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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

コモトリア王国編

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67.ムスメの魔法

 謁見が終わって、王都から数キロ離れたところにワープした。

 そこに魔法コテージがある。

 ドアが開いて、アウラとチビドラゴンが出てきた。

 国王に会いに行ってる間、ここで待機してもらってたのだ。

「みー」

「ただいまおーちゃん」

 人化したひかりがチビドラゴンに抱きつく。

 アウラがおれに話しかけてきた。

「どうだった?」

「……エイレーネって女、あれが黒幕だな」

「あたしもそう思う」

 聖女姿のメリッサが同意してくれた。

「王妃様……」

 アウラはうつむき、下唇を噛む。

 悔しそうだけど、驚いてはない顔だ。

「知ってたのか」

「お姉様達が立て続けになくなったの、王妃様が現われてからだったから」

「真っ黒だな」

「ねえカケル、あの女ってもしかして魔族そのものなんじゃないかな」

 メリッサが言った、おれは頷いて同意した。

「おれもそう思う。魔物を操ってたし、さっきのゴロドってのもはっきりいって魔物の類だろう。となればそいつ自身魔物か魔族って可能性が高い」

「うん、それにあの目」

「ああ、人間って目じゃなかった」

「それを暴露すればいいんじゃない?」

「どうやって? さっきみた感じだと国王はあれの言いなりだったぞ? こっちがいきなり『その女魔物です』って言っても信用してくれるはずがない」

「あたしが……ううんあたしでもダメかも」

 メリッサが口惜しげにする。

 国王が敬虔な信者、そして自分は聖女。

 それでいけると一瞬思ったんだろう。

「エクスポースと言う魔法がある、それを使えばいいと思う」

「エクスポース?」

「そっか、それがあったじゃん。アウラ様はそれを使えるの?」

「はい」

「それならいけるかも」

 メリッサが納得した。状況が飲み込めないから質問する。

「なあ、そのエクスポースってどんな魔法なんだ?」

「えっとね……ひかりちゃん、もう一度剣の姿になってくれる?」

 メリッサはちょっと考えて、ひかりに言った。

「うん!」

 ひかりは魔剣の姿に戻った。

 チビドラゴンのそばで、魔剣の姿で地面に突き刺さった。

「アウラ様」

「ええ」

 アウラはひかりに近づく。全身から魔力の光を放って、魔法を唱えた。

 魔法の光がひかりを包み込む。

 ひかりが人間の姿に戻った。

 そのそばにいるチビドラゴンも光に包まれ、巨大なドラゴンの姿になった。

 かつて戦ったドラゴンの姿、しかし赤い光を放ってない姿に。

「な、なにこれ」

 チビドラゴン……オリビアの事を知らないアウラが驚く。

 一方で知ってるメリッサは驚かず、おれにいった。

「こういう魔法よ」

「なるほど」

 それなら、いけるかもしれない。

     ☆

 夜の謁見の間。

 アウラを連れて、ワープでそこにやってきた。

「こ、ここは? どういう事?」

「おれが一度行ったことのあるところに飛ぶ魔法だ」

「そんな魔法が!?」

 盛大に驚くアウラ。

「だけど行った事ないところには飛べない。ここからエイレーネのところへ案内してもらう」

「うん、わかった」

 アウラが状況を理解して、頷いた。

 謁見の間を出た。人気のない廊下を慎重に進む。

 足音が聞こえた。それが近づいてくる。

「人が来る、どうしよう」

 焦るアウラ。

 彼女を連れてワープした。

 帝都の外にある魔法コテージの前だ。

「ここはさっきの……? どういう事?」

「ここで少し待とう」

 そういって、三分間くらい待った。

 そしてアウラを連れて、直前までいた廊下にワープする。

 足音が後ろに遠ざかっていくのが聞こえる。

「行くぞ」

 声を押し殺してアウラに言う。

 アウラの案内に王宮の中を進む。

 途中で人に見つかりそうになったら魔法コテージにワープして、ちょっとまって、またワープで戻る。

 ゲームでセーブ&ロードを駆使してエンカウントを避けてた事がある、それと同じようなものだ。

 そうして、誰にも会わないままある部屋の前にたどりつく。

 今までで一番立派な扉の部屋だ。

「ここは?」

 声を押し殺してアウラに聞く。

「お父様の寝室。王妃様はここにいるか、自分の部屋にいるかだから」

「なるほど」

 うなずき、扉を押した。

 慎重に、音を立てないように押す。

 人一人分が通れる隙間が空いたところで、体を中に滑り込ませる。

 アウラもついてきた。

 ふと、777倍の鼻が匂いを捕らえる。謁見の間であった国王と王妃の匂いだ。

「陛下」

 声が聞こえた。聞き覚えのある女の声。

 おれは息を飲んだ。シー、のジェスチャーをしてアウラに黙るように指示した。

「どうしたエイレーネよ」

「ユウキ男爵、あれは危険ですわ」

「なぜじゃ? 勇ましく素晴しい若者ではないか」

「陛下はお気づきではありませんでしたか? あの男、魔剣エレノアを持っていましたわ」

「なんと!?」

 ぱっ、と体を起こす音がした。

「あの伝説の魔剣か」

「そうですわ。そのようなものをもつ男がまともではあり得ないと思い、調べてみましたの。すると大変な事を知ってしまいましたわ」

「何をだ」

「あの男、アウラ様と繋がっておりますの」

「――っ!」

 隣で息を飲むのが気配でわかる。もう一度ジャスチャーをして静かにさせる。

「なんと!」

「アウラ様はどうやら、魔剣の力を利用して、コモトリア王国を乗っ取るつもりですわ。陛下もご存じですわよね、エレノアがかつて、どれほどの国を乗っ取って、どれほどの国を破滅に導いてきたのかを」

「うむ、あれは間違いなく災いを呼ぶ魔の剣」

 国王がきっぱり言い放った。

 ていうか。

(お前の悪名、大分すごいな)

(恐れ入ったか)

(威張るな、褒めてない)

「しかし、アウラよ……なぜ魔剣などに手を出したのか」

「王子様にとって代わり自らがこの国に君臨する、それ以外の何がありまして?」

 全くのいいがかりだ。

 言いがかりだけど、王はそれを信じた。

「おのれアウラめ」

「陛下、もはや一国の猶予もありませんわ。今すぐアウラ様――いえアウラを処刑なさるべきです」

 となりでアウラの気配が揺れた。

 見ると、真っ青になって震えている
 今まで命を狙われてきたけど、それでも何かの間違いだと思ってた。

 それが、命令を下される現場に立ち会ったのだから、こうなって当然だ。

「待て!」

 それ以上見てられなくて、おれは声を出した。

 一歩前に踏み出して。

「お前は……ユウキ男爵」

 一瞬きょとんとした後、エイレーネが叫んだ。

「無礼者、ここをどこだと思っている」

「魔物がいるべきところじゃないのは確かだな」

 皮肉を言うと、エイレーネの顔がわずかにゆがんだ。

(間違いないな)

 エレノアが言う。おれもそう思う。

「何を言ってるのかわからないけれど、国王陛下の寝所に侵入したのは不敬罪――死刑に値するわ」

「そうか」

 気のない返事をした。問答は意味がない、水掛け論になるだけだ。

 ここは魔法で正体をばらすのが先だ。

 振り向き、アウラに言う。

「魔法を」

「……」

「おい、どうした」

 アウラはうなだれている、動こうとしない。

「おい!」

(ショックが強すぎたのだな。無理もない)

 エレノアはそう言った。無理がないのはわかるけど、今それじゃ困る。

「誰か、誰かある」

 エイレーネが叫んだ。衛兵がぞろぞろ入ってきた。

「くせ者を捕らえよ」

「「「はっ」」」

 衛兵達が声を揃えて答えて、こっちに向かってきた。

 どうする、どうしたらいい。

 仕方がない、ここはいったん撤退しよう。撤退して出直そう。

 おれがワープをして、アウラをつれていったん逃げようとした、その時。

(待っておとーさん)

 ひかりがそういって、人の姿になった。

 修羅場に相応しくない幼女の姿になった。

「ひかり?」

「わたしにまかせて」

「まかせるって、どういうことだ?」

 ひかりが一歩前に進んだ、手をかざして、魔法を使う。

「エクスポース」

 と、魔法を唱えた。

 魔法の光がエイレーネの包み込む。

(そうか、貴様の能力を受け継いで、その上魔法をかけられたからか)

 エレノアがいって、おれははっとする。

 この世界では、一度喰らった魔法はその素質があれば使えるのだ。

 おれの777倍をある程度受けついたひかりが、エクスポースを覚えてたんだ。

 それを使ったひかり、使われたエイレーネ。

 エイレーネは魔物の姿になった。でっかいトカゲの様な魔物に。

「おまたせ、おとーさん」

 ひかりはそういって、また魔剣の姿に戻った。

 魔物に戻されて驚くエイレーネ、どよめく衛兵と国王。

 おれは二振りの魔剣を構えて、黒いオーラを纏ってエイレーネに向かう。

 お仕置開始だ。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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