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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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195.約束された未来

 ロドトスの事をエレノアに聞く。

「あれは本物のロドトスなんだな?」
(うむ。間違いなく本物だ)
「あのエレノアも本物か?」
(おののけ、あれがわれの全盛期よ。みた感じヤツは()ちてるから、天下を取らせてやった後だな)

 エレノアは楽しげに言った。
 両方、本物って事か。

「ってことはここは……何年くらい前だ?」
(さあ)
「さあって」
(長く生きすぎてそんなこといちいち覚えてられん)

 こいつ、開き直りやがった。

「あの、ロドトスなら四百年くらい前の人だよ」

 イオが代わりに答えた。

「そうなのか?」
「歴史書にも載ってるから、そうだとおもう」
「なるほど、四百年前か……」
「あの……あのロドトスって……」
「本物だ」
「えええええ!?」

 盛大に驚くイオ。

「本物って、どういう事です?」
「どうやら、400年前に冒険しに来たらしい」
「冒険……あっ」
「そういうことだ」

 金色のくじ引き券でゲットした、素敵な冒険ペアチケットで飛ばされたのは400年前の世界だった。
 たしかに、素敵な冒険になりそうだ。

     ☆

 ひかりを人間に戻しつつ、もってるアイテムを確認した。
 魔剣エレノアはある、魔剣ひかりもあって、人間の姿に戻れる。
 異次元倉庫も開ける、魔法コテージも出せる。

 もってるアイテムの中で、唯一不都合があるのはワープの羽根だけだった。

「とべないな」
「飛べないんですか?」
「ああ、ロイゼーンもメテオラもレティムも、というかありとあらゆる所に飛べない」
「おとーさんの羽根こわれちゃったの?」
「そういう訳でもないらしい」

 ひかりとイオから距離をとって、羽根を使った。
 一瞬で二人の前に瞬間移動した。

 一度行ったことのあるところに瞬間移動するワープの羽根。
 時間移動をした影響で、「行ったことのある場所」がなくなった状態になったみたいだ。
 羽根自体は壊れていないようだ。

「こわれてなくてよかったね」
「ああ……さて」

 ひかりの頭をなでつつ、これからどうするかを考える。

「ふっ」
「カケルさん?」
「いや、昔の事を思い出しただけだ」

 くじをひいて、この世界に来た直後の事をおもいだした。
 ヘレネーを助けて、街をめざして、色々がむしゃらにやったときのことを。

 それと同じ、今はある程度リセットした状態での再スタートだ。
 完全にリセットされた訳じゃない、魔剣もある、アイテムも残ってる、仲間も一人いる。
 強くてニューゲーム状態で、新鮮な気分だ。

 おれ達はまず街を探そうと歩き出した。

「そういえば、なんであれは襲ってきたんだ?」
(ロドトスのことか? われも知らぬ)
「向こうにお前がいたじゃないか」
(貴様と出会った事など記憶にない、そもそも覚えてたらひかりのことはわすれん)
「むっ」

 たしかにそうだ。
 ひかりが生まれた時、エレノアは驚いていた。
 過去に――さっきの戦いのようにひかりと出会ってるのならあそこで驚いてないし。

「そもそもこの事は覚えてるはずだ」
(うむ)
「謎が一つ増えたな」
(女とはミステリアスなものだ)

 調子のいいことを言うエレノアにデコピンしてやった。

     ☆

 二時間くらい歩いて、小さな村にやってきた。
 まったくの郊外から、畑が続くあぜ道にはいって、やがてたどりついたのは小さな、のどかな感じがする農村だ。

「なんか人気がないね」
「いやいる。だいぶ奥に集まってるみたいだ」
「村民のみんなが集まってるってことですか? あっ、なんかの祭りとかかな」
「行ってみよう」

 イオとひかりと一緒に村に入って、人の気配が感じる場所に進む。
 やってきたのは村の広場、そこに大勢の人々が集まっていた。

 人々の中心に一人の老婆がいた。
 老婆は地べたに座って、自分の前においた水晶玉をに手をかざしている。
 その水晶玉の向こうに村民らしき男がいて、老婆と水晶玉を、期待と怯えの入り交じった目で見つめていた。

「十日後、南へ旅立たれよ」
「十日後に南ですか?」
「そうだ、そこでの出会いが人生を変える。七が吉で三が凶。よいか、七が吉で三が凶だ」
「ありがとうございます!」

 男は老婆に膝をついた頭をさげた。

「ねえねえおとーさん、あれってなに?」
「どうやら占いみたいだ」

 イオに目をむける、彼女は小さく頷く。
 冒険者である彼女はこの手合いの人間をよく見ているはずだ。

「本物か?」
「わからないです。お金とかもらってないので、詐欺とかじゃないとは思うんですけど」
「そうだな」

 おれ達はしばらくそこにいて、人の輪の外から様子を見守った。話にも耳を傾けた。

「まさかアカンサ様がいらっしゃるとは」
「お前よかったなみてもらえて」
「十日後か……頑張るぞ」

 どうやら誰でもみてもらえる訳じゃないようだ。
 その証拠に村民から向かって行くんじゃなくて、みんなが尊敬と畏怖のような空気をだして遠巻きにしてるのを、老婆がくるっと見回して、次の相手を指名するって感じだ。

 そうして何人か見た後。

「お主。最後はお主じゃ」

 と、一人の女の子をさした。
 村民からため息と、そしてうらやむ視線が女の子に投げかけられる。

 女の子は慌てて老婆の前に立った。
 老婆は女の子を見つめ、水晶玉に手をかざした。

「つらく、苦しい、永劫のような地獄の苦しみがお主を待っている」
「え……」

 言葉を失う女の子。
 理由は分からないが、村民が老婆に対する信仰はこの短期間で感じている。
 その老婆からそう言われるのは、ある意味死刑宣告のようなものだろう。

「乗り越えよ。その先に一筋の光明がある。吉が一で凶が九。吉が一で凶が九だ」
「そんな……」

 絶句する女の子。

「ちがうな」

 おれは口を挟んだ。
 村民の視線が一斉にこっちを向いた。
 戸惑いと――大半が憤怒。
 そんな視線をおれに向けた。

 イオとひかりがたじろぐ中、おれは気にせず、人垣をわって老婆と少女の元に向かう。

「違うとはなにか?」
「前半はあってる、後半は間違ってる」
「ほう……?」
「つらく、苦しい、永劫のような地獄の苦しみ。そうだろう。乗り越えた先に光明がある。まったくもってそうだ」

 老婆にいって、少女をみた。
 知ってる顔だ。
 まさかここでみるとは思っていなかった顔だ。

「吉が十で凶はゼロ。彼女の運命は決まってる」

 そこにいるのは愛らしい顔をした小柄な少女。

 タニア・チチアキス。
 死霊の軍勢の代わりにエレノアの使い魔になる未来をもつ少女の名である。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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