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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

カランバ王国編

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46.ラスボス

 屋敷の庭で、魔法コテージの性能チェックをしていた。

「おとーさん、おいすがないよ?」

「そうみたいだな」

 チビドラゴンをだっこしたひかりの後ろから魔法コテージの中をのぞき込む。

 だだっ広い部屋で、中には何もない。

 一回大きくして、中に椅子を一つ入れて、小さくして、また大きくした。

 すると、入れたはずの椅子がなくなってる。かけらとかも残ってない、まるっと消えてなくなってる。

「やっぱり、これ用の家具はくじ引きで引かないとダメか」

「くじ引きをひくの?」

「ああ。引けるだけ引いて家具を揃えよう」

「おとーさん、それ、ひかりが引いていい?」

「ああ、いいぞ」

「やったー」

 ひかりが大喜びしてぴょんぴょん跳ねる。ついでにチビドラゴンもぴょんぴょん跳ねる。

 思わず目尻が下がる。やっぱりひかりが世界で一番可愛い。

(親ばかだな)

「なんでも言え」

 ひかりとチビドラゴンは魔法コテージのまわりを走り回った。

 おれとエレノアはそれを見守った。

「失礼、ここにカケル・ユウキという方がいると聞いたのですが」

「うん?」

 声に振り向く、敷地のすぐ外に、フードを頭からすっぽりかぶった人間が立っていた。

 顔は見えないけど、声からして女みたいだ。

 屋敷の中からミウがすっ飛んできて、女の前にたった。

 おれがいるけど、客が来た時に誰かって聞くのがミウの仕事だ。

「どなたですか?」

「オルティア、と申します。ここにカケル・ユウキという方がいらっしゃると聞いて」

 女はあきらかにこっちに気づいているけど、それでもミウに聞いた。

 ミウはこっちを見た。おれはミウに頷き返して、屋敷の中に入った。

「おとーさん?」

「お客さんだ。ひかりはその子とどっかで遊んできな」

 ついて来たひかりにそう言う。ひかりは「うん」と大きく頷いて、すっかりなじんだチビドラゴンとどこかに走って行った。

 エレノアを持ったまま、屋敷の中でちょっと時間をつぶしてから応接間に向かう。

 ミウに通された女が部屋の中にたっていた。

「結城カケルだ」

「オルティアと申します」

「オルティアさん? 名字とかは?」

「ただのオルティア、と覚えてください」

「……はあ。とりあえずどうぞ」

 オルティアを座らせて、おれも向かいに座った。

(この女、人間ではないな)

 むっ。

 エレノアの声を聞いておれは警戒した。

 なんでそう思ったのはわからないけど、こいつが根拠なくわざわざそう言ってくることは考えられない。

 フードをかぶってて風貌からして怪しいし、おれは警戒しつつ、オルティアに質問する。

「それで、おれになんの用だ」

「うわさを聞いてきたのです」

「うわさ? 魔剣使いのことか?」

「それもございます、それよりももう一つのうわさの方を」

「もう一つのうわさ?」

 おれは首をかしげた。

 魔剣使いの他にどんなうわさがあるんだろう。

 あっちこっちで戦って来て、大抵はエレノアを持ってるから、おれのうわさはほぼ百パーセント「魔剣使い」でくくれる。

 それ以外で……なにがある?

「とてつもない性豪、と聞いてやってきました」

「ぷー」

 思わず吹き出した。

 とてつもない性豪? なんじゃそりゃ。

(何を驚く)

 エレノアの声が脳内に響く。呆れてる様な声だ。

(あれだけの女を侍らせて、全員をへばらせて。その上魔剣たる我を孕ませる男を性豪と言わずしてなんという)

 返す言葉もない――が。

 そう呼ばれるの仕方ないような事はしたけど、それにしたってうわさになるのはどういう事だ?

 あとでちょっと調べよう。

 まずは、目の前の女に専念した。

「おれがうわさ通りのとてつもない性豪だとして、それがなんだってんだ?」

「握手を、していただければと」

「握手?」

「はい、まずは握手」

「……いいだろう」

 頷く。

 何か罠って可能性もあるけど、その時はその時。

 エレノアもあるし、なんとかなるだろう。

 左手をエレノアにかけて、右手を差し出した。

 ちょっとビックリした。

 握手のためにだして来たオルティアの手はしわしわだった。

 まるで婆さんのような、しわしわの手。

 いろんな意味でためらったけど、その手を握った。

「えっ!?」

 驚いた。握手した瞬間、オルティアのしわしわな手がみるみるうちに引き締まっていく。

 まるで若返ったかのような、ハリのある肌になっていく。

「どういうことだ」

「おお……これは予想以上だわ」

 オルティアはかぶったままのフードをはずした。

 おれは息を飲んだ。

 そこに現われたのは、かつてない美女。

 今までに見た事の無い様な、今まで見てきたどの女よりも綺麗な女。

 絶世の美女、としか言いようが無い。

 やりたい。反射的にそう思った。

 ――が。

「あれ、反応しない」

 おれは自分の股間を見つめた。

 いつもはみんなをヘロヘロにさせてもまだ存在を主張してるものが、何故かまったく反応しない。

 意識して股間に力を入れても、やっぱり反応しない。

 どういうことだ、これ。

「予想以上の男ね」

「どういう事だ?」

 オルティアを見た。

「この姿に戻るためには、いつもなら1000人近い男の精気が必要だけど、まさか一人で足りてしまうなんて。はじめてよ、そういう男は」

「……おれの精気を吸いとった、ってことなのか。今ので」

「ええ」

 そんな事ってあるのかって思ったけど、エレノアの「人間じゃない」って言葉を思い出した。

 それによく見ればオルティアは肌にハリが戻っただけじゃなく、顔が妙につやつやしてる。

 そしておれの股間は反応しない。

 状況的に見てまちがいなくそうなんだろうな。

「ありがとう、何かお礼をさせてくださいな」

「やらせろ」

 おれは即答した。

 はじめてオルティアの顔を見た時から思ってた事をそのままいった。

「いいわ」

 オルティアはあっさり答えた。

「あなたほどの男なら」

「よし」

 おれはオルティアの肩を抱いて、寝室に連れ込んだ。

 が、おれは忘れてた。

「……反応しない」

 そう、おれの股間がまるで役立たずになってることに。

「わたしが吸い尽くしちゃったからですね」

「くそ、マジかよ」

「わたしはいつでも大丈夫なので、回復を待って再挑戦しますか」

「もちろんだ」

 またしても即答した。

 結局その日回復することはなかったので、オルティアを泊めた。

 そして翌朝。

「やるぞオルティア」

 起きたおれはビンビンだった。早速オルティアにあてがった部屋にいったけど、彼女はフードをかぶっていた。

「じゃあ、握手を」

 出してきた手はしわしわだった。

「まさか……」

 おそるおそる手を握ると、オルティアはまたしても若返って、絶世の美女に戻った。

 その顔はつやつやに、代わりにおれのアレがしなしなになる。

「……これじゃやれない」

 おれは絶望した。絶望しすぎたせいか、世界平和を考え出す始末だ。

 朝一番のギンギンが丸ごと持ってかれた、ひとしずくも残ってない。意識して奮い立たせようとしても、ウンともスンとも言わなかった。

 結局、オルティアの若返りに精気を提供しただけだった。

「ごちそうさま」

 オルティアは手を合わせた。

「拝むな!」

「今日もありがとう。これからしばらくはここに住まわせてもらうわ」

「はあ?」

「1000人から精気をかき集めるより、1人からもらった方が純度も高くていいから」

「なにを――」

「そのかわりわたしを好きにしていいから。いつでも、あなたの好きなときに」

「――! いいんだな、本当に」

「本当よ。それほどの男なら喜んで」

 男1000人以上の精気を提供して、その上やれるだけの精力があればってことか。

 確かにそれだけあったら「それほどの男」になる。

「わかった」

 こうして、屋敷に住人が増えた。

 そして、おれははじめて、この世界に来てはじめて自分を鍛えようと思った。

「絶対に、やってやるからな!」

 絶世の美女にそう宣言したのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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