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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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27.豪商(チョロい)

 身繕いするデルフィナは色っぽかった。

 ほつれた髪を直して、ほとんど布きれになった服をかき集めて、体を隠す。

 流石にこれはいたたまれない。

「ちょっと待ってろ」

 ワープの羽根で屋敷の自分の部屋に移動して、ベッドのシーツを引っぱがした。

「ミウ! シーツ持っていくぞ」

 大声で叫んで一応知らせてから、またワープの羽根でデルフィナがいるところに戻った。

 この間、およそ十秒。

 戻ったときデルフィナがきょろきょろしてた。

「今のは――」

「それよりこれ」

 シーツをデルフィナに掛けた。

 包んだシーツをきゅって掴んで、でも背筋はピンと。

 デルフィナは現われた時の表情で言った。

「礼を言います」

「あいや、破いたのおれの様なもんだし――」

「いえそっちではなく……助けられたのですね、わたくしは」

「え?」

「頭……あるいは胸でしょうか。あの黒くよどんだものがなくなっています」

 エレノアの事か。

「前後の状況から見れば、何が起こって何故ここに至ったのか推測はできます」

「ああ。ほとんど想像したままだと思う」

「命を救って下さったお礼は近いうちに」

「命って」

「魔剣エレノア、本物の様ですわね」

 おれの腰に下げられているエレノアを見て言った。

「らしいな」

(らしいってなんだらしいって)

 エレノアが脳内で抗議した。うるさいからとりあえず放置する。

「魔剣の使い手……前代未聞、空前絶後」

 絶後は分からないけどな。

「それが本物と言うことは、ヘレネー殿下がお話しした事は全て真実だということですわね」

「何を話したのか気になるな」

「単身で1000人の兵を蹴散らした、オリクトを魔法無しで足止め出来た」

「ああ、それか」

 後半のは怪しいけどな。息止めて全力で走る様なもんだから、長続きしない。

 でもまあ、一応真実ではある。

「それらもそれなりのことですが、魔剣エレノアを使役する事に比べれば霞んでみえますわ」

「すごいんだ、こいつ」

(そう思ったらもっと敬え)

 幼女の姿を知ってるから無理。あれかわいいもん。

「そうとなれば、私も考えを改めなければなりませんわ」

「うん?」

「ヘレネー殿下より、ユウキ様に便宜を図るよう言われております。わたくしが全面的にバックアップいたしますので、何かあればお申し付け下さい」

「それは助かる」

「それにさきほども申し上げましたが、連絡役を……窓口になる者をおいていきますので、おつかい下さい」

「わかった」

 なんかやたらと事務的な話ばかりしてる。

 まるで手元にカンペがあって、それを読みあげているだけって感じだ。

 身繕いしてる時の恥じらいとか色っぽさはない、かといって屋敷ではじめて見た時の自信たっぷりの雰囲気もない。

 ただただ、事務的な感じ。

 なんかつまらないから、崩そうと牽制球を投げてみた。

「お前と会うにはどうすればいい」

「わたしと?」

「ああ。商売以外の話も出来ればしたい」

「……ユウキ様で七人目でございます。わたくしのことを『欲しい』、もしくはそれに近い事をおっしゃったのは」

 ため息交じりに言われた。

 おれは『欲しい』なんて一言もいってないけど、まあそういうことだ。

 あった瞬間からデルフィナを欲しいって思ってた。

 今は初めての相手の彼女がますます欲しいって思ってる。

「それらの話を断るために、わたくしは自分に値段をつけました」

「値段?」

「その値段さえ出せば、だれであろうその者のものになると」

「欲しかったら買えってことか」

「はい」

「……その値段は?」

「わたくしの資産」

「え?」

「わたくしの資産をそっくりそのまま買い上げれば、その者のものになる、と」

「つまり……」

 M&Aみたいなものか? いや違うのか?

 でも何となく分かった、デルフィナを買うには、彼女以上の資産が必要だと言うことを。

 一国に匹敵するという、彼女を上回る資産を。

 それは……結構時間掛かるな。

 どうしたらいいんだ? ちまちまとおつかいをして小銭を稼いでたんじゃ間に合わないよな。

 なんか方法はないのか。

 おれは考え込んだ。

「わたくしは相談も承っております」

「うん?」

 いきなり何をいいだすんだ、と思って見ると、デルフィナは何故か真横をむいていた。

 エレノアの毒は抜いた後なのに、まるでさっきの発情したときみたいに、耳の付け根まで真っ赤になっていた。

「相談って、金稼ぎとかのか?」

「わ、わたくしを買うための相談や協力でも、申しつけて下されば承ります」

 そう言って、顔を更に赤くした。

 その反応は何となく知ってる。何か言ってから自分の「やらかし」にものすごく恥ずかしくなったときの反応だ。

 過去の黒歴史とか思い出した時によくそうなる。

 それをデルフィナがした。

 おれのものになりたいのに、自分のプライドが許さない。

 昔決めたことが邪魔してる、それを撤回することも許されない。

 意地っ張りだ、でもその意地っ張りが可愛かった。

「決めた」

「な、何を?」

「デルフィナはさっき言ったな? 連絡役を置いていくって」

「ええ」

「それ、要らない」

「えっ」

 言葉を失う、ショックを受ける。

 まるで捨てられた子犬のようだ。

「連絡役なんか要らない。デルフィナがおれの屋敷に住め。そしたらもっと密に連絡も相談もできるだろ」

 いうと、恥ずかしがったりショックを受けていたデルフィナが、一瞬で元に戻った。

 はじめて屋敷に来たときの、きりっとしたデルフィナに戻った。

「さすがにそれは出来ませんわ。わたくしがいないと――」

「商売が回らないのか」

「はい」

 冷静な顔でいう。でもすごく残念そうではある。

 冷静なところは冷静で、現実も見えてる。

 そんなところもいい。

 やっぱりいい女だ、綺麗で出来る女。

 ますます欲しくなった。

「だったら」

 デルフィナを連れて、ワープで屋敷に戻った。

「わっ」

 おれがワープしてるところは見てたはずだが、一緒にワープしたのは正気の時で今が初めてだ。

 デルフィナは大いに驚いた。

「ここは?」

「おれの屋敷、寝室だ」

「い、一瞬で移動したのですか?」

「ちなみにさっきの場所まで徒歩で一時間はかかる」

「そんなこと……魔法? いえそんな魔法は存在しないはず……」

「送迎してやる」

「え?」

「デルフィナが仕事しやすい場所まで毎日送迎してやる。それなら問題ないだろ、おれの屋敷に住んでも」

「それは……そうですが。ですが――」

「いいからいろ」

「はい!」

 強めに言ってやると、デルフィナは手拍子で返事した。

 返事してからまた「でも」って言い出しそうになったから、キスで口を塞いだ。

 たっぷり唇をすってから、解放する。

「いいな」

「しょ、しょうがないわね」

 弱めに押すと、今度はそんな風に言った。

 まだ意地を張るけど、こう言うのなら悪くない。

 むしろ可愛いくらいだ。思わず押し倒したくなるくらい。

 だから押し倒した。

「だ、だめ……まだ買ってない」

「じゃあお試しだ、それならいいだろ」

「しょ、しょうがないですわね」

 なんか意外とチョロかった。

 でもそれがかわいいから、おれは朝までデルフィナを可愛がった。

 こうして、屋敷に住人が増えた。

 デルフィナ・ホメーロス・ラマンリ。

 一国に匹敵する財産を持つ豪商がおれの女になった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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