挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

ミウ編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

244/288

243.メイド研修

 ミウはいつも通りの可愛らしい顔で俺を見あげながら言ってきた。

「お客様がいらっしゃいました」
「客? どっちの部屋だ?」

 そう聞くのは、屋敷には二つの応接間があって、客の性質次第でどっちかに通される。
 基準は簡単、俺にとっての敵か否かで、決めるのはミウの独断だ。
 実際そうなのかってちゃんと聞いて確認した事はないが間違いなくそうなっている。

 だからどっちの部屋なのかって聞いたが、ミウの答えはもっとストレートなものだった。

「デルフィナ様です」
「そうか」

 デルフィナなら味方の部屋に通しただろうと、俺は朝礼台から跳び降りて屋敷に向かう。
 訓練はナナに任せた。何か言わなくてもナナなら上手くやってくれるはずだ。

 屋敷の中に戻って、敵じゃない相手を通す応接間にやってきた。
 中にデルフィナ――ともう一人の若い女がいた。
 デルフィナはソファーに背をもたせかけて、女は彼女の背後で手を揃えて背筋をピンと伸ばしている。

 俺はデルフィナの前を通り、テーブルを挟む向かいに座った。

「どうだ、最近は儲かってるか?」
「おかげさまで。近いうちマロネイを特区にしていただけそうですわ」
「特区?」
「事実上の租借地です、国の中でもう一つ国を作りますわ。国と言うには小さめなのですけれど」
「ミニ国家か。モナコかバチカンを思い出すな」
「聞いた事ない地名ですが、おそらくカケル様が思っている通りですわ」

 デルフィナは艶然と、そして不敵に微笑んだ。
 出会った頃から相当だったけど、最近ますますすごくなっていくか。
 金の力で国を一つ作り出してしまいそうだ、挙兵して軍事力でやるよりすごい事だと思う。

「ますますすごくなるなお前」
「いいえ、まだまだですわ。もっともっと肥えませんと。もっともっと肥えて、カケル様がなりふり構わないでようやくわたくしごと買える、くらいになりませんと」
「欲張りだな」
「そういうのはお嫌いですか?」
「いいや大好きだ」

 俺とデルフィナの約束、彼女をまとめて買い上げる事。
 彼女はそのために自分の資産を増やしている。自分の価値をもっと高めて、ピークまで高まった状態で俺に買われることをのぞんでいる。

 俺のハーレムの中でもとりわけ奇妙な関係だが、俺もデルフィナもそれがいいとこの関係を続けている。

「ところで、さっきから気になってたけど。お前の後ろにいる女、どこかであったことはないか?」

 そう言ってその女に視線を向ける。
 やっぱりそうだ、見覚えがある。
 それをわざわざ聞くのは、デルフィナとは違う所で見かけた事がある気がするからだ。
 デルフィナの部下ならいくらでも見覚えがあるしあえて聞くまでもないが、そうじゃないから気になった。

「カランバ女王陛下のところではありませんか?」
「言われてみれば。確かにリカのところで見たぞ」
「自己紹介しなさい」

 デルフィナが言うと、女は一歩前に進みでて、緊張気味に腰を折った。

「は、はじめました。コーラリア・ラマンリ・カランバといいます」
「ラマンリ? それにカランバ?」

 眉をひそめて首を傾げた。
 ラマンリってのはデルフィナの名字、カランバは言うまでもなくカランバ王国でリカの名字だ。
 目の前の若い女はその二つの名字を同時に名乗った。

 どういう事なのか、とデルフィナをみる。

「わたくしと女王陛下の子ですわ」
「お前たちそういう関係だったのか」
「だったらどうしますの?」
「同じ日にまとめて可愛がる。仲が良い女同士の方が可愛がり甲斐がある」
「カケル様はブレませんわね」

 デルフィナは穏やかに微笑んでから、コーラリアの事を話してくれた。
 少し前に倒産した商人の屋敷にいた奴隷で、財産として処分される彼女をリカとデルフィナがほぼ同時に目をつけた。
 そこで奪い合いにならず、どうせなら二人が半分ずつ教育を――英才教育を施そうということになった。

「面白い事をしてるなお前たち」
「カケル様と一緒ですわ。あなたもセレーネ殿下を育てたではありませんか」
「なるほど」

 俺はじっとコーラリアをみた。
 デルフィナとリカが名字を与える程目を掛けて育てている、そしてデルフィナがセレーネを引き合いに出してきた。
 それはつまり、コーラリアも賢い……人間的に賢い女って判断したって事。

「お前はともかく、リカが絡んでるって事は……俺に仕上げをしろって連れてきたのか」

 リカは自分の後宮に美女を集めてハーレムを作っている。
 表向きは女王の後宮だが、リカが俺を喜ばせるために作ってるハーレムだ。

 正直ハーレムなんて自分で作れるし、気に入った美女は自分で口説くのだが、それをしてるときのリカは生き生きしてて綺麗だから好きにさせてる。

 その事もあって、コーラリアもそうなのか、と推測した。

「それはもう少し先ですわ。まだまだ発展途上ですの」
「じゃあ何のために連れてきたんだ?」
「しばらくの間、カケル様の屋敷で働かせていただけませんか?」
「ここで?」

 デルフィナが静かにうなずいた。

「出来ればカケル様のメイド……ミウの下で」
「つまり研修させろって事か」
「ええ、この先の事を考えたら本物のメイドの仕事を間近で見せてあげたいのですわ」
「やけにミウを買ってるんだな」
「カケル様はそうではありませんの?」
「いいや? ミウがすごいのは俺しか気づいてないって思ってた」
「本当にそう思いなのでしたらそれはカケル様の数少ないミスですわ。奴隷を二百人も追加しておいて屋敷のメイドをいつまで経ってもあの子一人だけ……そのくせ屋敷はなんら問題なく――十数人は必要な仕事量を完璧にこなしている。そこまで見せられれば誰だってその有能さに気づきますわ」
「なるほど、確かに俺のミスだ」

 デルフィナにそう言われたが、悪い気はしなかった。

「いかがですか」
「いいだろう。そのかわり条件がある」
「どうぞ」
()を預かるからには親から謝礼をもらうのが筋だろ?」

 おどけた調子で言うと、デルフィナも艶然と微笑んで返事をした。

リカ(、、)の準備が出来てます。わたくしを連れて飛んでいただければすぐにでも体でお支払いします」
「そうか」

 なんだかプロレスをやってるような気分になった。
 向こうは俺がこういうって予想してて、俺も向こうが準備してるって分かって要求した。
 予定調和、プロレスみたいなもんだ。

「ミウ」

 声を上げて呼ぶと、すぐにミウが応接間に入ってきた。

「リカとデルフィナの紹介でしばらくこの子をメイドとして預かる。ミウが仕事を教えてやれ」
「女王様とデルフィナ様……分かりました!」

 ミウは小さな握りこぶしを胸もとにつくって気合を入れた。

「それじゃあ俺はデルフィナとリカのところに行ってくる。後は任せた」
「はい、行ってらっしゃいませ」
「い、行ってらっしゃい」

 ミウとコーラリアに見送られて、俺はワープの羽根を使って、デルフィナと一緒にリカが待つ宮殿にとんだ。

     ☆

 カケルたちがいなくなった後の応接間、残されたコーラリアは唖然としていた。
 自分の大恩人なのももちろんあるが、それ以上にリカは一国の女王、デルフィナは財力が国に匹敵する大商人。
 その二人に体でお礼をさせるカケルという男。
 話は聞いていたが、予想以上にスケールの大きい男なのかも知れない、とコーラリアは思ったのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ