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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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227.空襲

 メルクーリの里から最も近い、トロイゼという街には1500人の帝国兵が駐屯している。

 おれはひかりとおれの女達、そしてレクスとソーラを連れてそこにやってきた。
 とは言っても街には入らない、街の全体が見渡せる程の遠い距離でひとまず足を止めた。

「ここなんだな?」
「うん、ひかりが蹴散らした人の子らを締め上げたらここから来たと白状した」

 オリビアがおれの質問に答えた。
 締め上げた、の内容がちょっとだけ気になった。

「行きがけの駄賃だ、ここを落として最初の拠点にしよう」
「カケルさんから行く? それともわたしが最初に百雷陣で外壁を壊す?」

 イオが提案する。
 シラクーザとかコモトリアとかの戦いを共にしたイオは何回か同じ戦術を使ってる。
 突撃する兵の援護や敵兵の戦法を崩すために大魔法を放ってる。
 それは効果的だったので、同じようなこの場面でイオはそれをまた提案してきた。

「いや、今度は別の手で行こう。タニア、それとこっちのタニアも」

 イオの一歩後ろに控えているこの時代のタニア、そしてエレノアの中にいる元の時代のタニアを呼び出した。
 そして、イオ。
 この三人に言った。

「魔法で倒せるだけ倒してもらう」
「が、がんばります」
「まかせて」

 同じ顔をしたタニアの二人、反応も表情も正反対だ。
 一方でイオはわずかに首をかしげた。

「倒せるだけ倒すってことはカケルさんと一緒に行動すればいいの?」
「いや。オリビア」
「なに?」
「お前が切り札だ」

 言うと、オリビアは虚を突かれたかのように驚き、そして顔を赤く染め上げたのだった。

     ☆

 ドラゴンの姿に戻ったオリビア、背中にイオと二人のタニアを乗せて飛びだって、トロイゼに向かって行った。
 それを見送るおれとひかり、そして――。

「あ、あれはなんなんだ?」

 後ろからレクスの震えた声が聞こえてきた。
 振り向くと青ざめた顔のレクスと、その背中にしがみついてるソーラの姿が見えた。
 レクスもだいぶ顔に怯えが出ているが、何とか踏みとどまってソーラをかばっている形だ。

「あれ?」
「い、今あの女の人がドラゴンになった、よな」
「オリビアの事だったのか。ああそうだ、オリビアの名前はしらんか?」
「オリビア……ドラゴン……。まさか竜王オリビア?」
「知ってたのか」
「おーちゃん有名人だね!」
(あっちこっちで竜王オリビアの討伐の兵を募っていたからな。知っていても不思議はなかろう)
「なるほど」

「何故竜王が……それにあんた一体何者なんだ……」
「それよりも決心はついたか?」
「え?」
「王になるかって話だ」
「本気、なのか?」

 怯えとは違う感情がレクスの顔に出た。
 その背中に隠れているソーラにしても同じだ。

 メルクーリの里にいた頃はおれの「王にでもならないか」って誘いに鼻白んでたけど、オリビアの姿を見て完全に反応が変わった。

「お前をからかっておれに何の得がある」
「それをいったらおれを王にする得はもっとないだろ」
「お前じゃない、メルクーリに王になってほしいんだ。お前たちがやらかして里を追放されるからちょうどよかっただけ」
「メルクーリに?」
「……カランバさんとシラクーザさんの仲間ですか?」

 背中に隠れていたソーラがおずおずと聞いてきた。

「里を訪ねたんだっけ?」

 こくり、と頷くソーラ。

「なら、おれがやろうとしてることも納得だよな」

 さらに頷くソーラ。
 レクスは今ひとつ分かってない顔だが、まあそれはいい。
 ソーラさえ分かっていればこの場は充分だ。

「さて……そろそろか」

 遠方を見あげる、三人を乗せたオリビアがトロイゼの上空に侵入しようとしていた。

「タニアに氷の魔力を貸し出し」
『タニア・チチアキスに氷の魔力をを貸し出します。残り59分59秒』

 くじ引きの能力、おれの777倍の能力を一時的に貸し出した。
 相手はこの時代のタニア、魔力が一番低い彼女。

 それが合図になる。
 オリビアがトロイゼの上空を旋回していたら、その背中から次々と魔法が地上に向かって打ち込まれた。
 雷と、大量の氷の魔法。
 人間の手が届かない、魔法も矢も届かない遥か上空から魔法が打ち込まれる。

「まずは、空襲」
(あれではひとたまりもないな)
「だろうな。この時代であの高さのオリビアに反撃出来るヤツは?」
(五指にも満たない)

 エレノアははっきりと答えた。
 この時代のエピソードにまつわる記憶はないけど、一般常識とかその辺は普通にある。

 そのエレノアが太鼓判を押す空襲が続く。
 氷の雨が降り、稲妻が降り注ぎ。

 トロイゼの街はこの距離からでも分かるくらい動揺し、あっちこっちから黒煙を噴き上げていた。

「すごいねおとーさん」
(まったくだ、よくもまあこんなことを考える)
「ひかりたちはあれできるか?」

 ドレイク兵100体、あれも一応竜族だったはずだ。

「うんとね、もうちょっと大人になったら」
「なら楽しみだ」

 そのうちひかりの空軍ができるのかと、おれは言葉通り楽しみになった。

「まっててねおとーさん!」
「ああ、その前に今はあの街を占拠だ。ひかり」
「うん!」

 大きく頷くひかり、魔剣の姿になって、さらに人間の姿に化けたドレイク兵を100体フルで召喚した。

「な、どこから出てきた」
「女の子が剣になった……」

 驚くレクスとソーラ。新鮮な反応だ。

「そこで待っていろ、終わったら迎えに来させる」

 それまでに答えを出しとけ、と言い残して。
 空襲の後の掃討のために、おれはドレイク兵を率いてトロイゼに向かった。

 鎧袖一触。
 空襲と地上部隊のコンボの前に、トロイゼはあっさりとおちたのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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