挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣ひかり編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

37/288

36.Aランクを超える者(side イオ)

 わたしの名前はイオ・アコス。

 今日は所属してる冒険者ギルドにやってきた。

 受け付けの女の人に名前を言って、そこで出された書類にサインする。

「はい、受け付けました。これでイオさんのBランク昇進手続きが全部完了しました」

「ありがとうございます」

 そう、今日は冒険者ランクの昇進の手続きにきたんです。

 長い間Cランクだったけど、やっとBに上がる事ができた。

 Bランクの証明書をもらった。

 これをカケルさんにみてほしかった。

 ギルドの外に出ると、すぐに声をかけられた。

「イオちゃん、久しぶりね」

「カーラさん」

 声をかけてきた大人の女の人はカーラさん。冒険者になりたての頃にすごくお世話になった人。

「Bランクに上がったのね、おめでとう」

「ありがとうございます」

「最近大活躍じゃない。オリクト殺しのイオ、一部で有名になってるわよ」

「こ、殺してないですよ」

「わかってるわ。あんな化け物殺せるわけないってね。でも毎日の様にオリクダイト採掘に言ってるのは確かなのよね。ならそういう風に呼ばれるのも当然ね」

 ちょっと恥ずかしかった。

 オリクト殺しのイオ。

 自分にそんなすごい異名がついてたなんてビックリです。

「そんなあなたにお願いがあるの」

「お願い、ですか?」

「ええ、パーティーの誘い。実は大きな仕事を受けて、戦術的に魔法使いをパーティーにほしいのよ」

「そうなんですか。えっと……」

 ちょっと困りました。

 わたしは今カケルさんとパーティーを組んでます。他の人のパーティーに入るのは、カケルさんにわるい気がします。

 なので、どうやって断ろうかって考えていたのです。

「お願い、ね」

 カーラさんに手をあわされました。

 むかしお世話になった先輩の冒険者、ちょっと、断れません。

「今回だけだから、ね」

「そういうことなら……」

 一回だけなら。その条件で、わたしはパーティーに参加する事にしました。

     ☆

 街の外れ、カーラさんに連れられてパーティーの人達と合流しました。

 そこにいたのは男の人が二人。

 一人は背中に大剣を背負ってて、もう一人は腰に二本のロングソードを差してる。

 どっちも有名な冒険者の人だ。

「おれはアレクシス、よろしくな」

「ハリだ」

「二人の事はしってるのよね」

 カーラさんは当たり前の様に言った。

 もちろん知ってます。アレクシスさんもハリさんも、カーラさんと同じAランクの冒険者で、ロイゼーンの冒険者じゃエースみたいな人達だから。

 わたしはちょっと緊張しました。

「えっと、イオです、イオ・アコス」

「知ってるぞ、最近売り出し中のオリクト殺しだろ」

「心強い。よろしく頼む」

「じゃあ早速説明するぞ」

 リーダーのアレクシスさんが場をしきった。

「ドラゴンの子供が近くに迷い込んできた」

「ドラゴンですか」

 ビックリしました。

 ドラゴン。それは子供でも知ってる伝説の生き物。

 堅い鱗は剣も魔法も通さない、場合によっては百人単位でかかって討伐するほどの生き物。

「その子供だ。目撃者と依頼者の情報じゃそれほど大きくはない」

「そうなんですか」

「だが子供とはいえドラゴンだ。で、Aランクのおれ達に依頼が来た」

「それはいいんだけどね。ちょっと前の、ほらアンデッドモンスターが大量に発生した事件。あれでいつも組んでる魔法使いの子が負傷から復帰してなくてね。どうしようかってなった時に、イオちゃんを見つけたってわけさ」

「そうだったんです」

「で、戦い方なんだが。オリクト殺しなんだから、雷の魔法が得意なんだよな」

「はい」

「じゃあ基本はおれとハリがドラゴンに接近戦で行くから、キミは魔法で援護してくれ。カーラはいつも通り回復役と補助だ」

 簡単な打ち合わせ。オーソドックスな戦法。

 それが決まると、わたし達はロイゼーンを出発した。

 街道を沿って、南に歩いて行く。

 予想以上に歩いた。昼頃の出発で、ついたのは夕方くらいだった。

「いるな」

 ハリさんが言いました。

 地面に足跡、木や岩に爪痕がある。

 緊張が高まるなか、ドラゴンと遭遇しました。

 最近よく会う山ウシよりも一回りくらい大きい翼を持ってるドラゴン。

 確かにドラゴンにしては小さくて、子供かもしれない。

「行くぞハリ!」

「おう!」

 アレクシスさんとハリさんが飛び出して、大剣と双剣でドラゴンに斬りかかった。

 わたしは魔法を詠唱しました。

「くわっ」

 アレクシスさんの大剣がドラゴンの爪ではじかれて、しっぽで横っ腹を殴られて吹っ飛んだ。

「くっ、ハリ!」

「まかせろ!」

 ハリさんがカバーに入って、カーラさんがアレクシスさんに駆け寄った。

 回復魔法をかけてもらって、アレクシスさんが立ち上がる。

「攻撃補助も」

「はいよ」

 カーラさんが魔法をかけると、アレクシスさんの大剣が白く光り出した。

 そして再び、ドラゴンに飛びかかっていく。

 アレクシスさんとハリさんが接近戦、わたしが魔法で援護射撃。

 前衛の二人のどっちが負傷したらいったんさがって、カーラさんが回復をしてまだもどる。

 そのコンビネーションはすごく手慣れてる感じがして、ドラゴンとも渡り合ってる。

 さすがAランクの冒険者、ロイゼーンのエースだと思った。

 思ったけど……これって……なんか……。

(カケルさんなら……)


 戦いながら、わたしが思ったのは「カケルさんならどうしたんだろう」って。

 アレクシスさんとハリさんのコンビネーションはすごい。大剣と双剣、パワーとスピードでそれぞれの長所を伸ばし合って、短所をカバーしあってる。

 でも、パワーもスピードも、カケルさんの方が上。

 あの堅くて再生速度も異常なオリクトを剣で圧倒する位だし。

「どう? あの二人すごいでしょ」

 カーラさんが横で言ってきた。

 自慢げで、誇りに思ってる感じ。

「それぞれの腕もかなりのものだし、長年一緒にやってきたから息もぴったりだしね」

「はい、そんな感じです」

 カーラさんの言うとおりだと思います。

 わたしも……半月くらい前だったらそう思いました。

 でも今は、カケルさんを知った後じゃ、物足りなく感じてしまいます。

「はあ……はあ……勝ったぞ」

 激戦のあと、ドラゴンは倒れて動かなくなった。

 わたしとカーラさんは後衛だから無事だけど、アレクシスさんとハリさんは結構ぼろぼろ。

「おい、おれらすごくね」

「ああ」

「パーティーだけでドラゴンを倒したの、これで二回目だな。そのうち竜殺しなんて異名がついたりして」

「そうなればハクがつくな」

 アレクシスさんとハリさんがテンションを高くしてそんな事を言い合っている。

 ドラゴンを倒したんだから、気持ちはわかりますけど。

 でも、カケルさんなら。

 カケルさんならきっとドラゴンを倒しても「当たり前」みたいな感じなんだろうなって思いました。

 オリクトを粉々にしても、地獄の帝王を一撃で倒しても、お姫様を自分のものにしても。

 すごい事をやっても、カケルさんは全部「当たり前」みたいな顔だった。

 そういう時のカケルさんはものすごくかっこいい。

 すごい事をやって、誇るでもなく謙遜するでもない、当たり前みたいにする。

 それがかっこいいと思う。

「イオちゃんも頑張ったね」

「ああ。Bランクにあがったばっかりにしてはやるじゃん」

「もし良かったらうちのパーティーに入らないか?」

「どうたいイオちゃん。この組み合わせなら結構いい感じにいけると思うんだ」

「ごめんなさい」

 お世話になったカーラさんの前だけど、わたしは即答しました。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ