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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

カランバ王国編

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55.聖女の思い込み

 野外。

 エレノアとひかり、魔剣の二刀流で敵モンスターを斬りたおしていく。

 おれの前に大量の「トロル」って名前のモンスターがいる。

 人間の数倍はでかくて、緑色の体にふんどし一丁で、手にものすごくぶっといこん棒を持ってる。

 こん棒で殴られた(おれが避けた)地面はポコッてへこむ程の威力がある。

 名前通り、いかにもなトロルというモンスターだけど、実際に目の前に来られると威圧感が半端ない。

 普通の人間なら戦う以前にまず逃げ出すだろうな。

 メリッサを守りながら、そいつらを倒していく。

「このままいけばいいのか? メリッサ!」

「うん! この先に巣があって、そこに娘達が捕らえられているそうよ」

「わかった!」

「カケル! 左右からもトロルが」

「むっ」

 メリッサの切羽詰まった声。

 目の前の一体を切り伏せてからみると、言葉通り、左右からトロルの集団が突進してくるのが見えた。

「新手の挟み撃ちか!」

「大丈夫なのカケル。数が全然減らないんだけど」

「問題ない」

 即答した。

 一体一体は強くて、その上数も百匹くらいいるけど、別にどうって事はない。

 レッドドラゴンの方が断然強い。

「きゃあ!」

 メリッサの悲鳴が聞こえる。

 トロルの一匹がメリッサの腕を掴む。おれのすきをついてさらおうとしてる。

 そのトロルの腕をエレノアで切りおとし、ひかりで脳天をぶっさした。

「大丈夫か」

「ええ、大丈夫」

「さらおうとしてたな」

「うん。こん棒で殴られるのは大丈夫だけど……」

 メリッサは本気で困ってる。

 彼女は「死ぬほどタフ」ってのが取り柄だから、トロルに殴られても大丈夫だけど、さらわれるとどうしようもないんだろな。

 まあ、おれのそばにいる限りさらわせはしないけど。

 メリッサをひき連れて、トロルを一掃して、つかまった者達を助け出した。

 近くの寒村に住む、まともに謝礼も出せないような村の人達。

 メリッサらしい、慈善事業のような人助けだった。

     ☆

 つかまった者達を村までおくって、お礼の言葉だけもらって、それからワープでメリッサを連れておれの屋敷に戻ってきた。

「今回もキツかったな」

 強くはなかったけど、キツかった。

 体感だけど、トロルの一匹一匹はナナの半分くらいで、一般兵士の十倍くらい強かった。

 それを大量に相手して、さすがにくたびれた。

「ありがとう、カケル」

「いいさ。というより、お前、どんどんキツい仕事受けてないか? 今回もおれがいなかったらどうするつもりだったんだ?」

「……」

 答えないメリッサ。

 どう考えても、今回のあのトロルの群れはメリッサと出会った頃に彼女が率いていた部下でどうにかなるとは思えない。

 倒せて一匹が関の山だ。

「ま、いっか」

 今はおれがいるし。メリッサには何かあれば言ってこいよと言いつけてあるし、今の所それを守ってるっぽいから、問題はないか。

「あの……カケル?」

「なんだ」

「また協力してくれる?」

「いいけど、それよりお前はもっと休む事を覚えろ。一件一件がキツいし、頻度もかなりのもんだぞ」

「うん。でももっと頑張らないといけないから」

 メリッサが意地を張る。

 そして、なんでかなしそうだった。

 「もっと頑張る」を悲しそうな顔でいう。何でなのか気になった。

「お前、なんか悩みでもあるのか?」

「え? どうして?」

「どうしても何も、そんな顔をしてたらわかるわ」

「顔……」

 メリッサはベタベタ自分の顔を触った。

 自覚がないのか。

「悩んでる事があったら話せ。おれがなんでも解決してやるから」

「解決?」

「ああ」

「……」

 メリッサはますます悲しそうな顔になった。

 しまいには顔を手で覆って、泣き出してしまった。

「ちょ、ど、どうしたんだ」

 おれは慌てた。

 メリッサは首をぷるぷるふって、泣いたまま答えない。

 どうしたんだ? ていうかどうしたらいいんだ?

 おれがあたふたしていると、ひかりが人型に戻って、メリッサの手をとった。

「お姉ちゃん、泣かないで」

 おれは「おっ」って思った。

 切り札ひかりの出番だ。親ばかかもしれないけど、ひかりはそういう不思議な魅力がある。

 ひとの心をいやせるつーか、そういう和ませの才能がある。

 あとおれに似て、困ってる女を放っておけない性格だ。

 ひかりが出てきたから、おれはメリッサが泣き止むのを期待した。

 が。

「うわーーん」

 かえって大声で泣かれた。

 ざめざめと泣いてたのが、まるで子供の様なピーギャーっていう泣き方に変わる。

 ひかりが困り顔になって、おれをみた。

 おれは無言でひかりの頭をなでてやった。

 そして、メリッサに言う。

「どうしたんだ一体」

 ちょっと強めに聞いた。

「その子……その子、カケルの子だから」

「うん」

「カケルの子だからぁ」

 またピエーン、って泣き出した。

 訳がわからなかった。

 おれの子だからって、なにがどう「だから」なんだ?

 しばらくメリッサを見つめた。

 五分位して、ようやく徐々に落ち着いていく。

 そして、語り出す。

「カランバ王国の話を聞いたの。カケルが政権奪回に協力して、その代わりに女王をものにしたって」

「ああ」

 頷くおれ。

「それがどうしたんだ?」

「カケルの他の女達も、みんなカケルに何かしてもらって、その代わりにカケル女になったって聞いた」

「全員が全員そうじゃないけど……まあ大体そんな感じかな」

 異世界にやってきてからの事を思い出す。

 おれと関係を持つ女達って大抵そんな感じかもな。

「人間の女だけじゃなくて、魔剣もそうなった」

 ああ、だからひかりか。

 いや別にエレノアとは直接シてないんだけどさ。

「なのに……なのに……わたし、カケルにいっぱいお願いしたのに、要求されないのはどうして?」

「うん? ちょっと待って」

 手を出してメリッサを止める。

 そして考える。ある事に気づく。

「もしかして、最近やたらとお前の頼みがエスカレートしてるのってそのせいなのか?」

「……うん」

 メリッサが頷く、また泣き出しそうな顔をする。

 理由はわかった……そしてちょっとだけ申し訳なくなった。

 ぶっちゃけ理由はない、メリッサを今まで抱かなかったのは、なんだかんだでタイミングが合わなかっただけ。

 リカにかかりっきりだったり、オルティアにまとめて吸われたり。

 したいって何度も思ったし、今でもそう思ってる。

「よし、しようか」

「え?」

「したくないのか?」

「ううん」

 メリッサはぷるぷると首を振った。

「したい。カケルのものになりたい」

「おう」

 メリッサを抱き上げて、屋敷の中に入る。

 途中でナナとイオと遭遇する。

 二人はおれとメリッサをみて、一瞬で状況を理解する。

「主よ、手伝おうか」

「カケルさんの相手は一人じゃつらいもんね」

 と言った。それが無難だろう……三人でも足りないだろうけど。

「か、カケル」

「どうした」

「わたし一人じゃ、だめ?」

「一人?」

「一人でカケルを受け止めたいの。た、体力には自信があるから」

「……そうか」

 ちょっと胸が熱くなった。そんな事を言ってくるメリッサがメチャクチャ可愛かった。

「というわけだから」

 ナナとイオにいう。二人は一斉に頷いた。

「承知。一応準備だけはしておく」

「うん、しておきますね」

 そう話すナナとイオをおいて、メリッサを寝室に連れ込んで。

 望む彼女を、俺の女にした。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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