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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

メリッサ編

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277.全力マグロ

 抱き留めたシビルをゆっくりと地面に下ろして寝かしつけた。
 シビルの寝顔は安らかなものだ、普通に寝てて、今にも起き出してきそうな感じだ。

 ケガも見当たらないし、これでもうーー。

「まずいな、これってもしかして……」

 安堵しかけたところに、信徒の一人がシビルの横にやってきた。
 寝ている彼女のそばでしゃがみ込んで、顔をのぞき込んだり、手を取って爪の間をまじまじと見つめる。

「どうしたんだクロウさん」
「これ、モズモンキーの毒だよ」

 クロウと呼ばれた男は症状見て状況を把握したのはいいが、把握した途端ものすごく焦った顔をした。

「モズモンキー?」
「モンスターの一種だ。エサを生け捕りにして、麻痺毒を体を注入して、エサとして活かしたまま新鮮に保存する習性をもったモンスターだ。毒を注入された生き物は動物の冬眠に似た状態にさせられてしまう」

 クロウは焦った顔のまま状況を飲み込めない信徒に説明をする。

「そのモンスターの毒にやられたってのか?」
「ああ」
「そうか。でも麻痺毒だろ? しかも活かしたままにする訳だから。助け出したらもう大丈夫なんじゃないのか」

 俺もそう思った。
 何でそんなに焦ってるんだクロウは。

「それはそうじゃないんだ。エサは長く保存しなきゃいけない。この毒は長く体内にとどまっていたら冬眠状態に固定されてしまう」
「固定?」

 信徒達がざわつきだした。

「そうなるともう目を覚まさない」
「まさか……彼女はもう……」

 クロウは重々しく頷いた。

「ああ、少し遅かったようだ」

 そんなことになるのか、モズモンキーの毒ってのは。

(おーちゃんもその通りっていってるよおとーさん)

 そうか。

『キャロライン』
「はい! 神様」

 キャロラインが応じた瞬間信徒達が更にざわつく。
 さっきまでの絶望と戸惑いがない交ぜになったのとは別種のざわつきだ。

『みんなに祈らせろ』
「わかった!」

 キャロラインは信徒達に祈るように伝えた。
 シビルの為に祈りを捧げる、そう言われた信徒達は一斉に手を合わせて祈りだした。
 キャロラインを中心に祈るソロン教の信徒達。
 俺は迷彩オーラを纏ったまま、異次元倉庫から魔法の玉(白)を取り出して、シビルに使う。

 くじ引きのチートアイテム、あらゆるケガを治してしまう魔法の玉。
 その癒やしの光がシビルを包みこみ、やがて。

「うう……ん?」

 彼女は呻き声を漏らしつつ、目を開けた。

 歓呼が上がる。
 神の子キャロラインに下した神託、おきた神の奇跡。

 信徒達は歓声を上げて、ますますキャロラインへの尊敬が高まっていった。

     ☆

 魔法の玉で毒を消したが、シビルは捕らえられている間衰弱したため、体力が回復するまでソロン教の連中に預けた。
 キャロラインに今日はもう来ない、しっかり寝ろといいつけてから、ワープの羽根で屋敷に戻った。

 屋敷の中、俺の寝室。
 到着するなり、ひかりが魔剣から人の姿に戻った。
 オリビアも具現化され、チビドラゴンの姿でひかりに抱っこされていた。

 そんなひかりの頭を撫でてやる。

「よくやったぞひかり、オリビアもだ」
「えへへ……」
「みゅー、みゅー」

 チビドラゴンは可愛らしい鳴き声を上げて、尻尾をバタバタ振って俺を見あげてくる。

「おとーさん、おーちゃんも撫でてあげて」
「オリビアはいい」
「えええ!? どうして」
「オリビアはよくやってくれたから、もっと大きいご褒美だ。ひかり、オリビアを人の姿に戻してくれ」
「ーーそっか! うんわかった!」

 ひかりは納得した様子でオリビアを地面におろしてから、むむむむ、と力を込める可愛らしいポーズをした。
 直後、チビドラゴンの体が光に包まれ、竜人の姿になった。

「できたー」
「お疲れひかり。これからオリビアにご褒美をするから、ひかりはどこかで遊んでこい」
「うん! じゃーねおーちゃん。がんばって」
「うん」

 無邪気にオリビアを励ました後、ひかりはトタタタと寝室の外にでた。
 残されたオリビア、彼女ははにかんで俺を上目遣いで見つめてくるが。

「……」

 自分から何かを言い出す事はなかった。

 竜王オリビア、高い知性を持つかつてのドラゴンの王。
 ドラゴンの姿の時は威厳と存在感が群を抜いているが。
 こうして、俺の女(、、、)としている時はまるで犬のようになってしまう。

 忠犬オリビア。ドラゴンなのに小型犬のような愛らしさがある。

 そんなオリビアがますます愛おしくなって、さてどう可愛がろうかと考える。

 コンコン。

 ドアがノックされた。

「入れ」
「失礼します、あっ……」

 入って来たのはメイド姿のコーラリアだった。
 リカが預けていったメイド、まだ俺の屋敷でミウから色々学んでる最中だ。

 彼女は部屋に入ってくるなりフリーズした。

「どうした」
「……」
「おーい、どうしたコーラリア」
「ーーはっ、し、失礼しました。ミウさんからベッドの準備をしてきてといわれました」
「さすがミウ、気づいたか。それはいいんだけど、何で今オリビアをじっと見つめてたんだ」
「それは……その……」
「うん?」
「私の子どもの頃育った村は竜神様を信仰していた村なので、本物の竜神様にお目にかかれてつい緊張を……」
「竜神様?」

 クビを傾げつつオリビアをみる。

「あたしをそういう風に崇めるところもあるんだ。……人の子よ」
「は、はひ!」

 オリビアに話しかけられたコーラリアはびくっとした。
 今のは分かる、オリビアの空気が変わったのだ。
 尻尾をふりまくる忠犬オリビアから、厳かな空気を纏う竜王オリビアに。

「人の子の事はずっと見ていた。この形で出会えたのも何かの縁、一つ助言をしてやろう」
「なななななんでしょうか」
「獣人の少女から学べる事はもう学びきった様に見える、そろそろ学んだ先の事を考えるがいい」
「ま、学んだ先? それってどういう事ですか?」
「お前をここに送り込んだ二人の人の子が望む事だ」
「あっ……」

 コーラリアは俺をちらっとみて、真っ赤になって顔を背けてしまった。

「よいな」
「はい!」

 コーラリアはオリビアにはっきりと頷いた後、慣れた手つきでベッドメイクをしてから寝室をでていった。
 残された俺たち。二人っきりになると、オリビアはまた忠犬モードに戻った。
 さっきまでの厳かな空気は何処へやら、尻尾をバタバタ振って、きらきらした眼で俺を見つめてくる。

 ものすごいギャップで……ますます可愛いと思った。

「オリビア」
「うん!」

 彼女を抱き寄せて、まずはキスをする。
 強く吸い上げるキスをしてから、トロンとした目をする彼女に向けて。

「お前は何もするな」
「な、何も……?」
「ああ、何もするな。力を大分使ったし、まだそう長くは人化保てないんだろ」
「それは……」
「だから何もするな、人の姿を維持する事だけを考えろ」
「維持……する」
「維持した時間分可愛がってやる」
「ーーうん!」

 俺の命令に一瞬戸惑って訝しんだオリビアだったが、意図を理解するやまたキラキラ目に戻った。
 そして、彼女は完全に脱力した。
 最も楽な体勢で、もっとも力の消費を抑えられる、完全に脱力した形に。

 そんな彼女を抱き上げてベッドにつれていき。
 一晩中、抱いてかわいがってやった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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