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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

シラクーザ王国編

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87.魔剣道

 一通り回った後、ワープで戻ってきて、テオに説明した。

 テオは死ぬほどびっくりした。

「そんな事を……本当なのですか」

「あの……ヘレネー様とイリス様だったらわたしが保証します。何回かあって……カケルさんの頼みごとなら聞くって感じでした」

 フィオナがおずおずと手をあげて発言する。

「テレシアの双花!? その話が本当なら……」

「だから本当だ」

 テオは息を飲んで、それから真顔でぶつぶつし出した。

「メルクーリにカランバ、コモトリア……四カ国中三カ国を足止め出来たというのか。ならば…」

「とりあえず全員に『王国軍の残党を殲滅するまで』という条件をつけてもらった。ここが全滅しない限り問題はない」

「なぜそのような条件を」

 不思議がるテオ。

「じゃあ……もう大丈夫ですね」

 マリは静かに言った。

 おれを信頼しきってる目で。

「カケルさんがいれば……全滅する事はないから」

 そのつもりで約束を取り付けたからな。

 テオが驚きから立ち直って、今度は感心しだした。

「しかし……まさかこの短期間で四カ国中三カ国までもが……さすがは五爵様。感服いたしましたぞ」

 五爵だからってよりは個人的なつながりなんだだがな、まあいい。

(よく考えれば、貴様は実質世界の5分の3を手に入れているのだな)

 それもどうでもいい。

 いい女の5分の3でハーレムを作ったら嬉しいが、土地なんか別にどうでもいい。

「で、まずはどこを攻める。リカ達にそう言ってもらったが、シラクーザ残党がここにいるだけじゃ認識すらされない。どっか攻め落として、フィオナとマリ、王家の血筋が生き残ってるってアピールしないと」

「さようでございますな。では」

 テオは部下を呼んで、地図を持ってきてもらった。

     ☆

「明日の夜、ギホンって街に夜襲をかける」

 ナナとイオを呼び出して、二人に伝えた。

「承知した」

「どうして夜襲なんですか?」

「こっちの兵が少ないからだ。残党軍の兵は使えないから、緒戦はおれらだけの200人ちょっとで戦わにゃならん。それで一番楽に上手くいくのが夜襲ってわけだ」

「そうなんですね」

 イオは納得した。

 冒険者気質が強い彼女は今ひとつ理解してない、って顔をするが、おれの言うことは素直に受け入れる。

「で、三手にわかれる。まずイオ」

「うん」

「その街はどうやらかなりの外壁で守られてるらしいから、お前の魔法でそれを破ってくれ。能力を貸し出す。一発こっきりで良いからどでかいの頼む」

「わかった。全力で行くね!」

「ナナ」

「はっ」

「イオがぶち抜いた外壁から突入してくれ。奴隷兵200は全部お前にあずける」

「承知した」

「状況判断もまるまるお前に任せる。いつも通りだ。万が一ダメだと思ったら撤退していい。まだ無理はするな」

「はっ」

「カケルさんはどうするんですか?」

「おれは――」

     ☆

 夜になって、ギホン郊外。

 町からざっと二キロ離れてるところにおれがいた。

「酒盛りしてるな」

 777倍の視力でギホンの街をみる。

 強固な外壁があると聞いたが、実際に見るとほとんど城壁の様なものだ。

 その城壁の上に守りの兵士がいるが、緊張感はなくて、酒盛りしながら談笑してる。

(浮かれておるな)

「浮かれもするだろう。今までの国をひっくり返して新しい国を作りかけてるんだからな」

(国を作るのってすごいことなの?)

 ひかりが聞いてきた。戦闘前だからひかりも魔剣形態にして連れてきた。

「そりゃ……すごいよな」

(何故我に聞く)

「いや、あまりピンとこないから。その分お前は何回かやってるんだろ?」

(どうだったかな。国など……いくつ作っていくつ壊したのかもう覚えてもない)

 そういうレベルか。

「お前って本当、大概だよな」

(貴様ほどではない)

「おれは普通の男だ」

(普通の男は鶴の一声で三カ国の女王やら王女やらを動かせん)
(おとーさんって普通じゃないの?)
(うむ、我の知ってる中でも最高レベルに普通ではないな)
(そうなんだー。おとーさんすごいね)

「おいこら、ひかりに妙な事を吹き込むな」

 エレノアにデコピンした。

 魔剣が「ちりーん」って鳴った。

 最近しょっちゅうやってるせいか、「いい音」の出し方がわかる様になった。

 実際、鉄琴のようないい音がした。

 世間話をしてるうちに、ギホンの反対側の空がひかった。

 特大級の稲妻が町におちた。数秒遅れて轟音と地鳴りがやってくる。

(はじまったか)

「行くぞ」

(ああ)
(うん!)

 エレノアとひかり、魔剣の母娘とともにギホンに向かって駆け出した。

 風をきって疾走する。

 二キロの距離をほとんど一瞬で詰めた。

 外壁の上で兵士が慌ててるのが見える。おれじゃなくて、稲妻の方に慌ててる。

 地面を蹴り込んでジャンプした。

 翼が映えたかのように飛び上がり、街壁より高く舞い上がった。

「お、おい、あれを見ろ」

「えっ――ぐわっ!」

 街壁の上に着陸するなり、一番近くにいる兵士を袈裟懸けに斬り捨てた、その横にいる兵士は心臓に一突きで始末する。

「て、敵襲、敵襲!!!」

 ちょっと離れたところにいる兵士が大声で叫んだ。ちょっと遅れてドラがなった。

 すると、矢と魔法が一斉に飛んできた。

 まるで雨の如く降り注いでくる無数の矢と、複数人が連続で放ってくる砲弾の様な火の玉。

「反応が早いな」

(これでも戦争に勝ち抜いてきた強者どもだろうさ)

「なるほど」

 納得しつつエレノアとひかりを振るう。

 矢をはじき、魔法を払い、直後に突撃してくる兵を容赦なく腰から両断する。

 あっという間にまわりに死体を積み上げた。

「な、なんだこいつだ」

「一人だぞ、こんな馬鹿な事があるか」

 兵の間に動揺が走る。

 遠巻きにして、かかってこなくなった。

 お見合い状態になった。

「らちがあかないな」

(こっちからしかければよかろう?)

「そうだな」

 二振りの魔剣に力を込め、黒いオーラを出す。

 今までよりも密度の高いオーラだ。それを伸ばして一番近くにいる兵士を縛り上げた。

 兵士はもがき、槍を取り落とす。

 ぐぐぐぐ――ボギッ。

 限界を超えて骨が砕ける音がこだました。

 オーラをはずす、兵がボロクズのように地面に落ちる。

「こりゃ便利だな」

(だから我を便利扱いするなと!)

「直接やるよりは弱い」

(しかも文句か! 当たり前だそんなのは! 我のオーラが我本人(ほんたい)を越えるはずがなかろう)
(ねえねえおとーさん、それひかりにもやって)

「うん? ひかりか。ひかりだと……」

 ちょっと考えて、意識してやってみた。

 同じ感覚でひかりのオーラを出し、服に袖を通す感覚で纏う。

 黒いオーラの腕、エレノアのとあわせて、それが四本になったイメージだ。

 四本の腕を伸ばし、別の敵兵を締め落とす。

「すごいな、ひかりは」

(便利っていえ!)

 エレノアが抗議する。なんとなく涙目になってそうなイメージだ。

「はいはい、エレノアもすごいすごい」

(とってつけたようにいうな! それにそういうことではないわ!)

「はいはい」

 いよいよ泣き出しそうだったから、この辺でやめてやった。

「エレノアだって?」

「魔剣エレノア!?」

「し、死にたくねえ!」

 敵兵が逃げ出した。

 エレノアの名前を出した途端恐怖がひろまった。

(わああ、おかーさんもすごいんだあ)
(ふふん)

 エレノアは得意げになった。さっきまでの泣き出しそうな声が影も形もない。

 娘に良いところを見せられ、すごいって言われていい気分になってる。

 挙げ句の果てに「えへん」と鼻を鳴らして、語り出した。

(いいかひかり。戦場ではこのようにして相手に恐怖と畏怖を植え付けねばならん。それが魔剣というものだ)
(うん!)
(さっきオーラを伸ばしたな? あれの応用だが……相手の心に侵入して心から壊すやり方もあってな)

「こらこら、ひかりに変な事を吹き込むな」

 逃げ惑う敵兵をおいかけながらエレノアにツッコむ。

(変な事ではない、魔剣のあるべき姿、魔剣道を伝授しているだけだ。ひかりが魔剣らしく恐れられて何か問題でもあるのか?)

「……ねえな」

 そういえばない、まったくない。

 むしろいいことかもしれない。

(ねえねえおかーさん。どうしたらおとーさんの方が有名になるの?)
(こいつが?)
(うん、今のおかーさんみたいなのもかっこいいけど、ひかりはおとーさんの魔剣だから、やっぱり使ってるおとーさんが有名のほうがうれしーな。)

 天真爛漫な声、おれとエレノアが虚を突かれた。

 「魔剣の使い手」じゃなくて、「カケルの魔剣」、って事か。

「……良い子だな」

(当然、我の娘だからな)

「おれの娘でもあるんだが」

(残念だな、外見はどっちでも我似だ)

「くっ」

 痛いところをつかれた。本当にそこだけが痛いところだ。

 剣でも人間でも、ひかりはどっちの姿でも母親似だ。

 可愛いからいいけど……こんな風にエレノアに言われるのはむかつく。

 街壁の上で敵兵を切りまくった。

 おおかた片付けたから町におりた。

 同じ格好をした敵兵の一団がこっちに向かって逃げてきた。

 逃げてくる先に、ナナが追いかけてるのが見える。

「そこをどけええ!」

 先頭にいる男が大声をあげて突っ込んできた。

 恐怖(ナナ)から逃げてるせいか、血走った目で半狂乱になってる。

 剣を振り上げた……ところでエレノアを先に振り下ろし、頭のてっぺんからたた斬って真っ二つにした。

「ひ、ひいい!」

「お助けを!」

 その後ろにいる兵士達が次々と武器を捨てて、土下座して頭をこすりつけた。

 すこし遅れて、追いついてきたナナと奴隷兵。

「主……」

「うん、どうした。珍しく難しい顔をして」

「実は……いま主が斬り殺したやつ、こいつらの総大将らしいのだ」

「えっ? こいつが?」

 地面に転がってる、真っ二つになってるヤツを見た。

 言われてみると格好が他の兵士と違う、ちょっと立派な感じだ。

 なんというか、山賊の親分って感じか。

「こういったときは首級をあげれば戦いは止まるのだが……」

 ああ、なんか戦記物のマンガとか映画で見たことがある。

 なになにを討ち取ったぞー、で相手の戦意が止まるヤツ。

「首……」

 真っ二つになってるそいつを見た。首まで綺麗に、縦に真っ二つだ。

 ナナが困った顔になる理由がわかった。

「ま、なんとかしてくれ」

「承知した」

 倒せたことには違いないからな。

 そのあとちょっと苦労したけど、戦いは終わった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
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