20.休息
現実世界パートです。
※この話の時系列は19話終了後から第一回BBメンバーと学ぶSoFO解説回の間です。
あと頑張ってボカしますが、アダルトな描写があるかもしれないのでご注意下さい
「鉄夫さん、大丈夫ですか?」
SoFOでゴモドラ残党軍の魔の手からオルティガ姫をBBの仲間たちと一緒に守り通し、ゲームからログアウトした次の日。
保存鉄道ボランティア施設内の機関車庫へ向かう廊下で、背伸びをした際に身体中からボキボキと骨がなる音が聞こえたのか、同僚職員でありボランティア仲間たちから相思相愛と認められている恋人の雪が声を掛けてきた。
「ん?ああ、大丈夫だ。昨日の夜VRゲームをしていたんだが、どうやら少し張り切り過ぎたようだな」
VRMMOで受ける痛みは仮想のものだから大丈夫だろうと思っているかもしれないが、実は少し違う。
敵から攻撃を受けた程度なら確かに問題ないが、例えば昨日みたいに敵から自分の体力を半分以上減らす攻撃を連続で受けたり、現実世界でもしないような激しい運動を行うと、そのダメージや疲労感が現実世界のプレイヤー自身の身体にフィードバックしたりすることもある。
もし、そうなったらゲームのプレイを止め、回復するまで静養した方が良いだろう。
そして俺もそうするつもりだ。
「VRゲームって、あのFPSのですか?」
「いや、そっちは諸事情があって今はやってなくてな。今は新しいヤツをやっている」
「そうなんですか。まあ、なにはともかく、あまり無理はしないで下さいね」
「分かっている、お前に心配をかける事はしない。それよりもだ」
そういうと俺は雪に向き直り、膝を曲げてジャンプの構えを取る。
雪もそれを見てすぐに察して、重心を低く取り身体を安定させ両手を広げて受け止める姿勢を取る。
雪の準備が整ったのを見ると俺は床を蹴ってジャンプし、その豊満なバスト (サイズは135だそうだ)めがけて跳び付き全身を使って抱き付いた。
雪も俺が抱き付いたのを確認すると両手を俺の背中に回して身体を支える。
傍から見れば完全に子供だが、今の俺にはどうでもよかった。
今すぐにでも彼女の身体に身を任せ、甘えたいと俺の身体が本能で思っているからだ。
だが今は仕事中、あまり長居は出来ない。
南国の甘酸っぱい果実と甘いミルクの香りがする心地よい胸の谷間にずっと埋もれていたいという思いを振り切って、俺はそこから顔を出した。
「明日から3日間、俺もお前も休みだろう?だからその間、俺とお前二人一緒に過ごしたいんだ。俺の疲れた身体を、お前の手で優しく『マッサージ』して、リラックスさせて欲しい。もちろんお前にも同じ事をして気持ち良くしてやる・・・それでいいか?」
俺は彼女の耳元にそう伝えた。
雪の顔はやや赤みを帯びて、恥ずかしげな、しかして喜びを含んだ表情をして視線をこちらから少しそらしている。
お互いの身体を密着させているので、彼女の胸の鼓動が、ドクン、ドクン、とこちらにも伝わってくる。
少しの沈黙の後、彼女も口を開いた。
「はい・・・いいですよ・・・私も、あなたが・・・欲しくなっちゃってますから。お休みの間、ずっと・・・ずーーーっと、一緒に過ごして・・・お互いに、いっっっぱい、気持ち良く・・・なりましょうね」
彼女の返事の後、俺と雪はまるで凍り付いたように互いの顔を見つめ合っていた。
このままキスでもしようか、いやさっさと仕事戻れよ、と脳内会議をしていると、そこに他の職員がやって来た。
「オヤオヤァ~?随分とお熱くなっておりますなぁ?」
「ヒューヒュー♪まだ日が明るいのに、情熱的ですなぁ♪」
その言葉で我に返った俺と雪は、俺の身体を下に下ろして貰い、後ろを向くとそこには。
同じ保存鉄道ボランティア職員の男性「ヤマシロ」とその彼女で同じく職員の「ミキ」がいた。
「全くお二人とも、いつもながらお盛んなことですわねぇ?ムフフ☆」
「ま、ムラムラ発情しちまったんじゃ、しょ~がね~かぁ?ケケケ!」
「下衆夫婦・・・」
「「オイィィ!?その呼び名はヤメロォ!!」」
この二人は職員全員に認知されてるバカップルで、本人達曰く初体験も済ませているのに、未だに二人して童貞じみたアホな発言をして人をからかっている。
そんなコイツらを俺は『下衆夫婦』と呼んでいる。
本人達は否定してるが、俺はぴったりだと思うぞ。
「お前らも変わらねぇって言ってんだよ。それに真面目に仕事しろって言いたいんなら、今日「C12」の整備やったのお前らだろ?」
「それがどうしたよ?」
「お前らも他人の事言えねぇぞ。車輪の整備不良が10ヶ所も見つかったって、ムライさんが愚痴ってたぞ」
「うわやっべぇマジかよ!?」
「またムライのおっちゃんに説教こかれるのか・・・!」
「そうなる前にもう一度自分たちで見直して来い」
俺のその言葉を合図に、ヤマシロとミキは車庫に向かって一目散に走って行った。
「やれやれ、色ボケかましてるのはアイツらも同じじゃねーか」
雪は俺と二人の会話を聞いて、クスクス笑っていた。
職員としての業務をこなしていく内、閉館時間となった為、ボランティアユニフォームの鉄道員制服から着替えて俺たちは解散した。
俺は雪の家に泊まりに行くので、彼女と一緒に街の通りを歩いて行く。
俺も雪も仕事場から直で来ているので、朝の出勤時の服装をしている。
俺はサバゲー用のミリタリールックだが、普通に着てもおかしくない市街戦迷彩カラーの防弾服を着ている。
雪は大手複合カンパニーに努めているので、白Yシャツに黒ベスト、タイトスカートに足にはストッキングを穿いている。
そのような礼節に満ちた服装でも彼女の巨大な胸はベストからはみ出し、Yシャツをピンと張り広げ、そのボリュームを、フォルムを激しく主張していた。
その様相は男の、時には女性のも、視線を浴びることは、ごく自然な人間の心理現象であった。
当然、俺も彼女もそんな当たり前の事は気にしていない。
だが、調子に乗って言い寄って来る輩には、俺と彼女の連携攻撃で痛い目を見て貰う事になる。
俺と雪は帰途へ着く途中、大型複合ショッピングモールへ食料などの買い付けに向かった。
3日分と余剰分の食料をあらかじめ買っておけば、悪天候などで外に出れない時も対応出来るからだ。
肉に魚、野菜、果物に米やパン、ゲームの片手間につまむ菓子類、手軽に食べれる携帯栄養食・・・
・・・マムシにスッポン、マカ、ガラナ、レバー、ウナギなど様々な食材をカート何台分も積んでゆく。
これら食品の支払いは雪が行った。
情けない話だが、コンビニ勤務の給料ではとても額が足りなかったからだ。
こうして俺と雪は両手にダンボール何箱もの食材を持って、傍から見れば修行僧のような状態で彼女の家に向かった。
雪の自宅は俺と同じマンション型だが、彼女のはいわゆる高級が付く物であった。
大量の荷物を持ってエレベーターに乗り込むと、最上階の彼女の部屋に上がって行く。
最上階の部屋は一つしかないというわけではないが、四方八方に隣接する部屋がなく、生活音を気にさせない構造になっていた。
位置的に角部屋となっている彼女の部屋に入り、買って来た食材を巨大な冷蔵庫にしまいリビングに入ると。
雪は、俺と二人きりなのを良い事に、上も下も窮屈な制服を脱ぎ捨て下着姿となった。
服の下には白いビキニを着用しており、その姿はまるでグラビアアイドルを連想させた。
服を脱ぎ捨てた際に勢いよく放出された女の香りが鼻をくすぐり、俺の身体を急激に発熱させる。
「ふぅ、本日もお疲れ様でした~」
「お疲れさん。風呂、沸いてるか?」
「あ、お風呂今入れますね」
雪は風呂を沸かす為、壁に付いてる端末へ近づく。
下着のみの開放的な姿になると、少し歩いただけで服を着ていた時よりもダイナミックに胸と尻が揺れる。
雪が端末のスイッチを入れると、ピロン♪、という電子音が発せられ、バスルームの扉からジャーという湯船に湯が入る音がした。
雪はそれを確認すると、リビングの中にあるベッドと見紛う大きさの柔らかなソファーに、その豊満なボディをゆっくり沈み込ました。
「それじゃあ・・・お風呂が沸くまで、鉄夫さん・・・来て・・・」
ソファーに寝ころんだ姿で腕を広げ、甘い香りで俺を誘惑する雪。
俺はその誘いをためらうことなく受け入れる。
ソファーに乗り、彼女の身体に覆いかぶさるように抱き着く。
雪の身体の熱が服越しにでも熱く伝わり、彼女もまた俺と同じように、雌としての本能を高ぶらせているのが分かった。
そして、俺と彼女は顔と顔、瞳と瞳を合わせて見つめ合い、同じタイミングで獣としての本能が抑えきれなくなりーーー
ーーーキスをした。
それは、深い深いディープキスであった。
お互いの口内に舌を入り込ませ、口の中を飴のように舐め尽くすように、互いの舌に絡みつくように。
まるでハチミツを含んだかのような甘いキスの味を、一時でも離したくないと、俺も雪もそう思考していたのか、どちらも相手の唇を離そうとはしなかった。
そうすると呼吸は必然的に鼻で行うことになるが、正常な嗅覚を持った俺たち二人は、さらに必然的に相手の、愛すべき相手の発情した誘惑の香りの森の中に突入することになった。
その中で雪は、俺の身に着けている服装を脱がし始めた。
俺はそれを異に介することなく、こちらも雪の下着の留め具を外してゆく。
やがて互いの衣服の感触がなくなると、互いの身体に手を這わせ、身体に溜まった疲れを揉み解すかのように、マッサージし始める。
その段階になると、俺たちの欲情のボルテージはMAXレベルを超えていた。
相手に身体の色んな箇所を撫で回され、味覚も嗅覚も相手の味に染め上げられ、鼻呼吸が荒くなってゆく。
その息遣いが、その中に混じる快感に耐えようとする声が、相手が自分と同じ状況にあると認識して、
それが更なる興奮剤になり、獣欲が永遠に昇り続ける弾道ミサイルのようになっていった。
・・・・・・と、そうこうしている内に。
カポーン♪ ピロリロリン♪
風呂が沸いたことを知らせるししおどしと電子音の効果音が最上階への到着を知らせるファンファーレのように響き、俺たち二人は正気に戻り、そして名残惜しそうに口を離していく。
気づけば、お互いに生まれたままの姿に戻り、激しい運動をした後 (正確にはこれからするのだが)のように汗まみれになっていた。
「あ・・・お風呂・・・沸きましたね・・・」
「ああ・・・だな・・・」
「それじゃあ、一緒に、入りましょうか」
「おう」
俺と雪はそう言葉を交わすと、手を繋いで当然のことのように、番いの雄雌の獣のように、客観的には一緒に露天風呂に入る母息子のように、一緒に風呂に入っていった。
だが、湯船に給湯している間に二人の体内で火災のように燃え上がった感情は、風呂に入って鎮火するどころかさらにヒートアップし続け・・・
結局、俺と雪は、風呂場で一回、夕飯の支度中に一回、そして飯が終わって一息付いた後の寝る前に百回以上両者が気を失うまで愛しあった。
そして次の日の朝、目覚めのディープキスで起きると、食事とゲーム等での息抜き、入浴以外の間はずっと、日常の中で一緒にいなかった時間を埋め合わせるように、イチャイチャあまあまラブラブと過ごし
・・・そしてあっという間に、休日が終わっていった。
朝になり、俺は暖かな暗闇の中で目覚めた。
昨日の晩が最後の休日だとしっかり確認しておいた俺は、居心地の良い暖かさと心地よい柔らかさのする洞窟から抜け出すため、身体を這わせた。
顔を埋めていた雪の胸の谷間から出ると、カーテンの間から注ぐ朝日が、彼女の肢体と寝顔を照らしていた。
「起きろよ、寝ぼすけさん」
耳元でそう呟くと、俺は彼女の首筋に、まるで吸血鬼のように唇で甘噛みする。
そうすると首筋から伝わる軽い快楽の電流に彼女も目を覚ました。
「んんっ・・・あ・・・おはようございます」
「ん・・・おはよう」
朝の挨拶を交わし、しばらくの間顔を見つめ合うと、俺たち二人はキスをした。
休日の間にする濃厚なものではない、互いの全身のまどろみを消すための5分間の短いキス。
それが終わるとベッドから降り、風呂へ向かう。
学校や市民プールにあるような大きなシャワーを二人一緒に浴びる。
最初に放たれる冷水で眠気を完全に洗い流し、徐々に湯に変わってエンジンをかける。
全身に泡をまとい、昨日の晩に発生させた愛の濃霧を身体から払い他人からは見えなくする。
そうしてリフレッシュした後に食事用の服を着て (なんでそんな面倒な事するって?裸で食うのもアレだし、仕事に行く服を汚すわけにはいかんからな)朝食を食べる。
程よく温めたバターロールにバターを塗り、オーブンを使わずフライパンで焼いたトーストに目玉焼きと焼いたベーコンを乗せ食べる。
新鮮なオレンジから素手で絞ったジュースを飲むと爽やかな甘みと酸味が喉を突き抜けていく。
食事が終わると出勤の支度を行い、そして・・・
「それではまた週末に・・・」
「今週も頑張ろうな」
今週末に再び一緒に過ごすことを誓い、
玄関から出る前に、互いの口を軽く吸った。
外に出ると、二人はそれぞれ自分の職場に向かって行く。
仕事の時間が終わると、保存鉄道ボランティアで合流し活動し、何も起こることなく解散して、俺は自宅に帰宅した。
そして、VRゲーム機器を装着して、何日かぶりにログインした。
ゲーム世界に入り、駅構内に入ると俺はメニューからアンクル・パフを呼び出した。
少しの間の後、操車場側からアンクル・パフがホームに入って来た。
アンクル・パフは車体の傾きが直り、蒸気漏れもなくなり完全に修復されていた。
運転室にはレイニーが乗っており、アンクル・パフを俺の目の前に停車させると勢いよく飛び降りて、その大きな胸を、ぶるんっ!、と弾ませ着地した。
「J-7!久しぶりだね!アンクル・パフは見ての通り完璧に修理したよ!ところで、あんたに伝えたいことがあるんだ」
レイニーはそう言うと目の前に立体映像を表示させた。
そこには様々なクエストが表記してある。
「J-7が来ない間、あんたにやって欲しい仕事の依頼が山ほど来てね、他のプレイヤーに回してもまだこれだけ残ってるんだ。復帰早々に悪いけど、早めにクリアしてくれないかな?」
俺宛ての依頼が来ていることに驚き、この世界の住民に頼りにされてることに嬉しさを感じた俺は、早速輸送のクエストを受注し始めた。




