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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

シラクーザ王国編

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85.男の甲斐性

 夜の野外。

 一日行軍した後、ナナの判断で適切なところで野営することにした。

 奴隷兵は全員テントをはって、ナナとイオ、フィオナとマリ、そしてひかりはおれの魔法コテージで夜を過ごすことになった。

 おれは魔法コテージを出て、伸びをした。

「さて、おれはどうするかな」
(どうするとは? 貴様は中で寝ないのか?)

「フィオナとマリがいる。さすがにな」
(何を遠慮してる)

「前払いより後払いだ。今までもそうしてきただろ」
(なるほど)

 エレノアは納得した。

 ヘレネー、リカ、アウラ。

 今まで関わってきた女達は全員「後払い」だ。

 それを今回も同じだというだけのこと。

 言葉だけなら疑問を持たれたかもだが、既に行動で実績を示してるから、エレノアもすぐに納得した。

(そういえば聞きそびれていたが、貴様はどっちを女王にしたい)

「うん?」
(姉と妹、どっちを女王にしたいと聞いているのだ)

「気が早いな。もう勝った後の話か」
(我は)

 脳内に聞こえてくる声が、エレノアが鼻で笑ったように聞こえた。

(その程度の自信もない男に使役されるつもりはないのでな)

「言ってくれる」

 まあ実際、おれも負けるつもりはないけど。

 邪魔なヤツは斬り伏せる、姉妹の国を復興させる。

 そうするって決めてる、かならずするって。

「まあ、普通に考えてフィオナかな」
(我はマリの方が良いと考える)

「なんで?」
(我を一時とはいえ持っていたのだ。魔剣エレノアの加護、だ)

「加護って」

 ピーン、とエレノアの柄を指ではじいた。

「憑き殺しかけてよく言う」
(だからこその魔剣であろう?)

「はいはい」

 エレノアと冗談を言い合いながら、野営地の中を当てもなく歩いて回る。

 奴隷兵のテント二十人単位の小隊でまとめて入れるでかい物で、まだまばらと明かりがついてたりする。

 その外れにある一つのテントを通り過ぎたところで、中から女達が出てきた。

 二十人全員、ぞろぞろとでてきて、おれの前に整列した。

 そのうちの一人が一歩進み出て、おれに敬礼した。

「お疲れ様であります! 閣下」

「ああ、お疲れ。……お前は?」

 そういえば名前を知らなかったなと思い出して、丁度良い機会だから聞いてみた。

「第一小隊隊長、ニキ・セフェリスであります」

「そうか。まだ休んでなかったのか」

「はっ、閣下の事を待っていたであります」

「おれを?」

 なんか用があるんだろうか。

「第一小隊総員、閣下の夜のお相手を務めるであります。そのために待っていたであります」

「……おう」

 一瞬なんのことかわからなかった。

 全員夜の相手って言われて、そう言う意味かって一瞬思って、いやいやそれは違うだろうと否定した。

 しかしやっぱりおれの「夜の相手」と言ったら性的な意味しかないよな、って考えが戻ってくる。

 何しろ相手が全員奴隷で、女なのだ。

「確認する」

「はっ」

「夜の相手ってのは、おれに抱かれるって意味で良いのか」

「もちろんであります」

「なんで?」

「我が第一小隊が全小隊のうち、もっとも最初に全員合意したからであります」

「いやそういう事を聞きたいんじゃなくて……」

「全員が閣下をお慕いしているからであります」

 間髪入れずにたたみかけてくるニキ。

 彼女の言葉が嘘じゃないと証言するかのように、後ろにいる十九人の女達は同じ目をしている。

 おれを見つめる、熱に浮かされた目。

 今までに抱いてきた女達と、抱く直前とまったく同じ目である。

(買われてきた時からえらい変わり様だな)

 おれもそう思う。

 奴隷兵二百人。

 デルフィナに頼んで集めてきた直後は全員が運命か、おれの事を恨んでる様な目だった。

 それが今やまったく違う様になって、おれの事を慕ってる顔だ。

 そうなる原因は――どうでも良かった。

 目の前にいるのはおれに抱かれたがっている女達だ、それだけで十分だ。

「わかった。場所はテントの中でいいか?」

「もちろんであります!」

 ニキが代表で答えて、奴隷兵全員が顔をほころばせた。

 おれは先にテントに入って、ニキら二十人は遅れて中に入ってきた。

「動きに統制がとれてるな」

 おれは見逃さなかった。

 おれに続いて中に入ってきた女達は浮かれてるが、油断はしてない。

 それぞれの役割分担があるかのように、先に入る者、テントを締める者、最後まで警戒するもの。

 一つの集合体として、よく訓練された動きだった。

 褒められた女達は表情に喜びがでていた。

「ナナ様の訓練のたまものであります!」

 ニキが小隊長として代表して答える。

「そうか。後でナナにも褒美をやらないとな」

 そう言って、改めて女達を見た。

「ナナはどういう訓練をしたのかわからんが、大筋でおれの命令に従え、とたたき込んだはずだ」

「もちろんであります!」

「なら命令を下す、一生続く永続の命令だ」

 おれがいうと、女達はびくっとなった。

 さすがに一生続く命令って言われると身構えてしまうみたいだ。

「おれに抱かれるときはその口調やめろ。兵としてじゃなく、女として抱きたい」

「……」

 全員が唖然となった。その命令はまったく予想してなかった、って顔だ。

「なんだ? 命令が聞けないのか?」

「い、いえ。そんな事はないで――」

 ニキは言いかけて、はっとした。

「――ありません。喜んで従います」

 一瞬にして、女らしい、柔らかい口調になった。

「良い子だ。お前から抱いてやろう」

「――はい!」

 喜ぶニキを抱き寄せて、組み敷いた。

「ニキ」

「はい」

「どうしてほしいのか言え」

「どうしてほしい……」

「希望を叶えてやる。言ってみろ」

 ニキは少し考えて、頬を染めて、手で顔を押さえて答えた。

「お、女の子らしくなりたい……優しくしてほしいです」

「任せろ」

 可愛らしくなったニキを、俺はそっと抱き寄せた。
     ☆

 全てが終った後、俺はテントの外に出た。

(新記録だな)

「ん? ああ人数のことか」

 おれは頷いた、さすがに二十人という人数をいっぺん相手にするのははじめてだった。

 タイプの違う二十人、更に全員に希望を言わせてそれを叶えた。

 普段とやってる事がちょっと違った。

(われの経験の中でもはじめてだ。二十人の女を一度に御した男はな)

「覇王とか勇者とか英雄とかはやらなかったのか」
(できなかった。貴様がナンバーワンだ、喜べ)

「そうか」
(にしても優しいではないか、全員に願いを聞いた上で叶えさせるなど)

「そういう気分なんだ。あれだけ素直に懇願されたらいい思いをさせてやりたくなるだろ」
(躊躇もなかったな)

「なぜ躊躇する?」
(普通はするのだがな)

 エレノアはそう言ったが、意味がわからない。

 求める女がいて、こっちには応えられる力(精力777倍)がある。

 躊躇する理由なんて存在しないはずだ。

(まあいい。そういうことなら我にももっと優しくしたらどうなんだ? 我をぞんざいに扱うのはこの世で貴様だけだぞ)

「それはあきらめろ」
(むっ)

 エレノアのむっとした気配が伝わってきた。

「おれが全力を出しても壊れないのはお前だけだ。他の女達は優しくしてやらないとすぐに壊れちまう」

 これは本音だ。

 全能力777倍という、異世界転移してきたときにもらったチート。

 そのチートで上がった力をまともに振るえばあらゆる武器が耐えきれずに壊れる。

 女だってそうだ。

 ナナだって、メリッサだって、結局はおれの全力に耐えられない。

 それを耐えられるのがいま腰にある、伝説の魔剣・エレノアだけだ。

(ふ、ふん。当然だろ。我は伝説の魔剣エレノアなのだ。人間ごときに壊される様なヤワな存在ではない)

 エレノアは渋々だがわかってくれた。

 渋々だったのは一瞬だけだ、すぐに声はいつもの調子に戻った。

(よかろう。我を今以上に使いこなしてみせよ。我を100%扱えるのも、人間では貴様一人だけだ)

「オンリーワンとオンリーワン同士ってことか」
(そういうことだな)

「なら、そうさせてもらう。まずはシラクーザを復興させよう」
(うむ。貴様と我、そして二百の寡兵でな)

 エレノアのニンマリとして笑いが脳内に響く。

 悪い気はしなかった。

 エレノアと共に、二百という小勢を引き連れて一国を再興させる。

 やりがいがある、おれはやる気が出た。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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