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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

コモトリア王国編

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72.病人無双

「げほっ! げほげほっ!」

 ベッドの上で、おれは盛大に咳をした。

 熱いのに寒気がして、頭が痛くて喉もガラガラ、鼻も詰まってて口でしか息できないと。

 風邪のフルコースが一斉に襲ってきた感じだ。

「これは……」

 おれの横で医者が難しい顔をしていた。

 風邪を引いたと知った途端、ミウが呼んできた医者だ。

「ど、どうなんですか先生」

「エウボイ風邪ですな、しばらくは温かくして、栄養をしっかりとらせて絶対安静にしている事」

「絶対安静……それで大丈夫なんですか」

「エウボイ風邪で死ぬ事は滅多にありません、しかしかかっている時に体力が相当低下しますから、そこから違う病気にかかるのはさけなければならない。ですので、絶対安静で」

「わかりました」

 診察を終えた医者がおれの部屋から出て、ミウが送って一緒に外に出た。

(風邪とは、情けないな)

 頭の中でエレノアの声が響く。

「うるさいな……風邪くらい引くだろ」

(例の魔法の玉は? あれを使ってなおせないのか)

「あれは――ゴホゴホッ――全部ナナにやった。ハードな訓練で負傷者が大分でたからな」

 そう、魔法の玉(白)は丁度品切れ中だ。

 それを聞いてエレノアは黙った。

 何を黙ってるのかは知らないけど、頭がもうろうとするし、黙っててくれるのはありがたい。

(……体さえあれば)

「なんか言ったか?」

 頭の中のくせに、ぶつぶつ声でよく聞こえなかった。

(なんでもない。それよりとっとと休め。……そ、その風邪がひかりに移したら憑き殺すぞ)

「はいはい」

 適当に返事をして、布団に深く潜り込んだ。

 言われるまでもない、ひかりになんて移さない。

 こんなもの、根性で直してやる。

「ご主人様……」

 ミウがおそるおそる部屋に入ってきた。

「どうした……」

「えっと……その……」

 言いにくそうにするミウ。何かあったのか。

「その……ご主人様が大変な時だけど、ヘレネー様の使いの者から伝言が」

「伝言? 言ってみろ」

「はい。紙幣ができたから、輸送隊を護衛してロイゼーンに行きます。です」

「へえ、紙幣が……っておい!」

 パッと起き上がったけど、ヘロヘロだったからそのまま横向きで倒れた。

 ベッドの上にポスンと倒れるおれ、ミウが心配そうに近づいてきた。

「大丈夫ですかご主人様」

「着替えを……よそ行きの服だ。

「えええええ?」

「いくぞ……エレノア」

(休んでいろ! というかどこに行くというのだ)

「いや、おれが行かないと」

 目の前がチカチカする、頭がぼうっとしてきた。

 それでもわかる、はっきりとわかってしまう。

「現金の輸送なんて……襲われるに決まってるだろ」

 ヘロヘロになりつつも、ミウに着替えさせてもらって、エレノアを握り締めた。

 そしてワープの羽を使った。

 王都とロイゼーンの道は一度実際に通ってる、どこへでもワープする事ができる。

 道なりに、輸送隊を見逃さないように大体一キロ間隔でワープする。

 何十回目かのワープの果てに、ヘレネーの輸送隊を見つけた。

 戦車(馬に引かれるタイプの)に乗って指揮してるヘレネーの横にワープした。

「カケル様! どうしたのですかこんなところに――カケル様?」

 最初はおれの出現に驚き、直後におれの体調に気づいて驚いたヘレネー。

「どうしたんですかカケル様、すごく熱い……」

「風邪だ、たいしたことない」

 もうろうとしてるけど。

「で、でしたら休んでいないと。どうしてここに?」

「お前こそ」

 おれはまわりを見た。おれの事に気づいて何人かの兵士が驚いている。

 それを無視して、兵士の数を聞く。

「何人いるんだ?」

「え?」

「紙幣はどれくらいの量がある」

「銀貨にして五十万枚くらいです」

「それの輸送に兵を何人連れてきた」

「それは……国の中ですし、百人――」

「……来て良かった」

「え?」

「あのな、これは現金を輸送してるんだろ。来月くらいで正式に流通がはじめる紙幣。それに護衛百人って少なすぎないか?」

「それは……いえ、さすがに国の中で」

「て、敵襲!」

 前の方から兵士の慌てた声が聞こえてきた。

 直後に剣戟音と、魔法を撃たれた音も聞こえる。

 大分押されて、あきらかに戦況が良くない。

「……ほら」

「うっ」

 青ざめるヘレネー。おれはエレノアを持って立ち上がった。

「カケル様!?」

「なんとかしてくる」

「で、ですがお体が」

「こんなんでも――げほげほ!」

 いきなり立ち上がったから盛大に咳き込んだ。

 咳が治まるのをまって、ヘレネーにいう。

「この百人よりは、ごほごほっ、役に立つ」

 そう言い残して、エレノアを抜いて前線に飛び込む。

 もうろうとしてて、それからの事はよく覚えてない。

 襲ってきた連中を全滅させた以外の事はほとんど覚えていなかった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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