挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

212/288

211.おじいちゃんとおばあちゃん

 再びドラゴンの姿になったオリビアの背中に乗って、シルリアという山にやってきた。
 いわゆる富士山型の綺麗な三角形じゃなくて、傾斜がひどくて普通の人間には到底登れない様な岩山だ。

 茶色いだけの緑のない殺風景な山だが、山頂はちがった。
 遠くからみるとそこは白いなにかに覆われた、最初は富士山みたいに万年雪がつもってるのかと思ったけど、実際に近づいて、降りた時違うとわかった。

「た、卵ですか、これ……」

 タニアが怯え気味につぶやいた。
 山頂を覆う白は大量の卵だった。

 ダチョウの卵よりも一回り大きいそれがずらりと並んでる。
 その巨大さにタニアは怖じ気ついたが、卵程度では怯えないSランク冒険者のイオがオリビアに聞いた。

「これってドラゴンの卵なんですか?」
「ドレイクっていうの。人の子的にいえば亜竜ってところね」
「亜竜……亜人みたいなものですか?」
「そういうこと」

 なるほど、竜の一種だけどちょっと違うってことか。

「力はあるし、人の子と同じくらい賢いんだけど、ドラゴンには遠く及ばないから大抵あたし達に庇護されたり飼われたりしてるね」
「お前も飼ってるのか?」
「うん」

 オリビアははっきりと頷いた。

「人の子と同じくらい賢いしプライドもあるから、基本はドラゴンにしか服従しないの。でもひかりなら」
「なるほど、お前の魔力(におい)がうつってるひかりなら、ってことか」

 オリビアはもう一度はっきりと頷いた。
 ドレイクの説明を受けてる間、ひかりは興味津々と卵を見て回った。

 さわったりぺっちぺち叩いたり、下からのぞき込んだりした。

 それを眺めつつ、オリビアに聞く。

「で、どうすればいいんだ?」
「生まれたドレイクを叩けばいいの。生まれた直後に力で叩いた方が一番楽に服従させられる」
「インプリンティングか」

 はっきりと頷くオリビア。
 分かりやすい話だ。
 それならひかりに手を貸して、生まれたドレイクを叩いていくか。

 問題はどうひかりに叩かせるかだ。
 魔剣としておれが振るって叩くのじゃ微妙に話が違うよな。
 どうするか。

(悩む必要はないようだな)
「え?」

 エレノアの言葉に訝ってると、彼女の意識がひかりの方に向かってる事に気づく。
 その方角に視線をむけると、卵が次々とひび割れて、ドレイクがかえってる光景を見た。

 既に何体かさきにかえってるやつは――ひかりにじゃれついていた。
 ひかりよりも遥かにでかい図体で、ひかりにじゃれついてる。

 セントバーナードみたいな大型犬が子供とじゃれあってる、そんな感じの光景だ。
 それは一部だけじゃない、卵からかえったドレイクは次々とひかりのまわりに集まって、じゃれついてる。

「あははは、くすぐったいよー」

「……ああなるのか?」

 オリビアに聞く。

「ううん、普通は叩いて、力を示すんだけど……」

 ひかりとドレイクに、オリビアは目を丸くした。
 こんなの見た事も聞いた事もないって顔だ。

 ドレイク達が一斉に鳴いた、その場にいる竜が一斉に共鳴をはじめた。

「なんか言ってるのか?」
「ひかりの事をお母さんって呼んでる」

「すり込む必要はなかったって事だな」
(うむ、自然と従わせているようだ)

「さすがおれの娘だ」(さすがわれの娘だ)

 エレノアとセリフがかぶった。
 なんとなくデコピンしてみた。

「すごいですねひかりちゃん」
「うん、これは予想外ね。エレノアの娘だから力でねじ伏せるのは訳ないと思ってたけど、まさかこんなことになるなんて」

 感嘆するタニアとオリビア。
 ひかりの事をほめられて結構嬉しい。

「で? あれを死霊の軍勢と同じように出し入れすることができるか?」
(むろんだ。あとでひかりに教える)
「そうだな、今は楽しそうにしてるから、あとにしよう」

 おれとエレノアは同じ気持ちで、しばらくひかりとドレイク達を見守った。

「あっ」

 ふと、イオが何かに気づく。

「どうした」
「ドレイク達、ひかりちゃんをお母さんって言ってるんですよね」

 イオはそういって、オリビアに確認した。オリビアははっきりとうなずいた。

「うん、そういってる」
「ひかりちゃんがお母さんなら……カケルさんは?」

「……え」

 ひかりがお母さんなら、おれは?
 ……え?

(待て、われはこの年で祖母になるつもりはないぞ)

 エレノアが慌てだした、頭まっしろになったおれよりちょっと早く理解したみたいだ。
 あまりの衝撃に、「おまえいくつだよ」というあたり前のツッコミが出てこなかったのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ