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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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22.入信

「くそ! こうなったらもっともっとくじ引き券を集めてくる!」

 男が悔しそうな顔をして、くじ引き所から飛び出した。

 もっともっとって……100枚よりもっと集めてくるって意味だよな。

 ……何をしたらそんなに集められるんだ? そもそも100枚はどうやって集めたんだ?

 やっぱり今度会ったときに聞いてみたい。

「こちらが四等賞、五割引きパスです」

 スタッフが出してきたのは金色のカードだった。

 そのままクレカのゴールドカードっぽいけど、質感が触ったこともないような不思議なものだった。

「これを買い物する時に相手に見せれば、なんでも5割引きになります。何回でも使えますが、一応受け取った人にしか使えないのでご注意を」

「羽とほとんど同じだな。わかった」

 5割カードをしまう。

 残りの10回をエレノアが引いたけど、全部魔法の玉だった。

     ☆

 5割引きで買い物が出来るようになったから、一つ試さないといけない事がある。

 どれくらいの買い物をしたらくじ引き券がもらえるって事だ。

 前は300枚ごとに1枚だった。

 5割引きで、150枚ごとに1枚になるのかどうかを検証したい。

 この前一気に使い切ってすっからかんになったしまったから、銀貨を300枚稼ぎたい。

 なんて300枚なのかというと、300枚でくじ引き券二枚でるかどうかの方が無駄にならずにすむから。ダメだったとき、150枚が丸ごと無駄になる。

 それを考えて、くじ引き所から戻ってきた屋敷から、山ウシの草原に移動しようとした。

「おはようございます!」

 声をかけられた。イオだ。

 イオは相変わらず魔法使いっぽい格好をして、おれの前に立った。

「おはよう」

「き、今日はどこかに行くんですか」

「ああ、これから山ウシ狩りにな……一緒にいくか?」

 イオとパーティーを組んでたことを思い出して、誘ってみた。

「はい!」

 ものすごい笑顔で頷かれた。そうか、そのために来たんだ。

「じゃあ行こう、こっちに寄って」

「え? はい……」

 イオ不思議そうな顔をしつつも、おれの近くに寄ってくる。

 ワープの羽を出して、山ウシの草原に移動した。

「……えええええ」

 盛大に驚かれた。予想通り。

「ここはどこですか? さっきまで街にいましたよね」

「ここは山ウシが出現する草原。魔法でここまでひとっ飛びしてきたんだ」

 アイテムだけど、魔法だって言っといた。

「ひとっ飛び……そんな魔法、聞いたことないです」

「おれしか使えない魔法だ」

「すごい……そんな魔法が使えるなんて」

「行った事のある場所にしか飛べないけどな」

「それでもすごいです!」

 感激するイオと一緒に山ウシを探した。

 そういえばパーティーを組むってどうすればいいんだろ。

「イオはどういう事ができるんだ?」

「攻撃魔法が使えます。得意は雷の魔法です。発動まで時間掛かるので、迷惑をかけてしまうかもしれないですけど」

「ああ、前衛が耐える時間が長くなるんだな? その分威力が高いとか?」

「威力は並みくらいですけど、雷なので、防御を無視して攻撃できます」

「電気だもんな」

 なりほどと思った。雷の魔法か、おれにも使える様に、今度おれに向けてうってもらおう。

 この世界じゃ魔法を喰らって生き残れば使える様になる可能性があるんだよな。

 あれこれ話してるうちに山ウシを見つけた。

「よし、まずは100枚」

 おれはエレノアを抜く……が、山ウシの様子が変だった。

 おれを見るなり後ずさって、そのままくるりと反転して、逃げ出してしまった。

「……え?」

 キョトンとした。逃げ出した?
 すぐに気を取り直して、ワープの羽で先回りして、山ウシを仕留める。

「なんだったんだ? 今の……」

 倒れてる山ウシを見てつぶやく。

 今までの経験から、こいつらは逃げる事を知らない種族だと思ってた。

 凶暴で向こう見ずで、山ウシだけど、性格は猪突猛進そのものだ。

 だから逃げたことは驚いた。

 そうしてるうちに、イオが追いついてくる。

「すごい……山ウシが人から逃げるなんてはじめてみました」

「おれもビックリしてる。さて、こいつを換金しに行くか」

 ワープの羽を使って、山ウシとイオと一緒にアンドレウ商会に移動した。

 ますますおれに腰が低くなるアンドレウに山ウシを渡して、代金が入った袋をもらう。

 表に出て、イオと合流。

「カケル様」

 さあ次行こうか、って考えた時に声をかけられた。

 振り向く、そこにヘレネーがいた。

 ヘレネーはプリンセスドレスじゃなくて、動きやすい軽装で、長い髪をポニーテールにしてる。

 正直雰囲気がまったく違う。ちょっとした変装だ。

「ヘレネーか。どうしたんだその格好は」

「カケル様に会いたくて、ちょっと抜け出してきちゃいました」

「そっか。……うん」

 ヘレネーをまじまじと見つめた。

 姫様の格好も綺麗で良いけど、今の姿もすごくいい。

 お淑やかさの上に活発さが加わってより綺麗に見える。

 ……正直、ちょっと見とれた。

「へ、へんでしょうか。初めてする格好なので、よく分からなくて……」

 うつむきかけたヘレネーの手を引いて、そっと抱き寄せた。

「変じゃない、いい感じだ」

「ありがとうございます」

 おれの腕の中ではにかむヘレネー。また見とれそうになる。

「もうちょっと狩りに行くんだけど、ヘレネーもくるか」

「ご一緒します」

 ヘレネーは即答した。

 イオの方を向くと、彼女は絶句していた。

「イオ? どうしたんだ?」

「か、カケルさん。その人はもしかして……ヘレネー様じゃないんですか?」

「ああ」

「もしかしてヘレネー様とそういう……」

「まあそういうことだ」

 答えると、イオはますます驚いた。

 ヘレネーはますますはにかんだ。

「お姫様と……カケルさんってすごい……」

「はい、カケル様はすごい方です。何しろ魔剣エレノアを持ちながら、それに心を飲み込まれず、使いこなしているのですから。わたしが知っている限り、歴史上ただ一人です」

「えっ? エレノア?」

 イオがビックリする。

「うん、こいつ」

 おれはエレノアを抜いた。

(こいつと言うな)

 エレノアが抗議するけど、軽く無視した。

「ええええええ」

 イオが大声を上げて盛大にビックリする。

 まわりの注目を集めて、慌てて口を塞ぐ。

「そ、その剣ってあのエレノアだったんですか!?」

「ああ、そうだ」

 ……こいつそんなにすごい剣だったのか。

「エレノア。歴史上何度も姿を現わし、死霊の軍団を率いていくつもの帝国を滅ぼしてきた伝説の魔剣。手にしたものは力を得る代わりに例外なく心を破壊され尽くすっていう」

「もう軍団じゃないけど、幽霊なら」

 エレノアを通してタニアを召喚した。

「こんにちは、タニア・チチアキスだよ」

 すけすけのメイド幽霊が二人の前にちょこんと顔を出す。

 人前だからすぐに引っ込ませる。

「すごく強くて……お姫様とそう言う関係で……魔剣に乗っ取られず普通につかって……すごいです! カケルさんすごくすごいです!」

 イオはその言葉を連呼した。すごくすごいとか、ちょっと言葉が破綻しかけてきてる気がする。

(入信しそうな勢いだな)

 エレノアが頭の中でクスクス笑う。

 なんか本当にそうなりそうな勢いだな。

 悪い気はしないけど。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
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