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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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212.魔剣キューピット

 シルリア山頂、魔剣の姿に戻ったひかりを持つ。

「いくぞ」
(うん!)

 ひかりの無邪気な声が脳裏に響く。
 直後、魔剣の刀身が淡い光を帯び始める。
 おれが普段使ってるオーラとも違う光だが、見覚えがある。

 エレノアが死霊の軍勢を召喚する時と同じ光景。
 その認識は正しい、直後、おれのまわりにドレイクが一匹また一匹と現われた。

 ひかりの召喚、竜の使徒。
 それが100体を超えて、山頂をほぼ占拠する形になった。

「これで全部か?」
(うん! みんな出てきてくれたよ)
「引っ込めることは?」
(ちょっとまって。むむむむむ……)

 ひかりが唸る、魔剣の姿だが、可愛い顔が眉間にしわをつくって力んでる姿が自然と想像できた。
 口角に自然と笑みがこぼれる。

 そうしてるうちに、ドレイクが全部消えた。

(できたー)
「もう一回出てきてもらえ」
(うん!)

 ドレイク100体がまた召喚された。
 魔剣ひかりの使徒、竜の軍勢。

 どうやら、出し入れは可能なようだ。

「さすがエレノアの子ね」
「わたし、今もしかして歴史的な瞬間に立ち会ってるのかも知れない」
「どういう事なの?」

 納得するオリビア、舌をまくイオ、不思議がるタニア。
 女達のそれぞれ違う反応が少し面白かった。

(で? これをどうするのだ? まさかこのまま戦場に出すのではなかろうな? メルクーリの建国にドラゴンが関わった話は聞かんぞ)
「お前の記憶がこの際頼りにならないからなあ」
(なんだと)
「反論するならこの時代の事を思い出してからにしろ」
(むぅ……)

 黙り込んでしまうエレノア、それを言われると弱いらしい。

「まあしかし、お前の言いたい事もわかる。そこでだ」

 エレノアの柄を握って、漆黒のオーラをだす。
 それをひかりが召喚したドレイク達に纏わせる。

(わわわ、みんなが人間になっちゃう)
「明細オーラ、人間になったように見せてるだけだ」

 オーラを纏ったドレイクらはたちまち人間の兵士姿に変わった。
 見た目は人間、装備はかつてヘレネーとあったときにそばにいた、騎士のフォティスの姿を模している。
 一瞬にして、ドレイクの群れがメルクーリの騎士になった。

(わあ、ヘレネーお姉ちゃんの部下さんと一緒だ)
「これなら参戦も出来るだろ」
(うん! でもすごいなあ、みんな本物の騎士さんにみえるね)

 感心するひかり。
 エレノアの迷彩オーラは力がエレノアを上回らない限り見破る事は出来ない。
 同じ魔剣だが、娘であるひかりはエレノアより力が弱い、故に彼女にも見破れない。

 オリビアを何となく見た、彼女は感心したって顔をしてる。
 竜王オリビアでも見破れないのなら、大丈夫だろう。

 これで、「メルクーリ」として参戦する準備は整った。

     ☆

 深夜、シルリアの山頂。
 睦んでいた男女が寝静まった頃、幼い娘は魔法コテージのドアを押して、外にでた。

 山頂の風が長い髪をなびかせ、月光が淡くてらす。
 ひかりは――幼い姿であるのにもかかわらず、神秘的な美しさを湛えていた。

「ここでいーの?」
(うむ、われの声は聞こえるようだな?)
「うん、聞こえるよ。ふしぎだね、おかーさんはおとーさんのそばにいるのに」
(母娘だからな)
「うん!」

 無邪気に笑うひかり、エレノア娘にしておそらくは世界で二番目に強力な魔剣だが、人間の時の姿はまるでそう感じさせない愛らしさがある。
 いや、むしろ愛らしさしかないといった方がいい。

 そんなひかりは更にエレノアにきく。

「お外にでたけど、どうすればいいの?」
(うむ、竜の子を呼び出してみろ、一体でいい)
「わかった! あーちゃん、でておいて」

 ひかりはまるで親しい友達に話しかけるようにした。
 直後、彼女の影から一体のドレイクが出現する。

(あーちゃん?)
「名前だよ」
(そうか。うむ、名前までつけて個体識別出来ているのならなおの事好都合だ。いまからひかりにわれの技を一つ授ける)
「わざ?」
(魔剣のたしなみだ)
「わ、わわ……わわわわわ」

 頭に手を当てて、オロオロするひかり。
 魔剣の母娘には常人にはない精神のつながりがある。
 エレノアはそれをつかって、ひかりに知識をダイレクトに流している。

(理解したな?)
「うん、わかった。でもひかりにできるかな」
(われの娘だ、やってみるがいい)
「うん! むむむむむ……」

 ひかりは小さく拳を握って、力を溜めて――えいや! とバンザイのポーズでジャンプした。
 直後、召喚したドレイクが姿を変えた。
 竜の姿から、美しい少女の姿にかえた。

「わああ、本当に人間の姿になった」
(とうぜんだ。にしてもどこかでみた様な雰囲気に変えたな)
「えへへ……わかる?」
(どういうことだ?)
「おかーさん、あーちゃんに似合う姿をイメージしろっていったよね」
(うむ)
「だからイメージしたんだ、おとーさんが大好きな『いい女』のイメージ」
(なるほど、その雰囲気だったか)

 ひかりの前にいる少女は取り立てて誰かに似ているわけではないが、ひかりの言うとおり、雰囲気だけは『いい女』にそっくりだ。
 強いていえば、リカが作ろうとしているハーレムに集まった女達、あるいは奴隷兵たち。
 その辺の女と雰囲気が似ているのだ。

「ありがとうおかーさん」
(うむ、しかしまだまだだな、姿を変えるまでに時間がかかりすぎてる。出した瞬間にもう変えているのが魔剣として理想的だな)
「どうすればいいの?」
(練習法を今から教える、じっくり練習しておぼえるといい)
「うん!」

 エレノアはひかりに練習法を授けたあと、意識を部屋にもどした。
 男女の寝室、四人の女を侍らせて寝息を立てている男。
 エレノアは彼を見た、そしてもう一人、竜王たる女を見た。

(さしずめ竜の子の恋路に手を貸す恋の天使、だな。ふっ、われもやきが回ったものだ)

 エレノアは自嘲気味に、そして、意味深につぶやいたのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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