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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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232.英雄ロドトスとただのオルティア

 オルティアはマントを頭からすっぽりかぶった。
 顔を徹底的に隠し、露出している素肌はしわしわの手だけという姿になった。

「懐かしいな」
「なにが?」
「お前と出会った時がこの姿だったんだ」
「未来のわたしの事ね。なるほど、これでわたしは長生きをするって訳なのね」

 オルティアはエレノアに視線をむけた。「どう?」って聞いてるかのような言い方だ。

(男を喰らうといい、ロドトスに教えたそれは元々生命力を強めるための技なのだ)

 エレノアの言った言葉をそのままオルティアに伝える。

「なぜロドトスにそれを?」
(貴様ほどの女がそれを聞くか)
「あなたが実はいい人だと淡い期待を持っているのかもしれないわ」
(この時代のわれにそれを期待するか)
「それは今だったら期待してもいいということ?」
(いいや? ひかりがいるのでな、ますます魔剣として模範を示さねばならんよ)

 意味ありげな会話をするオルティアとエレノア。
 まあ、大して意味深でもないがな。
 エレノアがロドトスのより苦悩し絶望する姿が見たいから、ほんのわずかな光明としてその技を与えたというだけの話だろう。

 そしてひかりがいるから今はもっと悪辣だとエレノアはいうが、どう見てもひかりに甘々なんだよなこいつ。
 確実にこの時代のエレノアよりまるい、まるくなった。

 エレノアとオルティア、おれを介して二人がわかりつらいやりとりをしていると、負の力が接近してくるのを感じた。
 最初はふらふらとあっちにいったりこっちに行ったりしてたが、ある程度まで近づくと今度は一直線に向かってきた。

「こっちを見つけたか」
「ロドトス……」

 憐憫の声をもらすオルティア。

「お願い……かれを解放してあげて」
「任せろ……どうすればいい」

 頷きつつ、エレノアに聞く。

(われで斬れ、ロドトスに残された最後のわれの力を取り上げさえすればそれで終わる)
「わかった」

 エレノアを抜き放ち、構える。
 ロドトスが見えてきた。禍々しく、いかにも亡霊という感じ。

 森の中を進んで来るそいつが放つオーラで草木が一瞬で朽ちていく。
 かつての英雄は、不吉と災厄をまき散らすだけの存在に変わり果てていた。

「いくぞ」
(うむ)

 エレノアを構えて飛び出す。
 速度をあげて更に飛んでくるロドトスの右手にエレノアの幻影があった。

 交錯――一閃。

 幻影のエレノアごとロドトスを腰から両断した。

 ドックン!

 瞬間、力が流れ込んでくる。エレノアの力。
 両断したのをきっかけにロドトスの中に残っていたエレノアの力をまとめて取り込んで、エレノアが少し強くなった。

 そして確信する、今度こそ終わりだ。

 怨霊と化していたロドトスが落ち着いた、メイドタニアのようなただの幽霊になった。
 これが本来のロドトスなのか、そこに穏やかさがあった。

「すまないオルティア、最後まで迷惑をかけた」
「……望みは叶えられた?」
「二度とない、いい人生だった」
「そう、よかった」
「ありがとう……」

 ロドトスは今まで聞いた中でもっとも穏やかな声を残して、そのままきえていった。

「さよならロドトス。あなたは英雄……英雄ロドトスだった」

 消えて行くロドトスを見送るオルティア。

     ☆

 オルティアを迎えたことで、勢力としてのメルクーリは体裁がようやく整った。

 トロイゼを本拠にして軍を強化、内政をおこない、外交はカランバ、シラクーザ、アイギナ、コモトリアの五人と連携し、本格的に帝国に反旗を翻した。

 帝国は建国の英雄、皇帝ロドトスを失いガタガタになっていた。
 後継者の不在もあって、あっという間に分裂し、次々と五勢力に各個撃破され、呑み込まれていった。

 その間おれはオルティアに言われたまま駒となって前線で戦いつつ、その時を待っていた。

 帝国から姿を消した、あの魔王エレノアとの決戦の時を。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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