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18. 新たな出会い ~チームへの勧誘~(後編)

ブラッドとキャット☆アイ達と面会した場所から出た時から背中に感じるような気がする、殺気のようなものを振り切るように俺はクラウド駅まで戻った。 幸いにも人気の多い所までくると殺気の気配は消えていた。

駅正面の従業員用の扉からホームに入るといつもの場所でレイニーが待っていた。


「おー、おかえり。 それで、なんの話だったんだい?」

「ああ、チームへ加入しないか、という話をした」

「へぇ、凄いじゃないか! 返事は?」

「とりあえず今はまだ保留という形でまとめてもらった。 レイニー、少し聞いてもいいか?」

「んー、なんだい?」

「チームに入ったら、何か特典はあるのか? 別に物欲があるわけではないが、一応知っておきたい」

「特典かい? そうだねぇ、色々あるけど、鉄道ギルド(ウチ)の鉄道員になっているならチーム専用の特別な車両が貰えるよ!」

「ほう、どんなヤツだ?」

「名前は『チーム客車』、見た目は普通の客車にチームのイメージカラーと紋章(エンブレム)をつけただけに見えるけど、車内には作戦会議や雑談なんかに使える広いリビングスペースや各メンバーごとの個人部屋、アイテムや装備の作成に使える各種作業台が付いていて見た目以上の広さと機能性があって まさにチームルーム・拠点の鉄道車両版と言えるんだ。

それだけじゃなくて、チームメンバーはこのゲーム世界のどこにいてもチーム客車に一瞬で移動出来るし

この車両は重量が0だから列車編成の邪魔にならないし、それにその見た目は設定で非表示に出来るし、さらにこの車両はチームメンバー以外の列車には当たり判定がないから、チーム客車を繋げた分が長くて衝突事故を起こしてしまう事もないんだ」

「ほー、かなり高性能だな」

「チームで使える鉄道車両はチーム客車以外にも沢山の種類を『造ってある』んだけど・・・、それらはまだ運営との話し合いで調整中だから登場が何時(いつ)になるのか分からないんだ。 使えるようになったらすぐに持ってくる予定だよ」

「ふーん、まあ運営との裏事情についてはいいが。 ありがとうレイニー、おかげでチームに加入する気が少し上がったよ。 さて、そろそろ仕事に入るか。 レイニー、今日のクエストを見せてくれ」


レイニーとのチームの特典について話した後、俺は今日の分のクエストを行うためリストを見ていた。

行動範囲が広がったので次に行けるところまでレベルを鍛えながらゆっくり進んでいくつもりだ。

今回は仕事の範囲をオルティガ駅まで伸ばして、そこへのクエストを中心にやっていくことにした。


「オグラヤがオルティガの孤児院にパンの配達の仕事を出してるな、受けてやるか。それ以外は、と…」


今回の俺が行うクエストは、


・オグラヤからの依頼:クラウドからオルティガへ孤児院宛てのパンの配達

・サニーヒルズからオルティガへ農作物の輸送

・ラッシュからオルティガへ商品用にパッケージされた回復ポーションの輸送


の、3つ。


旅客列車のクエストを受けなかったのは、初めて走る路線でいきなり人を乗せて走るのはやや危険と思ったからだ。 今回は貨物列車と走って線路の状態やホームの位置を確認する目的もある。 受けたクエストが3つと少ないのもその理由だ。


クエストを受けると俺は列車の編成を行う。 今回は借り物のオグラヤの貨車を使うパン輸送以外は有蓋貨車が推奨されている。 俺の手元には有蓋貨車は1台しかないため、その場で新しい貨車を購入した。

列車の編成・連結の順番を決め、6番ホームの線路にアンクル・パフを置いて待機していると、操車場の方から入れ替え作業用と思われる小さな魔導機関車が、先頭に今購入した赤レンガ風の模様に鉄道ギルド貨物列車のエンブレムマークを付けた新しい有蓋貨車 (この貨車は瓶や壊れ物、商品の輸送に特化している)、その次に今まで持っていた色あせた木の色をした有蓋貨車の2両を押して来た。

小型魔導機関車が押してきた貨車2両を連結し、魔導機関車が引っ込むと今度はアーム・ストロンガーがオグラヤベーカリーのマークを付けた有蓋貨車を押してくる。

オグラヤの貨車に今回はギルドから派遣された女性職員がパンを積み込んでいる内に俺は出発の準備をする。

もはや慣れた手つきで火種を手に取り窯の中に放り込むと、あっという間に窯の中が灼熱地獄と化す。

そこへシャベル2、3杯の石炭を放り込み更に激しく燃え上がらせるとタンク内に既に満タンに入っている水が沸騰して蒸気が作られる。

職員がパンを全て積み込む頃には発車準備は全て完了していた。

そして、別のホームで先に出発していた旅客列車の発車から数分後に6番ホームに駅員が現れ、


ピィーーーーーーーーーーーーーーッ!


笛を吹いて緑の旗を振り、出発の合図をする。


ポッポーーーーー!


俺はアンクル・パフの汽笛を2回鳴らすと、ゆっくり徐々にスピードを上げてクラウド駅を出発した。


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