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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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202/288

201.まだ慣れない

 温もりに包まれて、朝、目を覚ますおれ。
 目を開けると、二人の少女が体を寄せながら、おれを見あげる姿が見えた。

 タニアと、タニア。
 顔がまったく同じ作りの二人。

 表情まで同じになって、いよいよ見分けがつかなくなった。
 ……ともったら、やっぱり見分けがついた。

 目が朝日に慣れてきた。
 未来のタニアはうっすらと体が透けてて、今のタニアは実体だ。
 逆光の中で、それが唯一二人を見分ける方法になった。

『おはようカケル』
「おはようございます、カケルさん」
「おはよう。二人ともよく眠れたか?」

『ムリですよ、だってこんなに幸せで、ドキドキしてるんだもん。ねー』
「うん……ドキドキします……」

 喋り出すと、またちょっと違いがわかる。
 幽霊の方はやっぱり活発で、人間の方はまだちょっと控えめだ。

 とは言ってもその差は昨日に比べてだいぶ縮んだ。
 人間の方のタニアが引き上げられたのだ。

 悪くない、とおれは思った。

『そうだ。カケル、このままじゃあたしたちの区別つかないよね』
「いやべつにそんな――」
「ちょっと待ってください」

 二人のタニアはものすごく息の合った動きで、どこともなくから取り出したリボンでで互いに髪を結った。
 透けてるタニアは右の側頭部に、もう片方のタニアは左の側頭部に。
 ゆってる側が違うけど、同じ細さと長さのサイドテールをゆった。
 左右に並ぶと、まるで鏡写しのようだ。

「なんだそれは」
『これであたし達の見分けはつくでしょ』
「どうでしょうか」
「ああ、二人とも可愛いぞ」

『そういうことじゃなくてー、まあいいけど』
「ふふ……」

 違うといいながらも、二人ともまんざらじゃなさそうに微笑んだ。

 さて、こんなに可愛い二人なら朝とか関係なくもう一回戦と行きたいが、タニアの家に残して来たイオとひかりのことが気になる。

 イオ今やAランク冒険者だし、大魔道士やら百雷やらとものすごい異名がついてる。
 ひかりはひかりでそもそも人間じゃなくて魔剣だ。
 だから危険とか、そういうのでは心配してないけど、逆に心配かけるのはよくない。
 いったん帰ろう、と二人に言った。

 二人は頷いて、互いに服を着せ合った。
 それを見ておれも服を着ようとしたけど。

『ちょっと待って!』
「わたしたちがします」

 二人のタニアは自分の身支度もそこそこに、おれの服を奪いとるようにして、着るのを手伝ってくれた。
 幽霊タニアは出会った時のメイド服姿だから、やってもらうのに違和感はなかった。。

 服をきたあと、二人と一緒に魔法コテージを出た。
 それを小さくもどして異次元倉庫にしまって、代わりにワープの羽根を取り出す。

「うわ……」

 一連の動きをはじめて見たタニアは感嘆の声を上げた。

『あっ、飛ぶんだね』
「そうだ」
「飛ぶってどういうことですか?」
「見てろ」

 ワープの羽根をかざして、二人を連れてタニアの家にワープしようとした。
 これでまたびっくりする顔が――とおもったら。

 天から雷が落ちてきた!!!

「ふっ!」

 とっさの事でエレノアを抜き放ってガードする。
 二人のタニアがそばにいるから、守るようにオーラを展開して完璧にガードする。

 衝撃が来た。
 一回、二回、三回、四回――。

 これは……知ってる。
 雷が百発連続で落ちてくる、イオの必殺技だ。

 一撃一撃が必殺級の雷をガードして、はじいていく。

 ギュッ。

 人間のタニアがおれの裾をつかんだ。
 ガクガク震えている。いきなりの事で怯えてるみたいだ。

 ガードしつつ、あごを摘まんでキスをする。

「安心しろ」
「……はい」

 きょとんとした顔で頷くタニア。
 震えが止まった、いい子だ。

 おれはそのまま雷が落ちきるのを待った。

 雷の雨がやんだ後。

「これで決まりね――ってカケルさん!?」
「おう」

 煙の中から現われたおれに驚くイオ。

「ど、どうしてそこに!?」
「ワープで戻ってきた。それよりもなんで百雷陣を――ああ、こいつか」

 言いかけて、背後に殺気を感じた。
 振り向くと、そこに白い蛇がいた。

 昨日のと同じヤツ、ここまではぐれてきたか。
 こいつに対抗するために大技を放ったのか、イオは。

「大丈夫ですかカケルさん!」
「問題無い」

 それよりもこいつを片付けよう。
 おれのやる気に気づいて、ひかりがやってきた。

「おとーさん」
「ああ」

 魔剣の姿に戻ったひかりを取って、魔剣の母娘で白い蛇を瞬殺する。
 昨日と同じように大量分裂したが、ひかりもいたから半分くらいの時間で瞬殺した。

 きっちり殺しきって戻ってくると、人間のタニアが絶句してるのが見えた。

「すごい雷……女の子が魔剣……エレノアが二本……? え、え、えええええ!?」

 タニアは、目の前の光景にすっかり混乱していて、幽霊タニアは生暖かい目で過去の自分を見守っていたのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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