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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

コモトリア王国編

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80.二周目

 久しぶりにくじ引き所に来た気がする。

 おれとひかり、そしてここでしか人の姿になれないエレノア。

 ひかりはここぞとばかりに母親のエレノアに抱きついた。

「わあああ」

 ひかりは目を輝かせた。

「どうした」

 聞き返すエレノア。こいつはひかりに接してる時はあきらかに目尻が下がって、口調もあきらかに優しい。

 それを指摘すると怒るから言わないがな。

「ほらほら、ひかりの髪」

「髪?」

「うん! ひかりの髪、おかーさんと同じ長さになった」

 そう話すひかり、おれは改めて並んでる二人を見た。

 人間姿のエレノアは外見的にほとんど子供で、ものすごく小柄である一方で、髪はものすごく長く、後ろは膝裏まで届いてる。

 それと同じ感じで、ひかりの髪の毛も自分の膝裏まで届いてる。

 それを同じ長さになったと言って、大喜びするひかり。

「それはよかったな」

「うん! これからはずっとおかーさんと同じようにするね」

「我のことは気にするな。ひかりはもっと色々な髪型にして、可愛くしているといい」

「おかーさんと一緒なのがいちばんいい!」

「そうか」

 エレノアのまなじりがますます下がった。抱きついてくるひかりの頭を優しく撫でた。

 魔剣の母娘、二人はそこでいちゃついていた。

「あの……何度も言ってるんですけど」

 離れたところからスタッフの声が聞こえてきた。

 くじ引き機の向こうから呆れたジト目でおれ達を見つめている。

「規格外の家族団らんを持ち込まないでくれませんか? そういうの本当困ります」

「すこしは目こぼししてくれ。ひかりがこいつに会えるのはここだけなんだから」

「こいつっていうな」

 エレノアが抗議する……が、まなじりは緩みっぱなしだ。

 そのエレノアにひっついてるひかりも満面の笑顔だ。ぶっちゃけエレノアの777倍くらい可愛い。

 それはスタッフもわかってるのか、ひかりの笑顔をみて。

「もう、しょうがないですね。ちょっとだけですよ」

「わるいな」

「それよりも――ゴホン。今日が限定くじ引き最終日となっております」

 スタッフは気を取り直して言ってきた。

「最終日、もうなのか」

「もう、なんですよ。お客さんは最近来なかったですね、忙しかったんですか」

「なんだかんだで」

「このスキルを手に入れられるのは今日が最後の日ですので、是非当ててってくださいね」

 最終日って聞いてやる気が出てきた、スタッフが言うように、是が非でも当てていきたいと言う気になった。

 おれが持ってきたくじ引き券は二十枚。

 色々買い物して、奴隷兵達を死霊の軍勢と戦わせて集めた二十枚。

 これで二十二回引ける。

 改めて景品を見る。

 おれはそういって、母娘がほのぼのしてる横で考えた。

 手持ちのくじ引き券は二十枚ある、それはつまり二十二回

・参加賞 魔法の玉(白)
・5等賞 魔法の玉(黒)
・4等賞 追加攻撃1% 3倍
・3等賞 追加攻撃3% 3倍
・2等賞 追加攻撃10% 3倍
・1等賞(済) 追加攻撃100% 3倍対象外

 前回、おれが当てていった1等賞に「済」って表記がついた。

 1等賞がそれって事は、多分一つしかなくて、おれが引き当てたからなくなったって事なんだろうな。

 ならば狙うは2等賞。

 追加攻撃の威力はもう体験してる。あれは%の割合以上の効果がある。

 手数で勝負するナナに是非与えたいものだ。

 100%が良かったけど、ないものはしょうがない。ここは気合を入れて10%をひくか。

 そう思って、おれが券を渡して引こうとおもったその時。

「また来たぞ!」

 例の触手男がやってきた。

「よう、久しぶりだな」

「ああ」

「お前も引くのか?」

「最終日だからな。そっちこそ今回も大量に引くのか?」

「ああ、三百枚用意してきた」

 そういって男は束になったくじ引き券を取り出した。紙の束って言うよりは最早ちょっとしたブロックだ。

 いつもながら、こいつはすごいな。

「どっちが先に引く?」

 男が聞く。

 おれはまだほのぼのしてるエレノアとひかりをちらっとみた。

「先にどうぞ。こっちはあとの方が都合いいから」

 そういってエレノア達をさした。

 あとの方が二人が長くほのぼのできる。

 男はそれを理解し、スタッフはまたちょっと苦い表情をした。

「それじゃ、遠慮なく」

 男は三百枚のくじ引き券を渡した。

 スタッフは数えるのに時間がかかった。

「はい、三百枚確かに。では三百三十回どうぞ」

「よっしゃ」

 男はものすごい勢いでくじ引き機を回しだした。

 弾がものすごい勢いで出てくる。

 大半が魔法の玉で、たまに3等賞と4等賞が混じってたりする。

「うおおおおおお!」

 百を超えた辺りで男が更に回転速度を上げた。

「あわわわわ、お、お客様、それじゃ回数がわからなくなります」

「安心しろ! こっちでちゃんと数えてる。伊達に回数は引いてねえ」

 男はそう言って――更に一段階速度を上げた。

 玉が出続けて――手を止めた。

「これで三百二十九回、どうだ」

「えと……」

 スタッフが慌てて玉を数える。

「はい……三百二十九です」

「あんたすごいな」

「慣れただけだ。しかし出ないもん名だ、2等賞」

「そうだな」

「よし、最後の一回――うおおお!」

 男がくじ引き機を回す。

 ガラガラガラ――ポトッ!
「おめでとうございます、2等賞です!」

「うおおおおお! あたった!!!」

 男は大喜びして、スタッフから景品をもらってくじ引き所から出た。

 そういえば、彼が純粋に喜んで出て行くのを見たのってはじめてかも。

 今までは何かしらケチがついてたからな。

 男が出て行ったあと、スタッフは景品リストに書き込んだ。

・2等賞(済) 追加攻撃10% 3倍

「そっちももうないのか」

「はい、数的に今のが最後の一つです」

「そうか」

 まあ仕方ない。3等賞でもいい。

 ナナなら何よりも重要なのは「追加」って部分だ。

 くじ引き券二十枚、二十二回のくじ引き。

 男の三百三十回を見てると、途中で運が偏って魔法の玉が何十回も続いた時があったから、それにあたらないように祈った。

「ひかり、エレノア、引くか?」

「どうする?」

「ひくー」

 ひかりが無邪気な笑顔でいう。

 いつもの様にスタッフがいそいそと踏み台を用意して、エレノアとひかりがくじ引き機の取っ手を一緒にとる。

 そして回す。

 ガラガラガラ――ガラガラガラ……。

 玉は――出てこなかった。

「あれぇ?」

「どうしたのだ、これは」

 二人はそういって、スタッフを見る。

 スタッフは慌ててくじ引き機の中を確認した。

 そして、驚いた顔で。

「すみません、中が空です」

「え? ってことはさっきのあいつ、全部引いてったってことか?」

「はい」

「おいおい……まあ三百三十回も引いたらそうなるか」

「ごめんなさい、すぐに補充しますね」

「ああ」

 スタッフがそう言って、玉を補充した。

 補充したあと、エレノアとひかりが気を取り直してくじ引き機を回す。

 ガラガラガラ――ポトッ。

 玉が出てきた、ハンドベルがなった。

「おめでとうございます、1等賞でございます」

「――え?」

 おれは驚いた、そして景品リストをみた。

 (済)になってるはずの1等賞が出てきた。

 ……補充したから、ってことなのか?

 おれが戸惑ってる横で、ひかりは1等賞に大喜びしていた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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