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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

メリッサ編

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286.器の中身

 屋敷のリビング、ソファーにどかっと座ってる俺のそばに、二人の女がいる。
 一人はキャロライン、怯えるからオーラでほかの者をみえなくして保護してる。
 もう一人はオリビア、彼女は俺の膝の上にあごをのせて、まるでワンコの様にしている。

 俺はオリビアの頭を撫でた。手つき自体はひかりにするただのナデナデと一緒だが、やってる事は違う。
 過去の世界でエレノアがやってたやつ、相手に触れるだけでセックス以上の快楽を与えて、精気を吸って相手を廃人にする技。

 あれのアレンジをしていた。
 エレノアのは触れただけでセックス以上の強烈な快感、そのかわり相手を廃人にする。
 俺はそれをデメリットなしの、強烈な愛撫程度にアレンジしようとしてる。

 賢いオリビアは最初の段階から俺の意図に気づいた、気付いた上で、俺にされるがままにしてる。

(さすが忠犬、主の実験台になっても喜ぶとはな)
「身も蓋もない言い方をする」
(だがその通りだろう? それよりもいいのか? それは扱いが難しいぞ)
「問題ない、きちっとものにしてみせる」
(まあ、貴様が思っている通りの調整が出来れば鬼に金棒、やってみる価値はあるか)
「これだけじゃないぞ」
(うむ?)
「これだけじゃない、一つずつやっていく。そのうちお前の全部を俺のものにする」
(……す、好きにしろ)

 エレノアが珍しく動揺したのを聞きながら、オリビアの頭をなで続ける。
 ただ頭を撫でただけじゃそうはならない、オリビアは顔を上気させている。
 オッパイを揉み続けた時と同じ反応になってる。

 調整はそれなりに順調、俺は慎重に続けた。

 一方で、空いてる手で肉片と布の切れ端を持って、それを眺めた。
 オリビアがゲットした手かがり。
 それを眺めながら、女達からの情報を思い浮かべた。

 ヘレネー、リカ、アウラ、フィオナ、セレーネ。
 五大国の女王や王女達。
 そして全世界に根をはって、国に匹敵する程の財力を持つデルフィナ。

 全員に調査してもらった結果、教会は何らおかしい動きはないという。

 ないというパターンを、俺は想定していた。
 相手は魔の者だと予測した時から、人間とは違う動きをしているかもしれないと思っていた。

 結果俺の女達は誰一人としておかしい動きを捕らえる事ができなかった、でもおかしい動きはあって、その証拠がこの肉片と切れ端だ。

 魔の者、人ならざる者が暗躍してるのははっきりしてる。

「問題は何でキャロラインを狙うかだな」

 ちらっとオリビアをみる。
 オリビアはニコニコ顔で、かつ上気した顔で俺に頭を撫でられている。

(ワンコは言いたい事はないようだな)
「そうみたいだ」

 もし何か気づいて、言いたい事があれば。オリビアは言いたくてうずうずしてるだろう。
 俺に言いたい、『許可をもらって』言いたい。

 オリビアはそういう性格だ。

 それが完全に甘えてるって事は何も気づいてないという事の証拠でもある。

(どうする?)
「法王になるまでずっと守り続けるのは訳ない」
「さすが人の子!」

 自分の屋敷、オーラで声を隠してないから、聞こえたオリビアは合いの手を入れてきた。
 ちょっと強めに、それでいて優しく撫でてやりつつ、話をつづける。

「だが、法王になった後も狙われるのなら意味はない。一生守り続ける訳にはいかない」
(うむ、狙われる理由をはっきりさせねばな)
「こればっかりはもう、ヘレネー達には探れない所だな」
この娘(キャロライン)をエサにして釣ってみるか?)
「万が一の事もある、それは最終手段にしたい」

 エレノアと一緒に、ああでもないこうでもないと討論をした。
 ソロン教の経典を読み解くとか、メリッサに話を聞くとか。
 色々と案を出してはみたものの、どれも最初の、キャロラインをエサにする以上に効果的なものは出てこない。

 本当にそうするしかないのかと、眉間のしわが深くなっていった頃。
 窓の外、庭にオルティアの姿が見えた。

 オルティアはフードを深くかぶっている、精気が切れて老婆の姿に戻ってるのだろう。

「最近オルティアがよそよそしいな」
(浮気か)

 エレノアの刀身にデコピンをした。

「ベッドの上だといつも通りだが、それ以外だと話しかけてこないって言うか、避けてるって言うか」
(ふむ。たしかにそのような空気だったな。竜王ワンコと真逆だな)
「つなげてやるな……オリビアの真逆?」

 何かが引っかかった。
 真逆って何の真逆だ?
 オリビアは言いたい事があるのをうずうずしてる。
 その真逆だと……言いたくないことがあるから避けてる?

『私はオルティア、ただのオルティア』

「ちがう。言いたい事があるから避けてるんだ」
(何を言ってるのだ貴様は)

 エレノアは呆れた様に言ったが。

「オルティアはただの女になりたがってる、俺に助言なんてしたくないんだ」
(……ふむ、確かにそうだったん)

 語気が一変、エレノアも真剣な口調になった。

     ☆

「ええ知ってるわ」

 呼び出したオルティアはあっさり認めた。

「聞かれたくなかったのか」
「答えたくないのよ」

 ただのオルティアだから。

「そこを頼む」
「いいわ。そのかわり、話した後はちゃんと女として扱って」

 オルティアを抱き寄せて、フードを取ってキスをする。
 精気が切れてしなしなの老婆だったのが、肌に艶と張りが戻って、絶世の美女に若返る。
 長めのキスの後、オルティアは半分満足、半分物足りないの複雑な顔をした。

「残りは話した後だ」
「わかったわ」

 オルティアは頷き、纏う空気が一変する。
 俺に何かを教えるとき特有の――割り切った教師口調になった。

「あの娘、キャロラインは神の器」
「神の器? 神の子じゃないのか」
「どっちでも正しい。観点の違いよ。神の子というのは人間の視点から見た場合。神であるソロンの血を引いた神の子。では神の器は?」
「……連中の視点」

 教師の問いを答えると、彼女は満足した顔で頷いた。

「そう。神の器とは彼らの視点から見た場合の呼び名。そしてそれこそが本質。神の器は、ソロンがこの世界に降臨……いえ顕現ね。それをする際のよりしろだわ」
「なるほど」
「神の器は空虚でなければならない。そうでなければソロンが憑依するとき不都合になる。しかし、空虚な風に育つように設定(、、)した器に少しだけど人らしい感情が芽生えた。なぜ?」
「……俺の声が聞こえたから?」

 頷くオルティア。

「あなたとのふれあいで彼女は少しずつだけど人間に近づいていってる。いいえ、人間そのものになる可能性が大きい。なぜなら」

 オルティアはまっすぐ俺を見る。その目に、熱っぽさがあふれ出していた。

「あなたに関わった女は、例外なくただの女にされてしまう」
「ただの女か」
「ただの女、立派な人間よ。だから彼らはあなたから彼女を取り上げたくて、実力行使にでた」
「……つまり、法王の話なんてどうでもいい。連中はキャロラインを連れ去って、俺の寿命が尽きるまで保管する、ってことだな」

 俺の答えにオルティアは満足げに頷く。

 かつての魔の者の言葉を思い出す。
 奴らの寿命は人間よりもはるかに長い、俺が寿命で死んだ後にまた動けばいい。
 そんな事を言っていた。

 キャロラインの方針もそれだって事か。

「つまり、器の中身を満たせばいいって事か」
「ええ、あなたがいつもやってきた事をやればいいの。邪魔は更に入るでしょうけどね」

 オルティアはおどけて言った。
 それは問題じゃない。
 どんな邪魔だろうと排除すればいい、それだけの話だ。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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