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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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28.期間限定くじ

 サラマス商会を出たおれの手に10枚のくじ引き券があった。

 屋敷のまわりの土地を銀貨3000枚分買うと言って、細かい事は全部サラマスに任せて、5割引きパスを使って1500枚払った。

 そしたら出てきたのがくじ引き券10枚だ。

 5割引きでかっても、くじ引き券自体は元の値段でもらえるって事。

 想定してたいくつかのパターンの中で、一番いいパターンだ。

 今までは銀貨300枚ごとに1枚のくじ引き券だったけど、これからは実質銀貨150枚でくじ引き1枚だ。

 この調子ならもっと引ける、ガンガン集めていっぱい引ける。

 というか、引きに行こう。

 10枚のくじ引き券を握り締めて、あの場所を思い浮かべる。

 一歩踏み出すと、目の前の景色が一変して、くじ引き所になった。

「おっ、なんか違うな」

 幼女姿のエレノアが何故かおれに肩車した状態でいった。

 そいつのいうとおり、くじ引き所の中はどこか違っている。

 内装も、そこにいる見慣れた顔のスタッフも。

 なんだか「めでたい」イメージだ。

「いらっしゃい、お客さん」

「どうしたんだ、これは」

「今日から期間限定くじ引きが始まります」

「期間限定くじ引き?」

「はい、今日から一週間だけ、くじ引きの景品がスペシャルラインナップとなります。今度手に入らないものなので是非いっぱい引いてってくださいね」

「期間限定か、なんでまたそんな事を?」

「メルクーリ王国ってお客さんしってますか?」

「ああ」

 知ってるも何も、名前からしてヘレネーとイリス姫の国だよな。

「そこがですね、今度紙幣を発行するんです。これは結構大きなイベントなので、ここもそれにあやかって期間限定くじ引きをやってみた訳です」

「そんな理由か。でもそれとここって関係あるのか?」

「風が吹けば桶屋が儲かります」

「ラーメン屋バレンタインイベントする様なものか」

 おれは何となくそう思った。まったく関係なくてもこじつけでイベントをするのはいかにも商売人らしい。

 それはそれとして。おれは景品リストを見た。

・参加賞 能力貸し出し(五分、使い切り)
・三等賞 能力貸し出し(三十秒)
・二等賞 能力貸し出し(三分)
・一等賞 能力貸し出し(一時間)

 全部が同じで、ああ急こしらえだな、ってイメージがする適当なラインナップだった。

「説明いたしますね。こちらはお客さんの能力を、自分が指定した人に貸し出す事ができるスキルになります。例えば前回一緒にいたお客さんがいましたよね。その人がこれを使うと、触手を一時他の人に貸し出す事ができるんです」

「なるほど」

「お客さんの場合はちょっと違います。全能力○倍の人は、何か一つ能力を指定してそれを貸し出します。貸し出し中、自分は元の能力になります」

「つまり倍率を貸し出すって事だな」

「そういうことです!」

 なるほど、それはすごいかも知れない。

 例えばイオに雷の魔力の倍率を貸し出したらオリクトの足止めを任せられる。

 というか、おれは「全能力777倍」だけど、全能力をいつも使ってる訳じゃない。

 エレノアで攻撃してるときなんか、魔法の力が丸々遊んでるもんな。

 それを指定した人……うんおれの女に貸し出す事ができたらかなりいい。

 もう一回景品リストをみた。

 能力は手抜きだけど、設定自体はちゃんとしてるかな。

「三等賞以上はいくら使ってもなくならないんだよな」

「はい、その分効果は短めです」

「一等賞は本気で一等賞だな。時間が飛び抜けてるし、使ってもなくならない」

「ちなみに、例えば三等賞を二つ引くことが出来たら、同じ人に二つの能力、違う人にそれぞれ能力を貸し出す事もできちゃいます」

「期間中に引けるだけ引いた方がいいってことだな」

 一等賞はもちろん文句なしの大当たりだけど、三等賞を十個くらい当てるのもかなり美味しいな。

 炎、氷、雷――。

 魔法の種類をこれから覚えるけど、おれが十人になって違う魔法をいっぺんに打ち込めるって事だ。

 うん、美味しい。

「使い切りタイプの使用期限は?」

 こういうタイプは、ゲームのアイテムだと使用期限がある事が多いから、一応聞いといた。

「ありません」

「ますます美味しいな」

「なんだって期間限定くじ引きですから」

 景品手抜きのくせによくいう。

 ……いや、案外手抜きでもないかもな。

 さて、そういうことなら引くしかないな。

「じゃあ……とりあえず10枚」

「はい、たしかに。では11回どうぞ」

「我がやる」

「いいぞ」

 エレノアを肩からおろした。前と同じようにだっこした状況で、抽選器の高さに合わせてやる。

「せーの!」

 ガラガラガラガラガラガラ――。

「ああ、お前一気に!」

「あははははは」

 エレノアは大笑いしながら一気に回した。

 玉が次々出てくる、あっという間に11回――銀貨1500(3000)枚分のくじ引きが終わった。

 その間、十秒未満。

 溶けるってのはこういうことなのか……。

「はい、参加賞10と……おめでとうございます、三等賞1つで」

「あたったな」

「せめてもの救いだ」

     ☆

 イオを連れて岩山に来た。

「今日はオリクダイト採掘ですか?」

「それはついでだ、ちょっと実験をしてみたいことがある」

「実験?」

「オリクトが出たらイオが魔法で足止めしてみろ」

「はあ」

「連射を出来るだけしてみろ」

「でも、わたしの魔力じゃ――」

「おっ、早速お出ましか」

「ええっ!」

 ビックリするイオ。

「カ、カケルさん」

「とにかくやってみろ。お前ならできる」

「は、はい!」

 参加賞で引いて使い切りの貸し出し権を一個使った。雷の魔力の貸し出しと、イオを対象に指定する。

『イオ・アコスに雷の魔力を貸し出します。残り4分59秒』

 エレノアとは違うタイプの声が聞こえる。

 イオは魔法を使った。雷がオリクトに直撃する。

「もう一回、すぐにだ!」

「は、はい!」

 言われた通りイオは魔法を放つ、しっかり連射出来た。

「ど、どうして……?」

「今、おれの魔力を一時的にイオに貸し与えてる」

「カケルさんのを? え、えええええ? そんな事が出来るんですか?」

「ああ、できる。……また前代未聞か?」

「そんな事はないですけど……一応命と引き替えに力を譲渡する禁術があるらしいとは聞いたことありますけど、一時的は……」

「なるほど。あっ、動き出したぞ」

「ええいっ! すごい……わたしでもいっぱい撃てる」

「と言うより、おれよりちょっと威力高いんじゃないのか?」

(倍率だからな、もとが貴様よりたかいんだろ)

「なるほどな」

 能力そのものを貸し出すならおれとまったく一緒なんだろうけど、倍率を貸し出すんならおれより強くなる可能性もあるか。

 逆に言えば、貸し出しても意味のない場合があるかもな。

 元が0なら777倍かけた所で0だから。

 それに心当たりが一個ある。

 エレノアだ。

 この世界は歴史上ただ一人もエレノアの支配から逃れられた人間はいないらしい。つまりエレノアに対する耐性というものが、この世界の人間が全員0だって可能性がある。

 それを今夜にでも試そうってことで、いったん置いておく。

 次にタニアを召喚した。

 もう一個使い切りタイプを使った。

『タニア・チチアキスに氷の魔力を貸し出します。残り4分59秒』

「タニア、魔法をオリクトに向かって撃ってみろ」

「うん!」

 タニアはいうとおりにした。氷の矢が百本近くでてきて、オリクトを蜂の巣にした。

 もちろんそれはあまり聞かなかった。氷の矢が一瞬でとけて、オリクトの傷跡が一瞬で塞いだ。

 だけど、おれはワクワクした。

 イオとタニア。魔法使いとメイド。

 見た目美少女の二人が、ハーレムパーティーの女がおれが与えた力で戦ってる。

 気持ちいいな、これ。

 一週間……くじ引き券、死ぬ気で集めないとな。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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