挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣ひかり編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

35/288

34.ワンモアチャンス

 反乱を鎮圧して、ヘレネーが戦後処理とデルフィナが恩の押し売りをしている中、おれはくじ引き券を握り締めて、くじ引き所にやってきた。

 くじ引き所のスタッフはおれを見るなり笑顔で言った。

「お客さんいいところに来た。本日は期間限定くじ引き最終日。なんと、当たりが全て二倍になります」

「二倍!」

 興奮のあまりつい大声を出してしまった。

「それって、何を当てても二倍なのか?」

「はい、参加賞から一等賞まで、全て二倍となります」

「それは今まで引いた者が損するのではないか」

 後ろで幼女姿のエレノアが何か言ってるけど、無視した。

 そんな事よりも二倍だ、二倍くじなら――全力で引かなきゃ。

「早速引きますか?」

「もちろんだ。数えてくれ」

 スタッフにくじ引き券を渡す。

 狩りをしたりハーレムのみんなを可愛がったり、反乱軍討伐したりでかき集めたくじ引き券だ。

「はい、20枚ですね。では22回引いてください」

「よっしゃ!」

 おれは抽選器のレバーをつかんで――一気に回した。

 がらがらがら、玉が次々と出てきた。

 参加賞、参加賞、三等、参加賞……。

 22回を一気に引いた結果、二等賞が2つ、三等賞が6つ、他は全部参加賞だ。

 それが全部倍で、二等が4つ、三等賞が12個、参加賞に至っては28個もある。

 かなりもらえた、実際に引いて結果としてでると、二倍というのは想像以上にすごかった。

 すごかったが……。

「さすがに一等は出ないか」

「お客さんはかなり運がいい方ですよ。普通は二等も三等も、こんなに出ないもんです」

「といっても一等賞はほしかったな」

 景品リストを見る。

 一等賞、能力貸し出し一時間。

 一つだけ飛び抜けた効果時間のヤツは当てたかった。

 最終日で二倍だから、なおさらだ。

「……今日はずっと二倍なんだよな」

「はい、最終日ですので、終日あたりが二倍になります」

「くじ引き自体はいつまでだ?」

「日付変更までです」

「わかった」

 おれはエレノアを連れてくじ引き所を出た。

 屋敷に戻る。剣のすがたに戻ったエレノアが聞いてきた。

(時間を聞いたと言うことは、今から集めるのか?)

「ああ、せっかくだから、悔いがないように引けるだけ引きたい」

(なるほど。しかしどうするんだ? 金を使えるだけ使って確保したのがあの20枚だろうに。これ以上はどこで集めるんだ?)

「心当たりが一個ある。運任せだが」

(どこだ?)

     ☆

 いったんギルドによってから、おれは死霊の軍勢が封印されてる森にワープした。

 ここに来たのは三回目。封印のポイントに数人の冒険者がいた。ギルドが派遣した監視役みたいだ。

「カケルさん? どうしたんですか」

 その中の一人、若い男がおれに話しかけてきた。

 知らない顔だけど、向こうはおれの事を知ってるみたいだ。

 時間が惜しいから、早速本題に入った。

「ギルドの依頼でここに来てるんだよな。万が一何かあったときすぐに再封印できるように」

「ええ、それがおれです」

「そうか。で、封印するのじゃなく、解くのはできるか?」

「こっちから解くんですか? そりゃ出来ますけど……」

 なんで? って顔をする。

「今といてくれないか」

「えええ? な、なんでですか」

「ちょっとな。安心しろ、悪いようにはしない」

「アンドレウさんはこの事を?」

「さっき話をつけてきた」

 おれはギルドからもらってきた封筒を見せた。

 ギルドの方はアンドレウの口添えもあるおかげで話がスムーズだった。

 元々おれのおかげで封印できたというのが向こうの認識だったから、話が早かった。

「分かりました、ちょっと待ってください」

「頼む」

 若い男がそう言って、封印の所にいってそれを解いた。

 それでちょっと待っていると、早速ゾンビが出てきた。

 一撃でそいつを真っ二つにした。

 次はスケルトンが出てきて、同じように真っ二つにする。

 モンスターが次々と沸いて、沸いたそばからおれが一撃で倒す。

 無限沸きのモンスターを狩ってる気分だ。最初にくじ引き券をゲットしたのもこれで、あのときはエレノアが召喚した奴らを次々に倒してた。

 日付が変わるまでに、手元にまとまった現金がないおれが選んだのはこの方法だった。

 確率は低いけど、それに全てをかけた。

     ☆

 日付が変わる直前、おれはくじ引き所に駆け込んだ。

「いらっしゃい。あと五分ですよお客さん」

「間に合ったか」

 おれはちょっとほっとした。

 手の中に1枚のくじ引き券がある。

 あれからエンドレスで無限沸きを狩り続けて、ようやく手に入った貴重な1枚だ。

「はい、これ」

「1枚ですか、いいんですか10枚じゃなくて」

「さすがに集まらなかった」

「そうですか。まあでも、あたるときは1枚でもあたりますしね」

 気休めを言われた。今はそれでもありがたい。

「ああ、当てるつもりで来た」

 強気で宣言した。

 胸がドキドキしだした。

 虎の子の1枚、駆け込みの大勝負。

 おれは抽選器に手をかけて――そのまま固まった。

「お客さん?」

「どうした」

 スタッフとエレノアが同時に聞いてきた。

 おれは幼女姿のエレノアをじっと見つめ、聞いた。

「お前、運はいい方か?」

「我か? どうだろうな、そこそこではないか?」

「地味にお前の方がくじ引きの成績良かったよな。ワープの羽も一発で当ててたし」

「そういえばそうだったか。……まさか我に引かせる気か」

「……」

 その方がいいかもしれないって思った。

 運というものには流れがある。すでに22回引いたおれが、今日はその流れが来てないって可能性がある。

 エレノアの方がもしかしてあたるかもしれない……完全にオカルトの領域だけど。

「やめておけ、我といえど一度のくじ引きであたる気がしない。あれは運がよかったのだ」

「それでもいい、やってくれ」

「貴様がいいというのなら我は別に構わんが」

「いいんですかお客さん」

 スタッフまでそんな事を言い出した。

「ああ」

「じゃあ引くぞ。我を抱き上げるのだ」

 身長的に届かないからエレノアがおれに要求する。

「……ちょっと待って」

 エレノアを抱き上げようとしたところで――更に待ったをかけた。

 おれは、ある事をひらめいた。

 興奮した。今までの興奮が可愛く思えるくらい興奮した出した。

「お客さん? 早く引かないと終わっちゃいますよ?」

「すぐに引く。その前に――」

 エレノアを見つめ、この限定くじ引きで引いたものを使った。

『魔剣エレノアに運を貸し出します。残り29秒』

「これでよし。さあ引いてみろ」

 エレノアを抱き上げる、彼女の小さな手が抽選器に触れる。

 ドキドキする。

 エレノアに運を貸し出した。

 貸し出すのはおれの能力そのものじゃなくて、倍率だ。

 エレノアの運を、777倍に。

 がらがらがら――ボトッ。

「わああ、大当たりです!」

 ハンドベルが鳴る。

 そこにあったのは、待望の金の玉だった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ