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14.5 ラッシュ駅占領事件 (中編ー2)

~時はさかのぼり、ラッシュ駅前(特急列車到着前)~


ラッシュ駅舎の異変に気づき、構内への侵入を図った衛兵達であったが、予想外の反撃に合い、しかも人質までいることが発覚し、再び侵入を果たすため閉められた駅のシャッターをバーナーで焼き切ろうとしていた。

その光景を遠くで眺めている猫の人影があった。


(ありゃりゃ、一足遅かったみたいだニャ)


キャット☆アイは駅前の広場に集まった野次馬の中に紛れながらそう思った。

彼女はどこからか入手した犯罪者達による大規模な鉄道強盗計画の情報を掴み、阻止するためラッシュ駅に来ていた。 だが、すでに駅舎の入り口は封鎖され、衛兵達が囚われた人質たちの救出に動いていた


(まぁ、正面で誰かが大騒ぎしていた方が都合がいいかニャ、あたしはあたしのやり方で行くだけだし)


そう一人思うと彼女は誰の目にもつかぬように行動を開始した。 彼女は駅舎の隣にある駅員たちが使う社屋の裏手に回り、壁の高いところにある排気口を見つける。 駅構内の空気を換気するそれは建物全体の天井をパイプでつながっており、成人でも匍匐すれば入れる大きさがあった。 キャット☆アイはその排気口に獣人特有の跳躍力で近づき、格子をたやすく開け中に入った。 そしてパイプ内を素早く移動するため獣人族固有の人型から動物型に変化するスキル《獣化》を使い、猫の姿になる。 そうして彼女はパイプを伝い、人質が囚われている部屋へと進んでいった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



一方そのころ、駅の待合室では、襲撃者たちによって人質となった乗客達や駅員たちの姿と、それを見張る犯罪者達とこの襲撃を指揮したリーダーがいた。


「ここまでは計画通りだな」

襲撃犯のリーダーはそうつぶやく。 彼は他の仲間と共に鉄道への大規模な強盗に参加した。 犯罪行為を犯し、国や都市から追放された犯罪者プレイヤーや、それらに金で雇われたNPCの犯罪者達は、寄せ集めにも関わらず、ラッシュ駅の襲撃に成功し、そして彼はこの計画の主犯格が駅員から奪い取った時刻表に、クラウドからの金を積んだ列車の情報を掴み、それを強奪に向かう間、駅の占領と人質の確保をやらされた。 駅の出入り口は塞ぎ、奪還しようとしてきた衛兵達も追い返すことに成功した。

あとは、政府に人質を使い大量の身代金を要求し、その後逃げきれればこちらの勝ちである。

とはいえ襲撃リーダーはそう簡単に事が上手く運ぶとは思っていなかったが、周りの指揮のため心に言葉をしまっておくことにした。

襲撃リーダーは、ふとこちらを睨み付けている人質にこれからの事を話した。


「そんなににらむな。お前達の命を使って政府に身代金を要求すれば、政府はお前達を助けるため必ず金を払うだろう(・・・まあ、この世界(ゲーム)でそんな簡単に物事が上手くいくことはないだろうが)、そうすればお前達は自由だ、嬉しいだろう?」

だが、人質はその言葉を一蹴する。

「ハッ、お前らがぶっ飛ばされてくれたほうが、何十倍も嬉しいね!」

「なッ、なんだとこの野郎!」

その言葉が癪に障ったのか、見張りの一人がその人質の頭を銃床で殴った。 殴られ床に倒れた人質に追撃をかけようとする見張りをリーダーが止める。

「やめろ、大事な人質だ。丁重に扱え」


とそこへ、構内の見張りをしているメンバーが待合室に入ってきた。

「リーダー、列車が駅に入ってきやしたぜ、いかがいたしやしょう?」

人質が増えれば管理は難しいがその分身代金を高く要求出来る、主犯格のメンバーもそういう思考を好むため大丈夫と、リーダーは思った。

「列車を制圧し、乗っている客を全て拘束し、ここへ連れてこい」

そう指示を出すと監視役は外に出て行った。 リーダーはそれから増えた身代金の使い道をほんのりと考えていたが、それも長くは続かなかった。 待合室の扉が勢いよく開き、先程の監視役が慌てて入って来た。

「り、リーダー大変だ!列車から降りてきた他のプレイヤーに他のメンバーが金目のものを要求したら断られて、今戦闘が始まっちまった!」

「なにっ!?・・・ならば抵抗する奴らを殺して、乗客を拘束しろ!」


監視に指示を出し、部屋から出るのを見るとリーダーは焦った。

(あのバカ野郎共!何故勝手な真似を・・・カツアゲしに来てるんじゃねぇんだぞこっちは、計画を台無しにするつもりか!第一プレイヤー相手なら人質をちらつかせれば拘束出来たはずだろう・・・まあどちらにしろ寄せ集めにした時点でこうなることは予測できたが、今は嘆いてる場合じゃねぇか)


心の中でひとしきり騒ぐとリーダーは見張りに向き直り、指示を出す。

「敵が侵入した、扉を締めるぞ。・・・こちらには人質もいる、まだこれからだ」


そう言い終わり扉の鍵を締めた瞬間、周りにいたメンバーが声もなく床に倒れ込み、そして自身もいつの間にか部屋に侵入していた獣人の女に拘束されていた。

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