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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

ミウ編

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246.私、高くなります

 日が高くなっても、俺は寝室の中、ベッドの上にいた。
 俺は仰向けになって寝ていて、ミウは俺の上にうつ伏せになっている。

 ミウ。

 本人でさえ気づいていない願望をもっていたメイド。
 くじ引きの「人形使い」スキルをしゃかりきになって使いこなそうとするのは、俺のメイドというポジション独占したいという願望。
 そんな願望を持ち、一生懸命人形使いを使いこなそうとするミウがいじらしくて可愛かった。

 だからベッドに連れ込んで抱いて可愛がった、間にもふもふを挟んで、更に抱いて可愛がって。
 それを一晩中繰り返したら、ミウはヘトヘトになって俺の上に寝そべるようになった。

 そんな姿も可愛くて、俺は優しく彼女をなでつつもふった。

 ミウがこんな時間まで俺に寄り添ってるのは初めての事だ。
 俺のハーレムの一人として何回も抱かれてきたが、いつもミウは夜明け前には起き出して、メイドの格好に戻って仕事をし出す。
 まるで何事もなかったかのように。

 でも今日は動かない。俺に寄り添ったまま動かない。

 コンコン。部屋のドアがノックされた。

「誰だ」
「ミウです」

 俺の上に寝そべっているミウじゃなくて、部屋の外からミウの声がした。
 入れ、っていうと、メイド服を着たミウが部屋に入って来た。

 まるっきりミウそのものだ。
 顔も体も着ているメイド服も、ミウと生き写し、ドッペルゲンガーか双子かってくらいそっくりだ。

 唯一尻尾の毛並みだけが見てて違うって分かる。

 本物のミウの尻尾は触れればふわふわと柔らかくて、クシを当てると何も引っかからないでストンと落ちるけど、今入って来たミウの尻尾はクシを引かないと通らない、引っかかる。

 本物のもふ度が100点満点だとしたら今はいって来たのはせいぜい95点だ。

(なんのソムリエなんだか)

 エレノアが呆れた様な声で言ってきたけど、無視して入って来たミウ、「人形使い」で操縦されてる人形のミウをみる。
 よく見れば人形はトレイと水差し、そしてコップをもっている。

「おはようございますご主人様。お水をお持ちしました」
「気が利くな」
「ご主人様が喉渇いてそうでした」

 確かに喉渇いてる。
 一晩中ぶっとおしだからな、そりゃ乾く。

 人形はコップに水を入れて、俺に差し出した。
 その間もミウは俺の上に寝そべったまま動かない。
 俺はコップを受け取って、水を一気飲みした。

「ありがとう、美味しかった」
「はい」

 人形のミウは嬉しそうに破顔する、俺の上にうつ伏せになってるミウも、口角が動いたのが当たってる胸板で感じる。


「よし、そろそろおきるか。ミウ、服を保ってこい」
「はい」

 人形ミウが動き出して、オリジナルミウも体を起こそうとする。
 人形はそのまま、ミウの肩をつかんで抱き留めた。

「ご主人様?」
「こっちは今日一日、もふもふ専用ミウだ」
「――はい!」

 顔だけ起こしたミウは、いつもよりも嬉しそうだった。

     ☆

 リビングでデルフィナと向き合う。
 今日はコーラリアを連れて来た訳じゃないから、応接間じゃなくてリビングにそのまま通された。

 俺はちゃんと服を着たオリジナルミウを膝の上に置いてモフモフを続け、テーブルを挟んでデルフィナと向き合っている。

 そしてもふもふ専用機(オリジナルミウ)の代わりに、人形ミウが俺とデルフィナにお茶を出すという、いつものミウの仕事をしている。
 それを見たデルフィナが感心するやら呆れるやらな顔をした。

「人形を手配したのはわたくしですが……これは予想以上ですわ」
「そうか?」
「こっちがわたくしの用意した人形ですわよね? 魔法――いえ、カケル様がオーラで変身させてるどなたかではなくて?」
「正真正銘の人形だ。証拠を見せてみろミウ。そうだな、どこか外せそうな部位あるか?」
「これでいいですか?」

 人形ミウはそういって頭を外した。
 まるでデュラハンかって感じで、頭を外して脇の下に抱えた。

「なるほど、確かに人形ですわ」
「もういいぞミウ」
「はい」
「それをこっちの本人が操縦していますのね」
「そういうことだ」
「人形を追加注文すると言うことは、複数操作できるということなの?」
「今は二体同時だが、本人は四体同時までやるって意気込んでるぞ。なあミウ」
「はい!」

 俺がモフモフしてる方のオリジナルミウが答えた。

「こんな人間として思えないような動きで操作出来るなんて、しかも複数。はあ、やはりあのとき無理にでもスカウトするべきでしたわ」
「ミウはやらんぞ」
「ご主人様……」

 ミウは嬉しそうにした。
 一方で、人形のミウはしずしずと一礼して、表情も普通のまま。
 あくまでメイド、って感じでリビングから出て行った。
 その表情と振る舞いを俺とデルフィナは同時に見ていた。使い分け(、、、、)られるミウにデルフィナはますます残念そうにため息をついた。

「無駄だとは思いますけど……銀貨五千枚でいかがでしょう」
「無駄だと思うことをあえて聞くのか」
「万が一って事もありますわ」
「ご、五千枚ですか?」
「それが今のお前の価値――というか査定額らしいな」
「えええええ? た、高すぎます」
「高いか?」
「可能性が少しでもあるのなら、ここから最終的に倍までは出しますわ」
「本当は一万枚らしいぞ。よかったなミウ」
「そんな、わ、私そんな価値ないです」
「ありますわ」

 デルフィナはきっぱりと言い切った。
 彼女もヘレネーもミウをかなり買ってる事をなんとなく思い出した。まあ、ミウのすごさをいちばん最初に気づいたのは俺だがな。

「私そんな価値ないですよ、ただのメイドですし」
「いいや、あるな。例えなくてもそれくらいまでなってくれないと困る」
「こ、困る?」

 ミウが驚いて俺を見あげる。

「ミウが目指してるそれ。俺のたった一人のメイド。俺のメイドを独占する様な子がそんなに安いのか?」
「あっ……はい……」

 最初は戸惑い、しかし徐々に俺の言葉を受け入れ、次第に顔が決意に満ちる。

「私、高くなります」

 無邪気な決意を述べるミウ、俺とデルフィナが互いを見て微かに苦笑する。
 もう既に高い、ってのはミウにはあまり伝わってないみたいだ。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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