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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

カランバ王国編

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47.三顧の礼

 屋敷の庭で膝を抱えて空を見る。やりたいのにやれない、脱力感とむなしさがおれを襲う。

「ご主人様……大丈夫ですか?」

 ミウがそばにやってきて、心配そうな顔でおれを見つめている。

「ミウ」

「はい」

「もふもふさせて」

「――ッ。はい、どうぞ!」

 おれはミウをもふもふした。

 もふもふして、いやされた。

「ありがとうな、ミウ」

「いえ、わたしはご主人様のメイドですから」

「そっか。ありがとうな」

 そう言って、更にもふもふする。

「ところでご主人様。あの人屋敷に住むんですか」

「オルティア? ああそうだ、どこか部屋を掃除して案内しとけ」

「あ、はい。部屋はいつも全部掃除してます」

「そういえば、ミウは仕事キツくないか」

「お仕事ですか? いえ、それは全然」

「でもメイドはミウ一人だけだろ。こんなでっかい屋敷を一人で切り盛りするの大変じゃないのか」

「大丈夫です! 頑張ります!」

 ミウはもふもふされながらガッツポーズする。

 なんか健気で、ますますもふもふしてやった。

「カケル」

 名前をよばれた。オルティアが現われた時のように顔を向けると、屋敷の入り口にメリッサが立っていた。

 前の時と違って今度は部下を連れてなくて、一人で来た。

「あっ。ごめんなさいご主人様」

 ミウがパッと立ち上がってメリッサの所に小走りで言った。

「ミウ、メリッサは知ってる人だからこっちでいいよ」

「はい」

 言いつけてやると、ミウはこっちにメリッサを案内した。

「その……この前はありがとう」

「あれからちゃんと休んでるか」

「うん、そこそこ」

 そこそこか。これは多分、休んでないパターンだな。

 仕事マニアの人間の「休んでる」ほど当てにならないものはない。

 また無理矢理にでも休ませた方がいいか。

「で、今日はなんだ?」

「その……また手伝ってもらえないかなって」

「……」

 ビックリした、ちょっと予想外だった。

 こっちから協力を言い出すと、ぐだぐだとデモデモダッテみたいな事になるからうまくやれる方法を考えてたんだけど、まさかメリッサの方から言ってくるとは思わなかった。

 もちろん断るつもりはない。

 なんか知らないけど、こいつに素直に頼られるのは悪い気がしない。

「よし、ちょっとまってろ!」

 おれはパッと立ち上がった。メリッサはビックリした顔でおれをみた。

「どうした」

「なんでそんなにやる気満々なの?」

「まあそんなのどうでもいいだろ。それよりもちょっと待ってろ」

 メリッサにそう言って、屋敷の中にワープした。

 ドアにノックして、部屋に入る。

 直で入らなかったのはひかりの部屋だからだ。

 部屋の中でひかりがチビドラゴンとじゃれ合ってる。

「あっ、おとーさん。どうしたの」

「ちょっと出かけるから、一緒にいくか?」

「うん! たたかいのおしごと?」

「そうだ」

「わかった」

 ひかりは無邪気に笑って、それから魔剣の姿になった。

 チビドラゴンは「みゅー」ってなって、おれを見上げた。

 せがむような、澄んだ瞳。

 連れてって、って言ってるんだろう。

 これがあのレッドドラゴンか……。

 おれはしゃがんで、チビの頭を撫でた。

「お前は留守番な」

「みゅー……」

 チビを置いて、エレノアとひかりの両方を腰に下げてワープで庭にでた。

 すると、そこにメリッサとオルティアの二人がいた。

 ソロン教の法衣姿のメリッサ、フードをかぶってない美しいオルティア。

 二人並んでると、ちょっとした荘厳感みたいなのが出ている。

「驚いたわ。まさか不死の魔女メリッサをここで見かけるなんて」

 そう話すオルティアだけど、大して驚いてない様子。

「あなたは?」

「オルティアよ、ただのオルティア」

「大賢者オルティア!?」

 逆にメリッサが盛大にビックリした。

 それでわかるのか? いやそういえばおれに言ったときも「ただのオルティア」っていったっけ。

 それで有名なヤツなのか、オルティアは。

「どうして……あなた様がここに?」

「しばらくここでやっかいになることにしたの」

「カケルの助言役になるの?」

「さあ、それはどうかしら」

「なあメリッサ。こいつそんなにすごい人だったのか?」

「しらないの?」

 まだ盛大に驚くメリッサ。そんなに驚かれると知らない事に申し訳なさを感じてくる。

「あまたの英雄達の影にはその姿ありと言われた伝説の助言者。闇に堕ちる前の覇王ロドトスに天下取りの道しるべを示したとか」

 覇王ロドトス? なんかきいた事のある名前だな。

(おお、あの時の賢しい女か)

 ってエレノアがらみの関係者だったのか! そういえば最初にあったときにそんな事を言ってたっけ。

(孤児で物乞いだったロドトスをアドバイスで天下統一させた女だ)

 かなりすごいなおい。

(その後われが美味しく頂いたがな。天下も、ロドトスも)

 エレノアは得意げに語る。

 お前なあ……。

「そのほかにも画聖や歌神、時の法王や空を統べる龍王の元にいた。時代の影には常にオルティアあり、って言われてるくらいの人。それを知らないなんて……」

 驚きと呆れが混じるメリッサ。そんなにすごい人だったのか。

 でもごめん、おれこの世界の人間じゃないから。

 驚くメリッサをいったん敷地の外で待たせて、オルティアにいった。

「そんなにすごい人だったのか、あんた」

「こっちこそ驚いた。まさかあの不死の聖女まで手懐けてるなんて」

 なんだろう、最近おれのまわりに「あの」って頭につくような人が多い気がする。

 つうかおれ自身がそうか、「あの魔剣使い」とか、たまに言われるようになったし。

「大賢者か、そんなにお前の助言ってすごいのか?」

「どうだろう、自分では思った事をいってるだけ思ってる」

「適当なら、おれにもなんか言ってよ」

「神が降りてこないから今は無理」

 オルティアはなんか作家みたいな事をいっていた。

     ☆

 おれはメリッサにつきそって、あっちこっちを転戦した。

 丸一日。ワープを含めてると行った街は10くらいで、移動距離は多分数百キロってレベル、斬った人間とモンスターも100を余裕で越える。

 こいつが前に無理してるのを見てなきゃ、おれに嫌がらせでいっぱい依頼を受けてきたんじゃないかって疑うレベルだ。

 それをやってくうちに、あるものを感じ始めた。

 前にメリッサと一緒にあっちこっち飛び回ったときとまったく同じものだ。

 体はヘトヘトに疲れていく。それと正反対に、性欲が高まっていく。

 疲れば疲れるほど滾っていく。

 一言でいうと……ムラムラしてきた。

「オルティア!」

 全てが終わって、なんでか顔が赤くなってるメリッサとわかれてオルティアの所にやってきた。

 オルティアは屋敷の中でフード付きのマントをかぶってる。

 おれは手を出して。

「やらせろ」

 といった。

「再チャレンジね、いいわよ」

 オルティアはおれの手を握った。

 しわしわだった手がみるみるうちにつやつやになる。

 フードをはずす、また、あの絶世の美女になる。

 そして、おれは……。

「しなしなだ……ちくしょう、これでもダメなのかよ」

 いけるって思ったのに、あの滾りならいけるって思ったのに。

 それでも足りなかった。

「やらないのかしら」

「ちくしょう。わかり切ったこと聞きやがって。いつか絶対やってやるからな」

「そう」

 オルティアはにこっと笑った。

 やれないせいか、三度にわたってやれないでお預けくらったせいか。

 その顔は今までで一番綺麗に見えた。

 ちくしょう、絶対やってやるからな。

     ☆

 わたしは自分の手にびっくりした。

 つやつやの肌、これが彼の目にはただの若返りに見えただろう。

 これまで二回若返って見せたけど、それと同じに見えたんだろう。

 でも、違う。

 精気で若返る術を得て、若返りは出来るけど、今までで一度も肉体のピークまで戻れたことはない。

 体力、魔力、聖林力……あらゆる面でピークには届かない。

 自分の体の事は自分が一番よく分かる。若返っても、どこか足りてない感覚があった。

 それが、今埋まりつつある。

 ほとんど埋まっている。

 彼の精気で、彼一人の精気でほとんどピークまで戻ってる。

 今までこんなことは一度もない。手のひらから数え切れない程の男の精気を吸ってきたけど、こんなことは初めて。

 今まで見てきた男が全部霞むくらいの男っぷり。

 胸が弾む。

 体だけじゃない、心まで若返った様な気がする。

 なんでだろう、ちょっと期待してしまう。

「やらないのかしら」

「ちくしょう。わかり切ったこと聞きやがって。いつか絶対やってやるからな」

 ちょっと残念。

「そう」

 わたしは笑った、自分でも口に笑みがこぼれているのがわかった。

「ねえ、これからのことなんだけど」

 彼に言いたいことが泉の様に沸いてでた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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