挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

211/288

210.竜兵

 パサッ――パサッ。
 オリビアが旋回しつつ、滑空しながら降りてきた。

 その羽ばたき音はかなり響いて、興奮した男も釣られて見あげた。
 とっさにオーラを出して、オリビアごと女達を包んだ。

 迷彩のオーラ、エレノア以上の力じゃなきゃ見破ることのできない偽装。

「あれ? いまなんか音がしたと思ったんだけど……」

 男は見あげたまま首をかしげた。
 おそらくそいつが今見えてるのは晴れ渡った空と白い雲だけだ、あれほどの物音がしたのになにも見えなかった、首をかしげるのは当然だ。

 オリビア達に目配せをする。
 イオ達は分かってて、黙った。オリビアも賢いからすぐに分かって、静かに着陸して竜人の姿に戻った。

 そうして、おれは男に話しかけた。

「お前がスキロス・カランバだな」
「ああ!」

 スキロスは大喜びで頷いた。

「そういうあなたは、えっと……」
「結城カケルだ」
「ゆ、うき……? メルクーリの方ではないのですか?」

 スキロスは軽く戸惑いつつ、おれの顔と持ってる扇子をちらちら見比べる。

「これの持ち主はおれの女だ」
「なるほど! 婿とのというわけですね!」

 一瞬沈みかけたテンションが復活した。

「メルクーリを探しているのか?」
「はい!」
「なんでだ」
「アカンサ様をご存じですか?」
「アカンサ……?」

 どっかで聞いたような気がする、どこだ?

(ほら、あれだ)
「ん?」

 エレノアの意識が示す方角に目を向けた。
 そこにオリビアたちがいた。
 オリビア、ひかり、イオ、タニア――タニア!

 そうか、タニアの村で彼女に妙な占いをしてたばあさん。
 その名前が確かアカンサだ。

「占いのばあさんか」
「そ、その呼び方は恐れ多い。ご高名な命算師(めいさんし)なのだ」
「そのアカンサがなんだって?」
「『メルクーリをもとめよ、光紋(こうもん)の先に吉が8で凶が2、吉が8で凶が2じゃ』……です」
「ああ、あのばあさんの言いそうなことだ」

(メルクーリの光紋というのはこの扇子の事だな)
 そういうことになるな。

「他のみなも、吉凶の割合は違うけどみなメルクーリを求めよとでたので、我々は全員でメルクーリのものとその紋章を探していたのだ」
「他のみな? 我々?」
「打倒ロドトスの志を同じくする者同士だ」
「そのうちの一人はシラクーザか?」
「知ってるのですか!?」

 タニアから聞いた話を思い出した――同時におれがいた未来の事も思い出した。

「コモトリアとアイギナもいるのか?」
「ああ! 我々四人が主となって挙兵をするところなのだ」
「……」

 カランバ、シラクーザ、コモトリア、アイギナ。
 四人が占い師に言われて探したメルクーリ(おれ)

 タニアの時と同じ、五大国のある未来を知ってるから、占い師の言う「吉」は正しいものだとわかる。
 わかるが……。

     ☆

 スキロスと一旦わかれた。
 メルクーリを見つけたことで、挙兵の最終段階に進むために動くためだ。

 そいつを見送ったあと、オーラを解いた女達と向き合う。

「どういう事ですかカケルさん」
「どうやら、五大国のうちのメルクーリはおれ達になるみたいだ」
「???」

 イオは首をかしげた、おれが何を言ってるのかいかにも分からないって顔だ。

「つまり、メルクーリってのが存在してなくて、過去にやってきたおれたちがメルクーリってことだ」
「はあ……」
「しかしこうなってくると、もう一つ引っかかるな」
「もう一つって?」
「ヘレネーとイリスの事だ。あれは純粋な人間じゃないよな」

 そう、今まであまりにも自然に人間の中にいたのであまり気にしてなかったが、おれはこの世界にやってきてはじめたあったヘレネーをみて、「エルフみたいだな」って思った。

 金色のロングヘアー、尖った耳、気品ただよう美しさ。
 それをおれは、エルフっぽいと密かに思っていた。
 ヘレネーがそうで、イリスも同じだ。

 その一方で他の四カ国の姫や女王はまるっきり普通の人間だ。
 リカも、アウラも、フィオナとマリも、そしてセレネーも。
 全員が普通の人間って感じだ。

 それできてこの展開だ。
 まだ何かある、さすがにそう思わざるをえなかった。

「それはよく分からないですけど、兵はどうするんですかカケルさん。奴隷の皆さんは来てませんし、わたし達だけじゃ……戦争は無理ですよね」
「そうだな、おれたちがメルクーリだってんのなら、多少でも手勢が必要になる」
「どうしましょう」
「ふむ……」

 あごを摘まんで考えた。
 金で募るか、それともどこかの盗賊団をしばいて配下に加えさせるか。
 あるいは――。

(おい)
「なんだ?」
(ポチがうずうずしているぞ)
「うん?」

 エレノアが指摘した通り、オリビアがうずうずして何か話したそうな感じだ。
 さっきと同じで何か言いたいけどおれの許可を待ってる。

「どうしたオリビア」
「ひかりなんだけど、わたしの匂いがすごくするんだ」
「うん? 未来のお前としょっちゅいっしょにいたからな」
「うん! おーちゃんと仲良し!」
「匂いだけじゃなくて魔力も染みついてるんだよね」
「へー」
「それで……ひかりってエレノアの娘、だよね?」
「ああどこからどうみてもな」
(貴様の娘かは見た目からは分からんがな)

 軽口たたくエレノアにデコピンした。

「それで?」
「だったら、ひかりに竜兵を預ける事ができると思うんだ」
「竜兵……ドラゴンの兵か?」
「うん」

 それってどういう事だ? と思っていると。

(死霊の軍勢か)

 エレノアつぶやきに、おれは、出会った時の彼女の事を思い出した。
 大量のアンデットを保持して、召喚、使役する力。

 それと同じもので、使役するのがドラゴン。
 それをひかりができるとオリビアは言う。

「ふぇ?」

 ひかりはまだ分かっていないようだが、それができるのならすごいぞ。

(われの娘だからな)

 エレノアは得意げに言った。
 さすがに同意せざるをえなかった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ