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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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19.一人で戦況を変えられる存在

 まわりをざっと見て、戦況を確認した。

 冒険者側はあきらかに疲労困憊だけど、それでもモンスターは次々と倒されている。

 だけど倒した直後から新しいモンスターが沸いてくる。

 たまに冒険者が一人二人やられる。

 冒険者の補充はない。

 その差のせいで、冒険者側が押されてるんだ。

 なら――まずは数を減らす!

 エレノアを持って先頭に駆け出した。

 冒険者とつばぜり合いしてるスケルトンを横から真っ二つにたたき割った。

「あなたは……?」

 よく見ればぼろぼろの冒険者はおれの事を不思議そうに見た。

 話してる暇はない、おれはすぐに次のモンスターの所に走った。

 交戦してる所を見つけては間に割って入り、モンスターを一撃で倒す。

 数を減らすついでに、こっちの被害がこれ以上でないようにした。

 戦場を駆け抜けた。おれが通った所はモンスターの死体が積み上げられた。

 それを繰り返してると、戦況が徐々に変わってきた。

 おれが助けたことで手が空いた冒険者が他の冒険者を助けに行った。

 人数が増えて、共同してあたったらモンスターを倒せた。

 それで倒す数が、ペースが上がる。

 流れが変わった。冒険者側が押し返していた。

 そんなとき、一人の冒険者がおれに斬りかかってきた。

「おのれええええ!」

 若い男の冒険者だ。大上段に振り下ろされた長剣をエレノアで難なく受け止める。

「貴様が魔物のリーダーか!」

「何言ってる」

「とぼけるな! そのまがまがしいオーラを放っておいて!」

 男が忌々しげに言った。

 ……。

 あー、うん、そうだな。

 エレノアの黒いオーラはどう見てもそっち系だもんな。

 つかこのモンスターの軍団、もともとこいつのだし。

 誤解されてもしょうがない。

 ぶっちゃけこの男が正しいくらいだ。

「待って、その人は違うの!」

 後ろから別の冒険者がやってきて、男を止めた。

 見ると、さっきおれが助けた一人だ。

「何を言ってるんだおまえは」

「本当なの! わたしを信じて」

 男の動きが止まった、迷いがはっきり見えた。

 説明してる時間はないので、これ幸いにそいつを放っておいて次に行った。

 たおして、たおして、たおしまくる。

 ある程度モンスターを倒していくと、ある事にきづいた。

 遭遇したモンスターが新しくなってる。これまでのと違って、戦った痕跡が見えないんだ。

 つまり生まれたばかりだって事。

「これって、完全に倒すペースが生むペースを上回ったってことか」

(そのようだ)

「で、生まれてくるのを完全に止めるにはどうしたらいい?」

 多少余裕が出来たので、エレノアに解決方法を聞く。

(さあ)

「さあって、お前の力なんだろ元々は」

(我の制御下にあったままなら息をするが如く止められるのだが、外れたのは初めてだ)

「……」

 おれは絶句した、微妙にある話で言い返せない。

「封印します」

 横から女冒険者がいってきた。今助けた魔法使い風の女だ。

「封印?」

「待機してるそういう能力者がいます。モンスターを一掃したら召喚ポイントにいって、そこを封印する手はずになってます」

「つまりおれはこれを全滅させる事だけを考えてればいいんだな」

「はい!」

 女冒険者は大きく頷いた。

 目はまっすぐおれを見つめている。

 期待と信頼の目だ。

「そういうことなら、ギアを上げていくか」

「えっ、まだ本気じゃないって事ですか」

「まあな」

 頷く。女はますますビックリした。

 だって、今までは助けなきゃいけなかったんだ。

 モンスターと戦ってる最中のヤツを助けるのは骨が折れた。近接戦闘をしてる人はまだいいけど、魔法使いや弓使いみたいなのは、助けにはいってるときはもうピンチで密着されてることが多い。

 全力を出せば巻き込むから、結構セーブして戦ってた。

 だけどここからなら全力を出せる。

 さあもうひとがんばり、ってなったところで。

「た、大変だ!」

「うわっ、なんだあれは!」

 まわりから恐怖の声が上がった。全員が同じ方向を見てる。

 おれも同じ方向を見た。

 そこに、角と牙が特徴の、凶暴そうな面構えをした巨人がいた。

 はじめてみるモンスターだ。

「なんだあれは?」

(地獄の帝王サンドロス。我の……そうだな、切り札と言ったところか)

「地獄――大げさな名前だな」

(ちなみにあれ一体で戦況を変えられる程の力だ)

「おいおい」

 ちょっと呆れた、ここに来てそんな隠し球かよ。

 行ってるうちに、冒険者達がそっちから逃げてきた。サンドロスがいる方から逃げてきた。

「あんな化け物まででるってきいてねえぞ」

「あんなのにかなうかよ!」

 それまで戦況が不利だった時でも逃げ出さなかった冒険者達が次々と逃げ出した。

 地獄の帝王って言われれば納得するくらいインパクトのある見た目……まあしょうがない。

 パニックが伝染して、前線が崩れる寸前だ。

「あいつが今居るところがモンスターが生まれてくる場所だよな。さっきからおもってたけど、あそこってマリがいた洞窟の近くだよな」

(そのようだ)

「なら――」

 もう一刻の猶予もない。このままだと総崩れする。

 おれはワープの羽でマリのいた洞窟にとんだ。

「うわ!」

 びっくりした。目の前に大きな壁が一瞬で現われたようにに見えたからだ。

 一歩後ろに飛び下がる。そこでよく見ると、サンドロスの足だって事がわかった。

 間近だから壁にみえたんだ。

 そして視界が開くと、まわりに冒険者が十何人も倒れてるのが見えた。

 サンドロスにやられたのか……こいつが出てきてそんなに経ってないのに。

 ふと、おれに気づいたのか、サンドロスがこっちを見た。

「ぐおおおおおおおお!」

 いきなり天に向かって咆哮し、それからこっちを睨んできた。

「なんかいきなり怒りだしてないか?」

「ぐおおおおおおおおお!」

「しかもお前をガン見してるぞ。お前の部下じゃなかったのか? なんかしたのか」

(契約でしばって数百年もただ働きさせたのがまずかったかな)

「あきらかにそれが原因じゃねえか!」

 そりゃ怒る。地獄の帝王と呼ばれたものがそんな扱いされたら怒るの当然だ。

 サンドロスが持ってる武器を振り下ろしてきた。

 五メートル近い、ナタのような大剣だ。

 エレノアを構えて受け止める。ガシーン。まわりに衝撃波が走って、倒れてる冒険者がふっとばされる。

 うけみじゃだめだ。

 こっちからサンドロスにしかけていった。

 二回目の斬撃がくる直前に飛んで、その腕を切り落とした。腕は明後日の方向にすっとんでいって、メキメキと木をへし折った。

「ぐおおおおおお!」

 サンドロスは血走った目でますます叫んだ。

 残ってる腕でパンチを放ってきた。それを避けて、腕を一気に駆け上がる。

 肩まで来たところで、顔面に向かってジャンプした。

「ぐおおおおおお!」

 更に咆哮、空気が、服の裾がビリビリ震える。

 おれはエレノアを構えて。

「お前に恨みはないが――ここは消えろ!」

 両手で振り下ろし、サンドロスの脳天をかち割った。

 倒れたサンドロスは、最後まで血走った目でおれを睨んでいた。

「こいつも復活するのか?」

(時間がたてばな)

「今度はおれが恨まれるのか」

 そう思ったけど、まあ仕方ない。

 その後、残ってるモンスターを倒して回った。

 戦況は加速度的に収束し、やがて封印担当の冒険者が来て、モンスターが生まれるポイント――マリの洞窟に封印をしかけた。

 一件落着、おれを中心に勝ち鬨が上がった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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