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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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198.意地の張り合いは同レベルでしか発生しない

 タニアに言って、二人をマラトンの泉とやらに案内してもらった。

 たいまつを手に、夜の山道を先頭を進むタニア。
 後ろについていく二人組の男女。
 その更に後ろについていくおれ、一応フォローしてるって形だ。。

 二人はエレノアを消すという目的を持っているが、そのエレノアはロドトスと戦った直後からオーラでしっかり隠してる。
 魔剣が魔剣らしさ全開にしている時代らしいから、無用な争いをとかを避けるためだ。
 だから二人にエレノアがいるとばれずについて行けた。

 そうして歩いてると、エレノアから話しかけてきた。

(やつらの手助けをするのか)
「どうなるか知りたい」
(どうもこうもなかろう。未来から来たわれがこうしてここに存在している以上、あの二人組は何も成し遂げていないという事になる)
「……」
(なんだ、その沈黙は)

 訝しみつつ、ちょっとだけ不快さをのぞかせるエレノア。

 言いたい事は分かる、本来ならその通りだ。
 未来からエレノアが来てる以上、消されたという事実は存在しない以上二人の事を気にする必要はない。

 その通りだ、本来ならそうだ。
 だが、立て続けにイレギュラーが二つも起きてしまった。

 ロドトスとの遭遇戦、生きてる時のタニアとの出会い。

 ロドトスを操っていたエレノアと戦ったが、当のエレノアはその記憶がないという。
 魂の色が同じで同一人物なのに、幽霊タニアは生きてる時のことをまったく覚えていないという。
 同一人物が二人とも、繋がっていないかのような証言をした。

 おれはある可能性を思いついた。

「平行世界」
(なんだ? その平行世界とやらは)
「パラレルワールドともいうのかな? 簡単に言うと世界はいくつかあって、ちょっとした違いで未来が変わってしまうことがある」
(ふむ?)
「お前に一番わかりやすく説明すると、例えばおれと出会ったか出会わなかったかだな。もしおれと出会わなかったら何が一番変わると思う?」
(……ひかりがうまれない)

 久しぶりに、エレノアの語気に深刻さが混じった。
 そう、もしエレノアとおれが出会わなかったらひかりは生まれなかった。

 マリがエレノアの封印をなんかの拍子でといてしまって、おれがマリを助けて、エレノアを持つようになった。
 その直後にひかりが生まれた。
 おれと、エレノアの娘として。

「そういう可能性はあるだろう? お前が数十年間眠り続けただけでひかりのいない未来ができあがるんだから」
(なるほど……つまり連中の動き次第で、われが消し去られる違った未来もあり得ると?)
「可能性は?」
(……ない、とは言い切れんな。われとては全知全能の神ではない。不老ではあるが不死ではない。その(、、)日はもちろんいずれはくる)
「そうか」

 まあ、そうだろうな。
 それを率直に、そして平然と認めるエレノアはやっぱりエレノアだなと思いつつ、話を続ける。

「平行世界だっていうのならいいけど、問題はむしろ世界が一つしかない場合だ」
(なるほど、世界が一つしかなければ、ここでわれが消えれば未来のわれも連動して消える、と?)

 流石のエレノア、連想が素早い。

「そういう可能性はある。少なくともおれはそう思う」
(なるほど。話はわかった)

 エレノアは納得した。

(いいことを思いついたぞ)
「なんだいい事って」
(貴様、ロドトスを倒せ。ロドトスを倒して、貴様――ああいや、あの娘にしかとけない封印をわれに施すのだ。そうすれば途中が分かっても、あの未来にたどり着ける)
「全盛期のお前をたおして、更に封印か」
(貴様なら出来よう。使い手としては貴様のが上だ)
「考えとく」

(まあどうであれ、われは消される訳にはいかなくなったな)
「ああ、お前は消させない」
(頼りにしているぞ。ひかりのためにもな)

 ちりーん。

 ほとんど反射的に、エレノアにデコピンした。
 指が刀身をはじき、高級な風鈴のような、透き通った綺麗な音がした。

 自然とデコピンになった。言葉よりも先に指が動いた。
 ひかりじゃなくてお前のために、なんて言うのは妙に恥ずかしかったのだ。

 同じセリフを他の女達になら普通に言えるのに、エレノア相手だと何故か言えない。
 こいつ相手だと妙に意地を張ってしまう。
 ……不思議だ。

「……ああ、ひかりのために」
(頼りにしてるぞ、パパ殿)
「こっちこそだ、ママ様」

 言いたい事は言えなくて、おどけた言い方をしてしまう。
 本当なんでだろうな。
 不思議だ。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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