの一声で皆改めてステージに向き直った。
「見ての通りシラユリは女好きが度過ぎて男相手には全く仕事しなくてな、そこで俺達がスカウトしたのが彼女、「コクーン」だ。専門はシラユリと同じ布・革製品だが腕はそこの床に倒れている奴と同じだから男性陣でそれらの素材の装備使ってる者は主にこっちに依頼してくれ」
ブラッドの紹介でコクーンはこくんと会釈した。
「・・・・・・」
「あと一つ補足するなら彼女は無口だ。それじゃあ次」
その後も女性陣の武器職人・防具職人の紹介は続き、杖やマジックアイテムなど魔法・魔術関連品を作っているエルフ「マギカ」、特殊な素材や生成方法を使った装備の開発の機械人「mey」、おもちゃのような見た目の武器を作っている『マーチヘア』という種類の陽気な兎獣人「まぁち☆」とバニースーツやスク水などコスプレ衣装のような防具を作っている『ジャバウォック』という種類のドラゴン魔族「ドラΠ」、そして面積の少ない水着やビキニアーマーなど、サキュバスが好みそうな性的な装備の開発に魂を注ぐサキュバス族の「すーぱーあるてま」が紹介され、職人全員が登場し終わった。
「以上が我がBBに所属している職人達だ。皆、得意分野は違うが一級の腕を持つ仕事だ。武器装備で相談があればいつでも頼ってくれ。これで今回の会議は終わりだが、最後にもう一度質問のある者はいるか?」
ブラッドがそう問い掛けると、新人メンバーの一人が挙手をした。
「あの~、先程は聞き逃したんですが、今から3日後に出陣って言うのは少し速くないですか?」
「あ、確かにそうですわね。準備が必要とはいえ3日というのは急ではなくて?」
「うむ、確かにその通りではある。だがそれにはちゃんと訳があるんだ」
そう言うとブラッドは一拍置いてから説明した。
「実はこの会議を始める1時間前、ギルドからBBに、いや全てのチームに向けて通信があった」
「冒険者ギルドからですか?」
「そうだ、で、その内容はーーー『マザーウルフ率いる群れの活動が活発になっているから速く討伐してくれ』ーーーだそうだ」
「活動が活発に・・・具体的にはどうなっているんだ?」
「ウルフ系モンスターの群れが、クラウドの街に攻撃を仕掛けたらしい」
「攻撃!?被害は!?大丈夫なのですか!?」
「大丈夫だ、衛兵たちと街にいたプレイヤーたちで防衛に成功し、市内に被害は出ていないらしい。だがギルドはこの事を重く受け止め、各チームに討伐依頼を出しているらしい。すでにサニーヒルズやラッシュ、森に隣接している町村では馬防柵の設置など防衛ラインが設置され警戒が強くなっている。この事態を解決するために今回は速く討伐に向かうことにした。この事に異議のある者は?」
ブラッドはそうメンバーたちに聞いて見回した。
俺もキャット☆アイも既存も新人も皆、無言で頷き了承した。
「分かってくれたみたいだな。いいか、例えその事件が自分に関係無いと思っても、それで困っている人間がいるなら助けてやれ。そうしないとこのゲームでは、巡り廻って自分に返ってくるからな・・・・・・っと、この話はまた別の時に話すか。とにかく討伐作戦は3日後に行う、それまでに皆ちゃんと準備を終えておけよ。あと職人たちは終わったらしばらくここにいてやってくれ、注文が殺到するだろうからな。それじゃあ今回の会議は終わりだ、解散!」
こうして会議は終了し、ブラッドの言った通り職人達の周りには多くのプレイヤーが装備品の相談をしていた。
俺はゲームをプレイしていく中で思いついた装備を開発依頼してみようと思っっている。
とりあえず今は混雑がひと段落するまで、設計図とまではいかないが依頼する装備のイメージイラストを描くことにした。
「んー・・・こういう武器か」
混雑が減って来た所で俺はその合間に書いたイラストーーー新たに装備する武器のイメージーーーをステイル達に見せた。
「種別は分かるが、こういう形式の武器は使い辛くないか?」
「そう思うだろうが、俺は普通の無反動砲や機関砲よりもこっちの方が戦果を上げやすかったからな」
「そう言うモンか。それなら武器本体は俺の方で造って、装填する弾頭はD.O.O.M.と俺で造るとするか・・・問題はこのーーーギリースーツ (草の茂みや木々のような見た目の迷彩服)みたいなヤツだが、コイツは服飾専門家にやらせたほうがいいが、シラユリは野郎相手の仕事はやりたがらねぇし、第一・・・」
と言ってステイルが後ろを向く。
他の皆も視線を同じ方向に向けるとそこには・・・
「さぁ~、何本目で死ぬかにゃ~?」
「し、し、し、死んじまうぅぅッ!!(快感)」
「なぁ~にぃ~?聞こえんにゃ~?」
「ア、アネキィ!!(恍惚)」
キャット☆アイがシラユリの身体に指を素手で抜き差しして拷問 (受けている方は明らかに悦んでいるが)らしきことをしていた。
「あのザマじゃまともに仕事も出来んだろ。おい、コクーン!この装備はお前が担当しろ、素材で悩むなら他のヤツを呼んでも良い」
「・・・・・・」
「よし決まりだな。それじゃあJ-7、完成を楽しみにしてろ。代金は後払いで払える時で良い、持ち逃げするなよ?」
「分かった、ではよろしく頼む」
俺はそういうと、自分の乗って来た汽車に乗り、ワープ先をクラウド駅にして本部を後にした。
「さあ、これから忙しくなるぞ」
全ての依頼を受け付けた職人たちはそれぞれ自分の作業場に向かって行った。




