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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

ミウ編

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247.師匠と呼ばせて下さい(sideハーレム)

 カケルの屋敷に二人の美姫が訪れた。

 メルクーリ王国第三王女、ヘレネー・テレシア・メルクーリ。
 同じく第四王女、イリス・テレシア・メルクーリ。

 実の姉妹であり、それぞれ軍事、内政の重鎮であることから、国民のみならず、諸外国からも「テレシアの双花」と知られている二人の王女だ。

 二人は同時に、カケルの女でもある。
 その二人が同時にカケルの屋敷を訪れて。

「いらっしゃいませ、ヘレネー様、イリス様」
「い、いらっしゃいませ」

 玄関の外、馬車から降りてきた二人。
 二人ともドレス姿である。

 ヘレネーは普段のイメージそのままだが、イリスは鎧ではなくドレスをまとって、雰囲気が結構違っている。

 そんな二人を出迎えたのはミウ、そして研修という名目で屋敷に置かれているコーラリアだ。
 ミウは二人の事をよく知っているので恭しくも自然体で接していられたが、初めて直で二人の王女と対面したコーラリアはあきらかに緊張した。

「久しぶりだなミウ。今日もお世話になるぞ」
「それよりも、その子は誰? カケル様が迎えた新しい子?」

 ミウに親しくまるで友人のように話しかけるイリスとは違って、ヘレネーは同じメイド服を着ているコーラリアの方が気になったようだ。

「違います。彼女はリカ様とデルフィナ様が連れて来た人です」
「カランバ女王が?」
「そういえば……」

 ヘレネーはすぅ、と目を細めた。
 コーラリアを改めて見つめる、頭のてっぺんからつま先までつぶさに観察するかのように視線を流した。

「あなた、()名前は?」
「こ、コーラリアと申します」
「コーラリア・ラマンリ・カランバさん?」
「は、はい!」
「むぅ? 姉上、その名前はどういう事だ?」
「ちょっと小耳に挟んだの。リカさんがデルフィナさんの間である少女をレンタルしあっているって。それがあなたなのですね」
「は、はい」

 コーラリアは肩を小さくして、いかにも恐縮してますって表情をした。

「だからどういう事なのだ姉上」
「リカさんとデルフィナさんが同時に彼女の事を気に入って、自分の物にしようとした。本来なら取り合いになるところだけど……リカさんが彼女をほしがる理由、わかるわよね」

 ヘレネーが聞くと、イリスは大きく頷いた。

「もちろんだ、か――」
「その先はいいわ」

 ヘレネーはすぅと指を出してイリスの唇を押さえた。
 穏やかながらもイタズラっぽい笑みはそれだけで男の理性をすっ飛ばすほど魅力的だ。

「デルフィナさんももちろんそれを分かった」
「そうだな」
「だから自分のところにいてもリカさんの所にいても同じだと手を引いた」
「うむ。私も姉上と同じ女の子に目をつけたらそうする」
「そんなイリスなら、彼女が同時にラマンリとカランバの二つの名前を持つようになった理由が分かるわね」
「……そうか! 私たち二人と似ている子にするために」
「そういうことね。というのが私が聞いた話なのだけれど」

 ヘレネーはそう言って、コーラリアを見て答え合わせを求めた。

「は、はい。その通りです」
「おお、なるほど」
「でしたらそこまでかしこまられる必要はないわ」
「で、ですが……」
「姉上の言うとおりだ。この屋敷にいる私たちはカランバ女王とデルフィナと同じだ立場だ。お前も二人に敬意は払うがかしこまりはしまい?」

 イリスに言われてコーラリアは一瞬目を大きく見開かせるが、やがて落ち着いて、おずおずと頷いた。

「はい、そうします」
「うむ」
「よろしくね」

「では、お二人とも中へどうぞ」
「うむ……おっと」

 歩き出す瞬間、イリスがちょっとつまずいた。

「大丈夫ですか?」
「心配ない、ちょっとけつまずいただけだ。こういうドレスが未だに慣れないんだ」

 苦笑いするイリスとヘレネーを、ミウとコーラリアは屋敷の中に案内したのだった。

     ☆

 屋敷の中の一室、ヘレネーとイリスは椅子に座って、ミウがそのまわりをバタバタ動き回っていた。
 王女二人は湯上がりで、髪を下ろして薄いシルクのローブをまとっているだけの状態。

 ほんのりと桜色の肌はそれだけで大半の男が鼻血を噴射して倒れるくらい美しく、そしてなまめかしかった。

 そんな二人をミウが身支度をしている。
 ヘレネーとイリスが来たのは完全にプライベート。
 カケルに抱かれにきたのだ。
 今はその準備をしている。

 準備に動いてるのはミウ。
 ミウと、彼女が操っている自分そっくりの人形だ。
 それで同時にヘレネーとイリスの身支度をしている。

「なるほど、カケルからもらった能力か」
「すごいわね。まるで双子が同時に動いているようにしか見えないわ」
「ご主人様からいただいた能力のおかげです」

 ヘレネーの褒め言葉に謙遜するミウ。
 彼女はますます熱心に二人の支度をした。
 綺麗な二人が更に綺麗に見える様、一心不乱に化粧を施していく。

「イリス、分かるわね」

 ヘレネーはそんなミウを眺めながら、意味ありげにイリスに聞く。

「何がだ姉上」
「カケル様から何か(、、)をいただいた者は他には?」
「カケルから? ……ナナか」
「そうよ。私が知ってる限りミウが二人目」
「姉上が彼女を見習うべきだと話したのがよく分かったよ。カケルがここまで認めているとはな」

 ひそひそと話しあう二人。声を抑えている事もあり、ミウが動き回っている事もあって本人の耳には届かなかった。

 そうして二人の支度がすんで、ミウは人形の自分で二人を待っているカケルのもとに案内した。

 部屋の中にオリジナルのミウと、ずっと見ていたコーラリアの二人が残った。

「ふう。さてさて、次のお仕事は――」
「ねえミウ」

 まるでマグロのようにすぐに次へと動き出すミウを呼び止めるコーラリア。

「どうしたんですか」
「今見てたんだけど、二人の化粧が逆じゃない?」
「逆?」
「うん、イリス様の方がなんというか大人しくて、ヘレネー様の方がこう、勇ましい? って感じ。二人のイメージだと逆だよね」
「そうだけど、今日はイリス様がお疲れみたいだったから」
「お疲れ? あっ……さっきけつまずいてた……」

 思い出すコーラリア、頷くミウ。

「多分ちょっとお疲れだから、お化粧を替えてみた。ちょっとだけだけど、カケル様がイリス様に優しくして、その、荒々しいのはヘレネー様にする様にお化粧を替えてみた」
「……」
「コーラリア?」

 ぽかーんと口を開け放つコーラリアをのぞき込むミウ。

「どうしたんですか」
「ミウ……ううん、師匠!」
「えっ?」
「師匠って呼ばせて!」
「ど、どうしたのコーラリア。その話はもう終わったはずじゃないんですか?」
「ううん、私は今ようやく分かったの、リカ様とデルフィナ様が私をここに連れてきた理由が」

 コーラリアはまっすぐと、今までで一番熱い目でミウを見た。

「師匠って呼ばせて下さい!」

 ミウは困り果てた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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