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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

メリッサ編

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288.太陽と月とすっぽん

(いいかげん我にくらい種明かしをしてもらおうか)

 ニキを見送った後、エレノアが頭の中で聞いてきた。
 いいかげん、って枕詞をつけたけど気分を害した様子とかまったく無くて、むしろ楽しげな感じだ。

 ここ最近エレノアは何でも楽しそうにしてるな。

(第一小隊にオーラを被せて潜り込ませた。何かをさせるかと思えばそうでもなく、ただただ日常を過ごさせている。貴様の狙いはなんだ)
「多分だが……キャロラインは人間を人間だと思ってない」
(ふむ? 我みたいなものか)
「ちがうな。お前は人間を人間だと思ってるだろ? 人間ってかいてルビにゴミとか振る……そういうのだろ」
(うむ、まさしくな)
「キャロラインはそれ以前の問題だ。あの子の世界には神様しかいない。神様とそれ以外、それがキャロラインの世界だ」
(なるほど、よくも悪くも人間は人間じゃない、その辺にいる犬猫か草木と同じということか)
「まだ惜しい、下に例えてる時点でな」
(……なるほど、モンスターとも一緒か)

 頷くおれ。
 キャロラインをみてるとそう思う。くじ引きスキル「下位互換」と周波数の事を考えても、多分間違いないだろう。

「まずはそこから、人間を人間として認識させる。空っぽな彼女の頭を満たしていく」
(それは分かった、だがなぜ奴隷兵なのだ? しかも貴様、わざわざ第一小隊を指名したな?)
「『人間』を理解させるんだ、一人二人の超人を見せただけじゃ意味がない。目を惹く大勢を見せないとな」
(それは奴隷兵を送った理由だな。第一小隊なのは?)
「……」

 それは、まあ……。

(くくく、答えんところをみるとやはりそう(、、)か。第一小隊は色々あった、奴隷兵の中でもっとも貴様と関わりが深い――貴様の匂いが染みついてる)
「言わせんな恥ずかしい、ってヤツだ」

 エレノアの言うとおりだった。

 ニキに率いる奴隷兵第一小隊、かつては俺の為に戦果を上げたい想いが強すぎて、戦場で無茶を繰り返していた。
 あの頃の第一小隊は最も戦功をあげるか、もっとも損害が大きいかのどっちかだった。

 それを俺が諭して、更に自ら鍛えて。
 何よりそれ以上に健気な彼女らをだきまくって。

 結果、奴隷兵の中で俺と一番関わりが深い小隊になった。

「匂いとは言ってくれる」
(貴様があの娘に与えた安心毛布だから。神様がいきなりいなくなっても安心出来るようにとな。匂い以外のいいようがない)

 俺は無言でエレノアにデコピンをした。

 エレノアに見抜かれて複雑だが、途中の経過は悪くない。
 もうしばらく様子見をするか。

 と、俺はワープの羽根を取り出して、屋敷に戻ろうとした。
 その時、教会の前に一台の馬車が止まった。

 馬車から一人の女が降りてくる。
 年齢は30をすこし越えたって感じか、均整のとれた肢体と美貌。
 タイプで言うと、デルフィナを彷彿させる女だ。

 その女はソロン教の服、メリッサに近い服をきている。

「幹部か」
(あの服は神官長のものだな)
「神官長?」
(いくつかの街の教会を統括する立場だな)

 なるほど、それなりにエライ人間か。
 そんな人間が何でここに?

 神官長の女が教会に入っていった、何故来たのか気になった。

 俺は迷彩オーラを纏って、姿を消した。

(くく、過保護だな)

 エレノアの刀身にデコピンをした。

 キャロラインは俺の声が聞こえるが、姿までは見えない。
 声は出さないように気をつけながら教会に入った。

     ☆

 キャロラインは祈りを捧げながらも、チラチラと周りを見ていた。

(さっきの神様とその人の会話……もしかして……綺麗な女の人たちって、みんな神様が私の周りにいさせた人? ということは天使?)

 カケルの会話を盗み聞きして奴隷兵達の正体を推測したまではよかったが、その先はやはりキャロライン、発想の飛躍が待っていた。

 彼女は天使――カケルが送り込んできた女達を更に目で追った。
 中でも特にカケルと話していた女。

 ニキ・セフィリス。

 彼女を特に見つめていた。
 彼女達は他の人間と違って綺麗だったり素晴しかったりするが、その中でもニキは抜きん出ている。
 光り輝いているように見える、と言っていい。

 キャロラインは今まで普通の人間と没交渉だった、ある意味セレーネ以上に世間知らずだった。
 だから今自分が見えているものが本当は見えるはずのないものだと気づかなかった。

 それが逆によかった。半端に知識があったら困惑してただろうからだ。
 今彼女が見えているもの……それは魂の色だ。
 普通の人間には見えるはずのないもので、それ故に常識を持っていたら困惑するであろう光景。

 しかしキャロラインは分からない、変とも思わない。
 ただ、素敵な女が輝いて見える。その現象だけに目を向けた。

(これ知ってる……なんだろう)

 ニキが光って見える事に心当たりがあるキャロライン。
 彼女はそれと同じものをみている、しかもごく最近だ。

 それがなんなのか、キャロラインは周りを見回した。
 キョロキョロ、キョロキョロ。
 やがて、窓の外でそれを見つけた。

 窓の外、昼間の青い空。
 そこに掲げられた、白い月。

 ニキの輝きは、その月と同じように見えた。
 それで更にキャロラインは困惑したが、ある意味彼女は本質をみていた。

 魂が月と同種の輝きを放つニキ、月の輝きの先には太陽がある。

 ニキ()は、カケル(太陽)を受けて輝いている。

「あなたですね、神の子は」
「え?」

 素敵な女達をみるため、そして聞くために合わせたキャロラインの周波数。
 そこに一人の女の声が意識に割り込んできた。

 顔を上げる、神官長の服を着た女がいた。

「初めまして、私の名はエウドラ・カナシスと申します」

 物腰が上品で、人当たりもいい女。
 しかしキャロラインの目には。

 ニキの輝きが太陽に見えるほど、対照的に黒く、ドブのような黒い色に見えたのだった。
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【タイトル】
虐げられた救世主の俺は異世界を見捨てて元の世界で気ままに生きることにした

【あらすじ】
風間シンジは異世界に召喚されて、女神の頼みで世界を救ったが、世界全体が彼を利用するだけして、虐げていた。
そんな世界のために頑張るのが馬鹿らしくなったシンジ。彼は最低限の義理を果たした後異世界を見捨てて、チートの力をもったまま現実世界に戻ってきた。
シンジがいなくなった後の異世界が自滅していく中、彼は現実世界でチートを使って気ままに生きていく。
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