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14.戦後状況確認

この近辺を荒らし回っていた列車強盗グループの殲滅を完了した俺は、自分の列車を停止させ、被害状況を確認した。


撃退に成功したとはいえ、こちらも被害を受けた。 まず、強盗のリーダーと戦闘して負傷したNPC車掌の状態確認。 車掌は列車の走行中、モンスターの襲撃を受けても対処出来るように武装を携行している。 俺の列車の車掌はショットガンを装備していたが、服装はーーー多少強化はしていると思われるがーーー鉄道員の制服のままなので、強盗の斬撃を喰らったのか、身体に大きな斬り傷を受け、出血していた。 俺は持っていた回復薬を重傷を負った車掌の傷口にかけてやった。 すると薬が傷口にしみるのか車掌は大きく呻いたが、みるみるうちに傷が塞がっていき出血が止まり、車掌も苦痛の表情から安堵した顔になった。 とはいえこれは応急処置に過ぎないため、駅に着いたら医務室か病院に運ぶ必要があるだろう。

次に車体の状態確認。 俺はアンクル・パフの車体の下をーーー強盗グループとの戦闘中、強盗2人を機関車(アンクル・パフ)で轢き殺したのでーーー恐る恐る調べたが、血の跡などは付いておらず、部品も調べたが、走行に支障が出るような損傷も見つからなかった。|(プレイヤーやモンスターなどは死亡判定が出ると身体がその場から消え、それから少し経った後に欠損した身体の一部や血液が消滅する)

車体にも問題はなく、車掌車も多少の傷はあったがこれも問題はない。

だが、問題は護送貨車の方だ。 古い木製の車両なので強盗の攻撃の他、俺が屋根から車内に入る為に固定銃座の弾丸を打ち込んだ為に激しく損傷し、ボロボロになっていた。 この車両は借り物なので、その分クエストの報酬から引かれるだろう。 というよりも、もしこの状態で再び襲撃を受ければ、積荷を守りきるのは難しいだろう。

次は積荷だ。 俺はメニューを開いて、貨車の中の貨物を確認した。 小石を詰めたフェイクの樽は何個かは減っていたが、金塊5個は全部無事のようだ。


多少の損害は出たが、全て許容範囲内だ。

作戦は成功した。 俺は安全を確認し、機関車に乗り込み出発しようとしたその時・・・


「にゃにゃ?遅くなっちゃったかにゃ?」


突然目の前に『猫』が現れた。

正確に言うなら、それは魔族の一種である『獣人』の女性プレイヤーであった。

それを証明するように、頭には猫の耳が生え、腰にも猫の長い尻尾が付いている。

その服装は黒くて長い手袋とブーツに、下半身にはまるで下着のような短さのローライズを履き、上半身は動物の毛皮を使ったブラトップのみという露出の高い格好をしており、スラッと長い手足に、はちきれんばかりの豊満なバスト、そこからキュッと締まった魅惑的なウエストに熟れた果実のようなヒップと、刺激的なボディーラインを惜しげもなく外界にさらしていた。

その女性プレイヤーは俺に近づいてくると、

「あんた大丈夫かにゃ?強盗はどこに行ったか分かるかにゃ?」

と、訪ねた。

それを聞くと、俺はこの猫女性が何をしにここへ来たのか理解した。

この女性は俺と同じように強盗の討伐に来たようだ。 それを理解すると、俺はその女性に事の顛末を伝えた。

「ふーん・・・て事はこれほとんどあんたがやったのかにゃ、派手にやったなオイ」

「ああ、派手にやらかしたよ」

激しく損傷した護送貨車を見ながらその女性は俺の報告を聞いていた。 そして俺が話終えるとその女性はふと、何かに気づいたように俺に訪ねた。

「ちょっと待つにゃ、ということは強盗はあんたが全員倒したのかにゃ?」

「ああ、3人全員倒した」

女性の問いに俺はそう答えたが、女性はそれに対して以外な事実を話した。


「3人?強盗グループは10人のはずにゃ」


俺は耳を疑った。 俺が全滅させた3人の他にまだ7人も残っているのか。 というよりも、仲間がいるならこの近くに潜んでいる可能性が十分高い。 そう考察すると俺は素早く機関車の屋根に上がり固定銃座を展開し、周囲を警戒した。

そして次の瞬間!


最初に動いたのは猫の女性だ。 彼女は何かに気づくと素早く跳躍し地面から数メートルの高さまで飛んだ。 そして森の中に狙いを定めるとそこに向かって一気に急降下した。

猫女性が森の中に消えると即座に、


グエッ!


・・・という人の呻き声が聞こえ、それからすぐに激しい剣劇や魔法、銃撃の激しい音が始まった。

そして先程まで猫女性がいた空中の空間に数本の矢や銃弾、魔法弾が通り過ぎていった。

猫女性が飛び込んだ森の中から激しい戦闘の音が聞こえ、その中に、


グワッ!ギャッ!ギエッ!ウギャッ!ヴア”ア”ア”ア”ッ!


という悲鳴がリズミカルに聞こえ、ひとつ聞こえるごとに剣劇の音も少なくなった。

と後ろからガサガサと茂みの音が聞こえ、俺は即座に銃口を向けた。

すると茂みの中からピストルを持った男がこちらに乱射しながら向かってきた。 だがそんな単純な動きはこちらからは狙いやすく、銃弾を数発受けながら、俺はピストル男に何十発もの弾丸を浴びせハチの巣にしてあっけなく倒した。

だが、シューターゴーグルの機能がこちらに接近する物体を感知しそちらを向くと、暗殺者風の男がナイフを持ってこちらに急接近するのが見えた。 ピストル男が陽動だったのか全く気づかなかった。

俺は銃口を接近する暗殺者に向けようとするが間に合わない! 暗殺者がナイフを俺の首に突き刺そうとしたその瞬間、森の中から高速で戻ってきた猫女性が、その獲物を仕留めたであろう血まみれの爪手甲で暗殺者の身体を目にもとまらぬ早業で切り刻んだ。

すると、暗殺者は空中で制止したようになり、そのあとすぐに身体の節々から噴水のように血が噴き出し、血が出た所から身体がバラバラになって地面に落ちた。


「・・・残敵は?」

俺は周囲を警戒しながら隣にいる血まみれのーーー出血している様子はないので全て返り血だろうーーー猫女性に訪ねる。

「ナシ。ん~、これで主犯格全員倒したにゃ~」

猫女性がリラックスした様子で伸びをすると身体や装備に付着していた返り血が消滅した。

「今度こそ完了だな」

俺はそう言うと固定銃座を背中のホルダーに収める。

「お疲れさん、であんたはこの後どうするにゃ?」

「どうするって、このままラッシュに向かうさ。積荷を下してクエストを完了させたいしな」

「あ~、それならのんびり来るといいにゃ、実は今あの駅今回の事件の主犯格が扇動した犯罪者と、それを止めに来たプレイヤーと衛兵達で乱闘状態になってるから」

・・・おいおい、冗談だろ。 まさか駅の方までそんなヤバい状況になってたとは・・・

「まああんたが来る頃までには片付けておくから、そいじゃ。 あそうだ、自己紹介がまだだったにゃ。 あたしの名前は『キャット☆アイ』!よろしくにゃ!」

「俺はJ-7。よろしく。」


キャット☆アイと名乗った猫女性とお互い自己紹介してフレンド登録した後、キャット☆アイはラッシュ駅方面に向かって、「にゃにゃにゃー!」、と言いながら凄まじいスピードで走って行った。

俺もそのあとを追うように機関車(アンクル・パフ)に乗り込むと汽笛を鳴らしてゆっくり出発した。


ポッポォー!

次回から本編停止して解説回入ります。

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