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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

メリッサ編

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281.神の愛

 窓から差し込まれる月明かりが照らすベッドの上のヘレネー。
 横向けに寝ている彼女の口角は微かに持ち上げられ、そっと下ろされたまぶたも柔和なイメージを受ける。

 ヘレネーはまるでこの世のしあわせを全て手に入れたような笑顔で。

「カケル様……」

 と、寝言をつぶやいた。

 そんな彼女の頬にキスをして、シーツを肩まで被せてやって、頬にキスをする。
 ベッドを降りて、服を着てベランダに出た。

 満点の星空と、白く輝く満月を見あげる。

(どうした)
「ん?」

 いきなり聞こえてきたエレノアの声に、俺は首をかしげて聞き返した。

「どうしたって何が」
(物足りなそうな顔をしている)
「……物足りないって何が」
(我に隠せるとおもうのか? んん? 今の貴様は……そうだな、さしずめ破裂寸前の風船といったところだな)
「……」

 俺はだまってしまった。
 エレノアにそれがばれたのは腹立つけど、図星なのだ。

 物足りない、そう、物足りない。

 さっきまでヘレネーを可愛がっていた。
 世界でも屈指の美女、それだけではなく才覚もあり、高い位置にいながらもおごることのないいい女。

 そんないい女をさっきまで抱いていた。

 が、足りない。
 もっともっと()たり、()たりない。
 それがエレノアに見抜かれていた。

(もとより貴様がハーレムを志したのは777倍の性欲で自分の女を壊さないためだったものなあ。それを考えれば最近はよくガマンしている方だ)
「別にガマンって程の事でもない。オリビアがいるし、メリッサもいる。俺の周りにいい女が増えた。足りて――」
(本当の所は?)
「……強がりの一巡くらいはさせろよ」

 エレノアに毒づいた。
 確かに強がりだ、それをエレノアに指摘されたのがシャクだが。

(誰かを呼ぶか、それとも我が相手をしようか)
「今日のは少し違う、お前を叩いた所で解消されるとは思えん。同じムラムラでもこうじゃなきゃダメな時ってある」
(人間というのは難儀なものだな)
「お前の口から言われるとすごく味があるなその台詞」
(ちょっと散歩でもするか?)
「……そうだな」

 異次元倉庫を開いて、ワープの羽根を取り出した。
 エレノアの言う散歩はもちろん額面通りの意味ではない。
 抱ける女を捜しに行けって意味だ。

 ワープのはねで飛んだ。
 ミウの所、ナナの所、イオの所、イリスの所……。

 屋敷から近い順にいるであろう女達の所に次々と飛んでみた。

 みんな都合が悪かった。
 普段いる場所にいなかったり、こんな夜更けでも起きて鍛錬してたり、仕事してたりしている。

 いないのはもちろんしょうがないし、何かをしてる所には声をかけずに、黙ってそのまま立ち去った。
 邪魔をしたくない。
 俺のいい女達が何かをしているのを邪魔をしたくない。

(意地か?)
「違う、果実が熟れる前にもいでしまうのはもったいないってだけだ」

 いいたとえなのか分からないけど本心だ。
 いい女達が更にいい女になっていく、それを邪魔するのは好きじゃない。
 例え今みたいにムラムラしていたとしてもだ。

(すっかりグルメになったものだ)
「そっちは否定しない」
(こうなればもう娼館を貸し切りにするしかないな)
「その方が手っ取り早いかも知れないな」

 エレノアと軽口を言い合いながら、ワープの羽根で次々と飛んで、最後はアイノンにやってきた。
 アイノンの教会の中、月明かりの中でキャロラインは祈りを捧げていた。
 それだけじゃない、他にも信徒達がいた。

 よく見ればいるのは修道女服を纏った女達ばかりだった。教会学校をあっちこっちで開いているから、男は教える為にかり出されている。

 祈りを捧げてるキャロラインに比べて、彼女達は気楽に雑談していた。

「羨ましいなあ、あたしも神様の声が聞こえたらなあ」
「ねえ、神様の声ってどんなのだと思う?」
「きっとものすごく素敵なのよ。だって神様なのよ」
「それにしても羨ましいな。私たちだって神に全てを捧げた身。なのに聞こえないなんて」
「そりゃ神の子様みたいにもっと全てを捧げないとダメでしょ。見なさいアレを」

 女達が一斉にキャロラインを見た。
 微動だにせず、静かに祈り続けている彼女は神々しさすら感じる。

「あそこまで捧げないとだめでしょ」
「わ、私……本当に神様のお心に触れられたら、それくらいする……」
「できたらする、なんてあたしも一緒だよ」
「私も」
「私も私も」
「そうじゃなくて、神の子はそうじゃなくてもするから」

 全員がもう一度キャロラインを見て、一斉にため息をついた。

(くくく、丁度いいではないか)
 え?
(修道女は元々神にその身を捧げて貞節を守る女達だ。ならばこの女たちは皆()のもの)

 エレノアは「神」を強調した。
 神。
 ここしばらくの一連の事で、俺はキャロラインを通じて神を演じた。
 エレノアがいう「神」が俺をさしてるのは間違いない。

 ムラムラしてるのを、この修道女達で解消しろといっている。

 彼女達を見た。
 声を出していないが、目線を向けたり実質会話に参加しているのを含めれば約二十人。

 可愛かったり綺麗だったり、気が強かったり内向的だったり。
 様々な子がそこにいた。

『……キャロライン』
「神様!」
『みんなに伝えろ。ここにいる者、全員連れて行く』
「わかった」

 キャロラインは俺の言葉を修道女達に伝えた。
 それ(、、)を言った矢先というタイミングでの神の声、何人かはあきらかに「期待」する目をしていた。

 俺は彼女達を連れて、ワープの羽根で飛んだ。
 飛んだ先は薔薇の園。リカが用意して、俺にいつでも使っていいと言ってる場所。
 邪魔が一切入らない場所、俗世と切り離されたような場所。

 そんな場所で、俺は丸一日かけて。
 オーラを纏った姿の見えないまま。
 二十人の修道女達を抱き続けたのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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