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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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26.おれがやる

「殿下からお話は伺いました。取引相手をご所望との事で」

「ああ」

「でしたら、まずはこれを」

 デルフィナは指を鳴らした。部屋の外から男が二人(多分彼女の部下)が入ってきて、長方形の箱をテーブルの上に置いて、外にでた。

「これは?」

「銀貨2500枚。先払いですわ」

「先払い」

「当座の資金としておつかいくださいませ」

「ものは後で納品すればいいのか」

「ええ。当方はなんでも取り扱いますので、なんでもお持ちください」

「そうか」

 2500枚か、5割引きがいい方に作用したらいいけど、そうじゃなかったらくじ引き券8枚分だな。

 3000枚の方がよかったけど、まあそれはこっちの勝手な事情だ。

「ありがたく使わせてもらうよ。ものはどうやって納品したら?」

「明日、改めて人をここにやります。そのものを窓口にしてくださいませ」

「わかった」

 とりあえず明日はオリクダイトをとれるだけとってきて、どこまで買い取ってくれるのか試そう。

「ところで」

 デルフィナが話を変えた。

「そちらが例のエレノアなのですね」

「うん? ああ、これもヘレネーから聞いたのか」

「よく出来てらっしゃいますわね」

 眉がびくっと跳ねた。

「どういう意味だ?」

「言葉通りの意味ですわ」

「偽物だっていいたいのか?」

「あなた、今もってらっしゃるじゃありませんか」

「?」

「エレノアに心を支配されない人間はいない。歴史上ただの一人もいなかった。覇王ロドトスも竜人オルガも例外ではなかった。ならば、実際に持っていて平然としていることが偽物の何よりの証拠」

 なるほどな。

 今までも何回か似たような事を聞かされたけど、それくらい前代未聞ってことか。

 まあ、それはしょうがない。

「ヘレネー殿下もまだまだお若いですから、致し方のないこと」

 カチーンときた。

 前代未聞だから疑われるのは仕方ないけど、今のはカチーンときた。

 それはつまり、ヘレネーが若くて世間知らずだから、騙されてるって意味か?

 ヘレネーがおれを信頼してるのは世間知らずだからって事か。

 カチーンときた。

 ちょっと……お仕置きしよう。

 エレノアを差し出した。

「持ってみるか?」

「あら、いいんですの?」

 挑戦的な目だ、持ったらバレるぞ、って言う目。

「ああ」

 デルフィナはエレノアを持って、まじまじと観察した。

「間近でみると本当よくできていらっしゃいますわ、細部の出来など――」

 瞬間、デルフィナの目が見開く。

 全身がびくん、ってけいれんした後、黒いオーラが体から漏れ出した。

 マリの時と似たような状況。

「結構早いな、乗っ取るまでに」

 おれは冷静だった。自分からやらせた分、お仕置きだっていう分冷静だった。

 そこまでは予想ないだけど、予想外の事もおきた。

 デルフィナがエレノアを振った。するとタニアが現われた。

 エレノアに召喚されたタニアはメイド服のままだけど、おどろおどろしい怨霊化している。

 最初にこの屋敷で見たときと一緒だ。

「そっか、タニアもそうなるのか。後であやまろう」

 完璧にまきぞえだからな。

「うあああああああ!」

 デルフィナが叫び声を上げた。獣の様な叫び声だ。

 血走った目は獣のようだ。

「どうだ? 本物だとわかったか」

 聞くが、返事はない。

 低いうめき声を喉の奥からならしているだけだ。

「マリの時よりも取り込まれているのか?」

 あの時の事を思い出す、マリはエレノアに取り込まれても助けを求めてたな。

 むしろ体は乗っ取られてたけど、意識ははっきりしてた。

 その差はなんだろ、後でエレノアに聞いてみよう。

 そんな事を考えてるうちにデルフィナがエレノアで斬りつけてきた。

 同時に、タニアも氷の魔法を放ってきた。

 前衛後衛のコンビは予想してなかった。斬撃は避けたけど、氷の矢が部屋を破壊する。

「だ、大丈夫ですかご主人様!」

 部屋の外からミウの心配そうな声が聞こえてくる。

「大丈夫だ、ちょっと出かけてくるから、部屋掃除してて」

「えっ? はい」

 ミウに言いつけた、あとデルフィナの懐に飛び込んで、軽く触れてからワープの羽を使う。

 山ウシの草原に飛んだ。

 夜の草原はだだっ広いだけで、他は何もない。

「ここなら被害の心配もないな」

 完全に取り込まれてるのか、ワープしたのに、デルフィナはまったくビックリした様子はない。それどころかまったく同じ感じで斬りかかってきた。

 三分後、デルフィナは地面に倒れて気を失っていた。

 服はぼろぼろで、暴行後に見えかねない有様だ。

 あくまでそう見えるだけで、何もしてないぞ。

 素手と魔法で戦って、それでぼろぼろにしただけだ。

「まあ、これで懲りただろ」

(ひどい男だな貴様、我を便利扱いするとは)

「気を悪くしたか?」

(いいや、楽しかったぞ。そのうちまた誰かを乗っ取らせてくれ)

「考えとく」

 やるとは言ってないが。

「タニアも大丈夫だったか?」

 空中に浮かぶメイド幽霊に聞く。

「なんか疲れました……休んでもいいですか?」

「ああ、悪かったな巻き添えにして」

「ううん、じゃーね」

 こっちは眠そうな声でいって、そのまま消えた。

 おれはデルフィナの横にしゃがみ込んで、ペチペチ頬を叩く。

「おーい、大丈夫かー。おーい」

 ペチペチ。

「結構手加減したはずだぞー。おーいおきろー」

 ペチペチペチ。

「おきないと悪戯するぞー」

「う……ん?」

 目が覚めた。

 ボウとした目でゆっくりまわりを見回して、おれを見て、自分をみた。

 一瞬で目が覚めた。

 ぼろぼろになって、大分エロくなった服を寄せて肌を隠して、地面の上をズザザザと後ずさった。

 顔が恥ずかしさで真っ赤になってる。

 ……ムラムラする。

「な、何をなさったの」

「覚えてないのか?」

「覚えて? ……屋敷の中でお話しして、エレノアを――あっ」

 どうやら思い出したみたいだな。

「そう、エレノアをおれが持たせた。そこから先の記憶がないのか? まあたいした事じゃない、エレノアに取り込まれたからボコって取り戻しただけだ」

「だからこんな格好なのですね……」

「そういうことだ」

「……その剣、本当に魔剣エレノア?」

「もう一回持ってみるか?」

 エレノアを差し出す、デルフィナはぷるぷる首を振った。

「もう、ごめんですわ。頭に残ってるこの黒いわだかまり……二度とごめんですわ」

「黒い、か」

 エレノアのなんかが残ってるんだろうな。

「こんなもの……こんな」

 ぶつぶついうデルフィナ。

 予想以上の結果におれは満足した。

 さて、エレノアが本物だってデルフィナにも思い知らせたし、屋敷にもどろうか。

 と思ってデルフィナを見ると、様子がおかしかった。

 自分で寄せた服の裾を掴んで、何かガマンしてるように下唇を噛んでる。

 顔はますます赤くなって――よく見ればなんかもじもじしてる。

「デルフィナ?」

「――え?」

 反応が鈍い。

 どうしたんだろう。

(この女はそっちか)

「そっちって?」

(我の力を振るったものは何種類かの副作用がでる。どれが出るのかは人次第だがな)

「魔剣を使った代償ってやつか」

(我が使ってやってるのだがな)

 頭の中でクスクス笑いが聞こえた。

「で、デルフィナの副作用は?」

(発情)

「は?」

(発情)

「発情ってあの発情か?」

(他にどの発情がある。はっきりと数えたわけじゃないが、女の半数近くはこうなるな)

「発情……」

 おれはデルフィナをみた。

 そう言われると、もうそうにしか見えなかった。

 顔が上気して、息が荒い。

 目がとろーんとしてて、そのくせなんか苦しそうだ。

 確かに、発情って言われるとその通りに見える。

(早く男をあてがってやった方がいいぞ。これを放置したら一晩で全身の血管が破裂して死ぬ)

「なっ」

 おれはデルフィナを見た。

 この女が、死ぬ?

 それはいやだ。お仕置きはしても、殺すつもりはない。

 むしろ、最初から「いい」って思って、ほしいって思ったくらいだ。

「男はだれでもいいのか?」

(ちゃんと最後まですればな)

「わかった」

 おれはデルフィナに近づき、彼女を押し倒した。

 おれは大人になった。

 ビックリする事に、デルフィナはまだ子供で――一緒に大人になった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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