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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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218.イオの過去(中)~守られる女の子

「ライトニング!」

 イオ・アコスはよどみのない詠唱と魔法発動で、目の前のモンスターにに雷を落とした。
 女性の顔と体をして、腕が羽に、足が鳥類特有のそれになったハルピュイアというモンスター。
 空中に飛んでるハルピュイアは雷に打たれて、一瞬よろめいた。

 イオは既に次の魔法のために魔力を練っていた。
 後は詠唱するだけで打てる――。

「危ないから下がってて!」
「イオちゃんはそのままそこで」

 横から男女ペアの剣士が飛び出していった。
 二人は完璧なコンピネーションで、ハルピュイアの首を刎ね、体を縦に両断した。

 いつみても惚れ惚れする様なコンピネーション。
 イオはそんな二人に見とれていた。

     ☆

「モリスさんとネーイさんはコンビ組んで長いんですか?」

 モンスターを一体倒し、次の出現ポイントに向かって進む三人。
 依頼はハルピュイアを五体討伐、さっきの戦闘を見る限り楽な仕事で、それ故に三人は気楽に進んでいる。

 そんな中、イオが雑談代わりにはなった一言にモリスという男が答えた。

「そうだな、かれこれ二十年くらいか?」
「えええ? お、お二人は今いくつですか?」
「二人とも二十五だ」
「五歳からって事ですか?」
「こいつの与太話は信じなくていいよ。五歳のあれなんて『あの山越えて街にいくんだ!』っていって遭難しただけの話じゃないのさ」
「ちゃ、ちゃんと冒険だろあれも」
「はいはい、あたしを巻き込んでね」

 ネーイが肩をすくめて言うと、イオはちょっとクスッとした。
 その時の光景を想像したんだろう。
 五歳同士の子供たち、男の子が女の子を巻き込んだちょっとした冒険(遠出)
 その微笑ましい光景を想像して、イオはクスッとした。

 そして、自分の選択が間違ってない事を再確認した。

 名声急上昇中のモリスとネーイ。
 いずれはAランクになる事間違い無しともっぱら噂の二人にイオは押しかけて、仲間にしてくれと頼み込んだ。

 そうして今、一緒にモンスター討伐の依頼をこなしてる。

「もし生まれ変わる事ができるなら今度は生まれる日をずらしたいねえ」
「だったらおれはそれを追いかけてまた同じ日に生まれるだけだ」
「うわぁ、こいつストーカーだよ。生まれた瞬間からストーカーだよ」

 そうは言いながらも、笑顔で、悪い気がしない、って感じのネーイである。
 剣士として強い二人、コンピネーションが合ってて、手を取り合って果敢にモンスターに挑む二人。

 イオは憧れの目で二人を見つめた。
 彼女は物語に出てくるような英雄や勇者に憧れている。
 それもただ憧れるだけではない、英雄とともに戦う事を夢見ている。

 共に戦って冒険をしたい。
 それがイオの夢だ。

 そのために努力した。
 魔法に才能があると知ってからは、英雄パーティーにいつか参加出来るように鍛錬を重ねてきた。

 そうして今、ベテランの剣士たちと共にたびをしている。

「いたぞ、そこだ」

 空気が変わった。
 さっきまで談笑していたモリスとネーイの表情が一転真剣なものになる。

「大物だねえ」
「行くぞ」
「はい!」
「イオちゃんはそこでみてて、こいつは危ないから」
「……え?」

 意気込むイオ、しかし肩すかし。
 戸惑っている間にモリスとネーイが飛び出した。
 モンスターはさっきのと同じハルピュイア。しかしネーイが言うよりに体が一回り大きく、スピードもパワーもかなり上がっている。

 それと互角に渡り合う二人。

 何とかして援護しなきゃ。
 イオは魔力を練り、モンスターの動きをじっと見つめた。
 早い! しかし何とか当てられそう。

 動きを見て、なんとなくその先を予測して。

(これなら当てられる――)

 そう思って魔法の杖を掲げたその時。
 つばぜり合いに負けて、モリスがイオのそばに吹っ飛ばされてきた。

「モリスさん!」
「大丈夫だ! ――イオちゃんはじっとしてて。危ないから」

 モリスはそう言って、再び飛び込んでいった。
 魔法をうちかけたイオ、一瞬の戸惑いで練り上げた魔力が霧消した。

 二度も止められた、二度も。
 危ないからと止められた。

 イオは迷ったあげく、杖を下ろした。
 胸がチクッとした。

 この依頼を最後に、イオは二人と別れた。
 修行を続けても、努力に努力を繰り返して強くなっても。
 イオはまだ、自分を戦わせてくれる仲間に巡り会えていなかった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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