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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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205.レッドドラゴンになった理由

 オリビアを倒したあと、反転した世界が戻ってきた。
 彼女が手をかけた人間は戻らないが、建物とか地面とかーー生命のないものは戻っていく。
 それを確認して、おれは女達とオリビアとまとめて連れて、ワープの羽根で移動した。
 移動したのはマラトンの泉。白い蛇と戦ったところだ。

 この時代で拠点がなく、一番印象に残ってて、邪魔が入らないところがここだ。

 イオとタニア、女達を安置してから、オリビアと向き直った。
 彼女はドラゴンから人型の姿に戻った。

 頭に角、背中に翼。
 まさしく竜人、という見た目をしている。

 一方で、人の姿としてはかなりの美少女だ。
 勝ち気な雰囲気を出しつつ、妙に腹の底の深さを感じさせる瞳。
 おれ好みの女だ。

「あいたた……まさかこのあたしが人の子に負けるなんてね」
「今まで負けたことなかったのか?」
「ないね、少なくとも人の子には。で、あんた何者? ロドトスの坊やじゃないよね。あいつこんなに強くない」

 オリビアは地べたであぐらを組んで、おれを見あげてきた。
 彼女を見下ろす、ドラゴン特有の、知性の光を湛えた瞳を見つめる。

 なんとなく、本当の事を話してもいい気がした。

「おれは結城カケル、未来から来た」
「へえ?」
「こいつはエレノア、ただしお前がしってるエレノアじゃなくて、おれの時代の、おれがつれて来たエレノアだ」
「おろおろ、なるほど、だからエレノアなのに微妙に違うわけだ」

「わかるのか」
「有名人だからね、そいつ」
(くく)

 エレノアは上機嫌な笑い声をもらした。

「そかそか、未来からかあ。おもしろいね」
「あっさりと信じるんだな。もしかして他に時間移動の事例をしってるのか?」

 彼女の知識にちょっと期待した。
 くじ引き券の素敵な冒険、時間移動でここに来たのは良いけど、エレノアとタニアの事でちょっと困ってる。
 もしオリビアが時間移動について知ってることがあれば助かる。

 と、思ったのだが。

「うんにゃ、全然しらない」
「知らないのかよ!」
「でもなんとなくそういうのもあるんだろうなって思うし。時間移動って、言葉にしたらそんなに不思議でもないじゃない」
「……いい性格してるな、あんた」
「ありがと」

 オリビアはにこりと笑った。

(聡明だな。流石ドラゴンなだけはある)
「今エレノアがあんたをほめた」
「それは嬉しい」

 オリビアはそう言ってから、ちょっとだけ真顔になっておれを見つめて、聞いてきた。

「で、人の子は未来のわたしをしってるのかな」
「ああ、一戦交えた。さっきのお前よりも手ごわかった」
「おろろ? わたしもう全盛期すぎてんだけど」
「レッドドラゴン」
「ありゃ、わたしそうなっちゃったの?」

 オリビアは意外そうな顔をした。

「ああ、なった」

 彼女にその辺の事を教えた。
 レッドドラゴンになった彼女と戦って、倒して。
 そして彼女がチビドラゴンになって、ひかりとまるで親友のようになってることを。

「転生したんだねえ。ひかりってもしかして?」
「ああ」

 うなずくと、それまで大人しく待ってたひかりが、魔剣から人の姿にもどった。
 そしてオリビアに抱きつく。

「おーちゃん!」
「おろろ、すっごい仲良しっぽいじゃないの」
「うん。おーちゃんとひかり、仲良しだよ」
「そかそか、わたしの次の人生も捨てたもんじゃないみたいだね。まさか魔剣と友達になるなんて。魔剣ちゃんのなまえは?」
「結城ひかりです」
「へえ……ってユウキ?」

 オリビアはおれとひかりと交互に見比べて、不思議そうな顔をした。

「ひかりはおとーさんとおかーさんの娘だよ」
「お父さん?」

 オリビアがおれを指す。おれは頷く。

「お母さん?」

 今度はエレノア指す、彼女は返事できないから代わりに頷いてやる。

「魔剣を孕ませたって事!? しゅごい!」
「へんな言い方するなよ」
「変にもなるって、魔剣、しかもあのエレノアを孕ませたってことじゃない。すごいにも程があるって」

 ものすごくテンションがあがって、すごいを連呼するオリビア。

「はあ……エレノアをねえ……」
「まあ、そういうーー」

 なんとなく返事をしようとしたがーーものすごい殺気を感じた。
 殺気の主はーーオリビア!

 彼女はいきなり飛びかかってきて、魔法を放ちつつ人の姿でも鋭い爪でえぐってきた。
 いきなりなんだ! と思いつつも魔法を受け止め、カウンターを顔面に叩き込む。

 やべ、あまりにも強いから手加減できなくて全力でカウンターたたきこんちまった。

 オリビアはトラックにはねられたかのように、ものすごい勢いで来た方向にすっ飛んでいく。

 木々を十数本なぎ倒して、ようやく勢いがとまる。

「おーちゃん!」

 ひかりが心配そうに駆けていく、おれも小走りで向かって行った。

 巻き起こされる砂煙のなか、オリビアは自分の顔をーーおれのカウンターを喰らった顔をさすっていた。

「さすがだね人の子」
「何のつもりだいきなり」
「いや、ちょっと確認」
「確認? なんの」
「わたし、なんで自分がレッドドラゴンになったのかわかったよ」
「え?」

 オリビアがレッドドラゴンになった理由。
 それは微妙に気になっていたことだ。

 高い知性と矜恃を持ったドラゴンがレッドドラゴン化するのは、大抵の場合未練があるからだ。
 執着、と言ってもいい。
 彼女が何に執着して、なんでそうなったのか少しだけ気になっていた。

 チビドラゴンになってまともに話せなかったから、気にしないで居ようと思っていたことだ。
 それをオリビアが自分からいいだした。

「なんでだ?」
「それはね……」

 オリビアはおれを見つめてからーーひかりに抱きついた。

「ひかりちゃんに会うためだったんだよ」
「おーちゃんくすぐったい」
「おーり、ぐりぐりぐりー」
「あははははは」

 オリビアはひかりとじゃれ合った。
 ……なるほど?
 ひかりという存在をしって、レッドドラゴン化したらおれに泊めてもらって、転生してひかりにあえるか。

 そう思ってレッドドラゴン化したのか。

 理屈はあう。
 未来が分かってれば、そういうこともあるだろう。
 なによりもひかりとオリビアーーチビドラゴンは本当に仲の良いコンビだ。
 その姿を思い出して、おれは納得した。

 ーーのだが。

「でも、おーちゃんっておとーさんの事好き好きだよね」
「……へ?」

 思わず間抜けな声がでた。
 ひかりのいきなりの指摘に思わずそうなった。

「なに言ってるんだひかり」
「おろろ、ばれすぎだよそれ」
「はい? ばれすぎっておまーー」

 オリビアは再び突っ込んできた。
 今度は殺気がまったくなかった、だから反応が遅れた。

 一瞬だけ遅れた反応、その隙を突かれて、オリビアにキスされた。
 触れるだけのーー唇を強く押しつけるだけのキス。

 キスをした後、竜人の顔が間近にのこって、おれを見つめて来た。
 瞳が、熱くぬれていた。

「これがわたしの執着」
「早くないか? あってそんなもたってないだろ」
「二度ぶっ倒された。ドラゴンにとっては十分だもんね。それにこれって、マイナス数百年の恋だもん」
「普通ならあり得ない数字だな」

 そもそもおかしい、とは言わなかった。

「人の子よ、このわたしを惚れさせたんだから、責任は取りなさいよ」
「責任ならもう取ってきた」

 ちゃんとレッドドラゴンを止めたからな。

「追加を要求する」
「わかった」

 オリビアをお姫様抱っこで抱き上げて、魔法コテージをだす。

「ひかり、イオ達と遊んでこい」
「うん! よかったねおーちゃん」

 ひかりは満面の笑みで未来のパートナーを祝福しつつ、小走りで、遠くでみてるイオとタニアの所に走って行った。
 そんなひかりを見送って、おれはオリビアを魔法コテージに連れ込んで、ベッドの上に押し倒した。

 力でねじ伏せたドラゴンは、相手に対してとことん従順でーーかなりMっ気はあった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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