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3.状況確認

前話でクリエイトしたキャラの名前を付けるのを忘れてました・・・

・・・そういえば言い忘れていたが、まだ自分のアバターの名前のことを話してなかったな。

名前自体はキャラクタークリエイトの最初の方でもう付けてある、といっても自分の本名は使っていない。 知り合いにばれると面倒だからだ。

それでアバターの名前は蒸気機関車の型式名から取ることにした。 それで選んだのは、イギリス鉄道の路面機関車「class_J70」から「J-7(ジェーナナ)」という名前にした。


さて、俺のアバター名についてはこの位にして、俺がVRMMOの世界に降り立ったところから物語を再開しよう。


遂にVRMMOをスタートした俺は、まず周囲の景色を見渡した。 赤茶色のレンガで舗装された地面、自分の立っているところから少し離れたところに大きな噴水があることからここがゲームのスタート地点の最初の町「クラウド」の中央広場だということが分かった。 もちろんそこには俺だけでなく、派手な装備を身に着けたベテランプレイヤーと思わしき人や、自分と同じように、質素な初期装備でありつつも、周囲に広がる現実世界と変わらないゲームの光景に驚きと感動を表している初心者の姿、それに人間とほとんど変わらない自然な動作を行う高度なAIを持ったNPCなどが、広場全体にところ狭しとしきつめられていた。


そんななにもかも新鮮な光景に心動かされつつも、俺は次に自分の身体を確認した。

自分の身体|(正確には自分のアバターキャラの身体)を見て最初に感じた事は「体色が白い」ことだった。 生身の身体とは違う鋼鉄と機械の身体や普段では味わうことの出来ない高い視点からの景色よりも目を引く程に、自分の腕、指、さらには手首や指の関節部分まで白かったのである。

これを見た俺は「一度全身の姿を見る必要があるな」と思い、なにか鏡のようなものはないかと思った途端に急に俺の目の前にそれらしき物体が出現した。 俺は思わず声に出して驚いた。

「おぉ!?こいつは便利だな、頭に思い浮かべるだけで魔法を使う必要もないのか」

MMOデビューしてからとにかく驚きの連続だった俺はそこでいったん落ち着いて、それから鏡のようなものに写った俺の姿に注目した。

やはり全身が白く染まっていた。 指先から足の先、胴体や頭、腰の付け根や腕・足の付け根などの人間と変わらない位置にある関節まで白くなっていた。

身体の色についてはこれでよしとして、次は身体の形に注目した。

まず両腕だか、これはかなり細長くなっていた。 形もまるで戦闘機の翼のようだ。 こんな形で腕を従来通りに動かせるのだろうかと思ったが、なんの問題もなく人間と同じように動かせるようだ。

少し安心したところで今度は両足を視た。 やはり細長く作られているらしく、手で触ってみると五角形の柱型になっているようで、その場で足踏みしたり膝を曲げてみると最初はぎごちなかったがすぐに慣れた。

次は胴体だ。 これはなんの問題もないようだ、が、リアルの俺の胴体とほとんど大きさが同じに感じた。

次は頭だが・・・、これもかなり特徴的な形をしている。 腕や足と同じように三角形の細長い柱の形をしていた。 ちなみに三角の頂点部分が前で底辺部分が後ろである。 顔に類するものがないように見えるが、柱の中央より下側、丁度人間の目の部分と同じ位置に赤く光る下向き三角があり、これが目に値するものだろう。 他人からは一つ目玉に見えるが視界は人間と同じなので問題ないだろう。

最後に背中の様子を見てみよう。 正面から見た時と同じように、多少のディティールの違いはあるがほとんど同じだろう。 ただ、背中には大きな機関銃とポールのようなものがつけられており、これが選択した武器だろう。


身体の確認はこれでいいだろう。 次は俺自身の能力、「パラメーター」を確認しよう。

先ほど鏡を出したときのように頭に思い浮かべると、目の前にメニューが現れ、パラメーターの項目を呼び出した。


名前:J-7  性別:男性  種族:機械人

レベル:1  装備特化チップ:射撃特化1

 《各種パラメーター》

力:20  防御:10  魔法攻撃:0  魔法防御:5  命中率:95%  素早さ:10

知力:5  器用さ:20  回避率:5%  運:10  クリティカル率:0.1%

 《装備》

全身:基本アーマー、基本フレーム

武器:初心者型固定銃座

盾:なし

頭:なし

胴体:なし

腕:なし

足:なし

アクセサリー:なし

 《所持スキル》

鋼鉄の身体Lv1  固定銃座Lv1


・・・と、こんな具合だ。 情報量が多いので必要なとき以外はこの情報は省略することにする。


俺がパラメータの確認を終え、これからの方針を決めようかと思っていた丁度その時、衛兵らしき人物がこちらに近づいてくるのが分かった。

俺はその衛兵の頭上に表示されている文字の色を見て、それがNPCであることに気づいた。

周囲から聞こえてくるプレイヤーの会話から察するに、このゲームのNPCは本物の人間と全く同じくらい自然な反応や行動をするようだ。 そんなNPCとプレイヤーを見分けるには各キャラの頭上に表示されるキャラクター名の文字の色を見ればいいらしい。 文字の色が青ならプレイヤー、緑ならNPC、赤だと犯罪を起こしたプレイヤーもしくはNPCらしい。 その衛兵の文字の色は緑だったのでNPCで間違いないだろう。 そして、俺の目の前まで来るとそいつはこう訪ねてきた。

「おい、お前はもしかして、新米の冒険者じゃないか?」

鎧で顔は見れないが、若い男の声がした。 新米冒険者・・・初心者プレイヤーのことだろう。 俺はそう理解すると男に返答した。

「ああ、そうだが・・・なんだ?」

俺の声はロボットのようなエフェクトのかかった声になっていた。

俺の返答を聞いた衛兵はこう続けた。

「おお、やはりそうか。 新米冒険者はまず最初に『冒険者ギルド』まで行って、そこでギルド長から講談を受けることになっている」

衛兵の指さしたほうには確かにそれらしき建物が見える、まずあそこに行けと言うことか。

「わかった、それじゃあ早速行ってみるよ」

「ああ、気をつけてな、頑張れよ」

そう俺に激励の言葉を送ると、その衛兵は別の初心者にも同じことを言いに行った。

本当に人間みたいだな、プログラムだとは到底思えん。

そう思いながら、俺は他の初心者達と共に冒険者ギルドの建物の中へ入っていった。

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