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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

カランバ王国編

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58.万夫不当

 リカの所にやってきた。

 入るなりなんかエラそうな男達と会議してるからまた後にしようと思ったけど、リカの表情が気になった。

 泣きそうな顔だ。

 おれはそのままリカの所に向かった。

「ユウキ男爵? いまは大事な」

「まあまあ」

 中年男がおれを追いだそうとしたけど、青年男がそいつを止めた。

 二人まとめて無視して、リカに聞く。

「どうした、何かあったのか?」

「カケル……助けて」

「おう、何をすればいい」

 リカから話を聞く。

「つまり、そのサリラって所で戦線が崩壊してるから、なんとかしてほしいって事だな」

「うん」

「わかった。戦線が崩壊してるんなら兵も必要だろうな。それをすぐに用意しろ、こっちはこっちで準備を進めとく」

「わかったわ。アケロン、兵を集められるだけ集めて」

「本気ですか陛下、ここは反攻に出るより守りを固めて、講和に持ち込んだ方が上策」

「それはカケルがいない時の事」

 リカははっきり言い放った。

「カケルならなんとかしてくれるわ」

「おう、何とかするぞ。敵軍を押し返して、サリラって所を奪い返せばいいんだろ」

「そんな気軽に……」

「アケロン、これは命令です」

 リカがまたも言い放った。有無を言わさない口調で。

「……承知いたしました」

 アケロンはあきらめた。

 つぎに青年の男が口を開いてきた。

「一つだけ問題がありますね」

「スタティス?」

「ユウキ男爵の立場。魔剣使いの五爵様。コモトリアからも確か男爵位を頂いているはず。ユウキ男爵が前線に出るのはご自身の立場を悪くするのではありませんか?」

「しらん」

 おれは言い放った。

「自分の女を助けて何が悪い。それで向こうが男爵を取り上げたれば勝手に取り上げればいい」

「カケル……」

 リカは目をうるうるさせた。

 感動してるみたいだ。涙が出てるけど、さっきの泣きそうな顔よりずっといい。

「つまりはそういうことだ。他に問題は?」

 アケロンとスタティスをみる。特にないみたいだ。

     ☆

 いったん屋敷にワープで戻って、ナナとイオを連れて戻ってきた。

 戦場に行くのならこの二人は役に立つから、つれてきた。

 二人を連れて、リカに見送られて、かき集めた兵と一緒に出発した。

 サリラは初めて行く場所だから、馬で急行してる。

 ほとんど休憩しないで丸一日走った後、取り囲まれてる砦についた。

「あれは?」

 隣のナナに聞く。

「デバイという砦のはずだ。旗を見る限りカランバ側が籠城し、コモトリア側に包囲されてるみたいだ」

 ナナの説明で改めてみると、確かにそうなってるみたいだ。

 しかもテバイ砦は今も攻められてる最中で、どうにも旗色が悪い。

(ここを落とされれば、連中は次の拠点に進軍するだろうな)

 そりゃそうだ。

「よし、まずは砦に入る」

「はいるんですか?」

 イオがビックリしてる。

「後ろから突っ切って一気に砦に入る。ナナは思う存分やってくれ」

「承知」

「イオもだ。雷の魔法を貸し出す」

『イオ・アコスに雷の魔力を貸し出します。残り59分59秒』

「わ、わかった」

「よし、行くぞ」

 エレノアとひかりを構えて、ナナ・イオとともに兵を引き連れて突撃した。

 こっちに気づいたコモトリア軍が迎撃してきた。

 包囲してる敵兵はざっと数えて数千はいるけど、突破するのに関係ない。

 リカから預かってきた数百の兵で突破して、砦の前につく。

「女王陛下に言われてきた、門を開けろ!」

 砦の中に向かって大声で叫んだ。

 戦場の音とちがう、迷いのざわざわ音が聞こえる。

 門は開かない、迷ってるみたいだ。

 ち、無能が。

 そうしてるうちに敵兵が迫ってきた。

 連れてきた兵が倒される。

「ちっ」

 おれは反転して、敵兵をきった。

「ナナ! 兵をまとめておれの後ろにさがれ。それと門を開けるように説得しろ」

「主はどうするのか」

「おれは最後に入る」

「承知した」

「イオは魔法をバンバンうっとけ。なんならおれごと巻き込んでも構わない」

「わかりました」

 イオと共に敵兵を食い止める。

 その間、ナナが何とか砦のカランバ兵を説得して、連れてきた兵と一緒に入っていく。

 敵兵を防ぎつつ、おれは最後に砦に入った。

     ☆

「コモトリア討伐軍、副官のエリア・イリオと申します」

 砦の中にはいると、女がおれ達を出迎えた。

 冷たい感じの、融通の利かなさそうな女だ。

「男爵の結城カケルだ。リカに言われてきた。悪いがおれの命令に従ってもらう」

「リカ……?」

 エリアは眉をひそめる。

「それよりも状況は――」

「主、敵が攻撃を再開してきたようだ」

 ナナがいってきた。

「ちっ、きりがない」

「迎撃します」

 エリアがいう。

「待て、ここはおれにまかせろ」

「任せるとは?」

「普通に防衛戦をやっても切りがないだろ? ゆっくり話がしたい。向こうにしばらく大人しくしてもらう」

「どうなさるおつもりで?」

「門を開けろ。おれが次に言うまで攻撃は一切するな」

「しかし……」

 それを無視して、門に向かう。

 兵士はびくっとしたが、強く言って門を開けさせた。

 一人で砦の外にでた。

「しめろ」

「は、はい」

 門の前に立って、敵兵をにらみつける。

 エレノア、そしてひかり。

 二人を持って、二倍の黒いオーラを体に纏う。

 再侵攻してきた敵軍がとまる。

「おれの名は結城カケル!」

 名乗ると、向こうがざわざわし出した。

「死にたいヤツだけ……かかってこい!」

 大声で叫んだ。

 ざわざわが止まった。

(わー、おとーさんかっこいい)

(ふ、ふん。これくらい当然だな)

 脳内で会話する母娘を構えながら、静まりかえった敵軍をにらみつける。

 ちょっと待ってると、敵兵が突っ込んできた。

 騎兵で、数は十。

 そいつらの突進を止め、魔剣で馬ごと全員切り捨てた。

 さらに十騎突っ込んできた。同じようにまとめて切り捨てた。

 次に遠巻きで矢を射こんできた。雨の様に降り注ぐ矢だが、全部魔剣で切り払う。

 最後に。

「わたしの名はマノス、貴殿に一騎打ちを申し込む」

 自信満々に一騎打ちを申し込んできた男を、一撃で真っ二つにした。

 おそいかかってくる敵を次々に一人で撃退する。

 すると、恐怖と動揺が向こうに広まるのを感じた。

 しばらくして、コモトリア兵は撤退し、遠巻きにテバイ砦を包囲し、動かなくなった。

 それを確認してから、おれは悠々と砦の中に戻るのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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