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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

エレノア編

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194.英雄との邂逅

 ロドトスが肉薄してくる。振り下ろされるエレノアをエレノアで受け止める。

「オ前ハ……何者ダ」
「覇王らしくない喋り方だな」

 エレノアごとロドトスを押し返す――がそいつは空中を蹴って戻ってきた。
 再度肉薄するロドトスは直前で方向転換した懐に潜り込んで、死角からえぐる様な一撃を放ってくる。

 エレノアで受ける。手のひらがビリリとしびれる。
 パワーを流しつつ一回転して、弧を描いて斬りつける。

 ロドトスのエレノアが真っ向から飛んでくる。
 打ち合うエレノア、黒い火花が飛び散って、地面を焼いていく。

「流石のパワーだな!」
(この頃は生涯のピークだったのだ。パワーではな)

 やや真剣みがでてきたエレノアの口調。
 気を引き締めて、本気でロドトスと戦った。

 向こうのエレノアの方がパワーが上だった。
 本人の自己申告の様にこの頃が生涯のピークで、魔剣の力でみればこっちの三割増しだ。

 ロドトス本人も強い。
 手数が多く、剣捌きも鋭く。
 並みの剣を持っててもナナと互角には強い。

 そんなヤツがエレノアを持ってる、強敵だ。
 戦ってるうちにおれもヤツもギアが上がっていった。

 ヤツが残像を残しておれの背後に回って斬りつければ、おれもお返しにスピードを上げて左右から同時に斬撃を叩き込む。
 力尽くで地中に埋められるように叩き込まれれば、逆に空中高く打ち上げたあと追いついて地面たたきつけてやる。

 その間、まわりの地形が大きく変わった。
 岩が砕かれ、木々が黒い炎に燃やされ、平原に渓谷のようなクレーターができた。

 普段なら風光明媚であろう場所がみるみるうちに見るも無惨な地獄に変わっていった。

「ふっ……」
「何ガ可笑シイ」
「いや。オリビア戦以来だと思ってな。こんなに戦えたの」
「……」

 おれは手を止めた。
 エレノアを持ったロドトス、間違いなく強い、今まで戦ったどの相手よりも強い。
 どんな軍勢よりも、どんな魔物よりも、どの人間よりも。
 そして――レッドドラゴンよりも。

 環境を破壊してった戦いは全くの互角と言ってよかった。

「ソイツヲ置イテユケ、話ヲ聞カセテモラウ」
「それはこっちのセリフだ」

 向こうのエレノアにも話を聞いたい。
 純粋な興味本位で。

 それをやるために――。

「ひかり、いくぞ」
(うん! ひかり待ってた。がんばるね)

 おれはひかりを抜いた。
 おれとエレノアの娘、結城ひかり。
 母親そっくりなもう一振りの魔剣、魔剣ひかり。

 抜いて、エレノアと共に構えた。
 二振りの魔剣、全力の構え。

 それを見たロドトスはわずかに顔色を変えた。

「何ダソレハ」
「今に分かる」

 第二ラウンド、魔剣の母娘とともにロドトスに肉薄する。
 互いにエレノアのみの時はほぼ互角だったが、ひかりを持ち出した時点でバランスが崩れた。

 ロドトスを徐々に押してった。
 パワーもスピードも反応もそいつを上回って、五回の攻防で一回の頻度でクリーンヒットをたたき込める様になる。
 それを繰り返してダメージを蓄積させると更に力の差が開いていく。

 このままならすぐに――。

「ウオオオオオ!」

 ロドトスは大きく飛び下がった、怒号と共にエレノアで自分の手のひらを貫通させて、血をエレノアに吸わせた。
 次の瞬間、エレノアから巨大な黒い玉が出た。
 ロドトスの頭上にでたそれは直径二十メートルはある巨大さだ。

 エレノアを構えなおして、振り下ろすロドトス。
 黒い玉が飛んで来た。

「そんなもの!」
(待て!)
(おとーさん、イオお姉ちゃんが!)
「――!」

 二人の声で思い出す。
 そうだ、イオをつれて来てたんだ。
 さっきからイオの姿を見てないけど――いた!

 ロドトスとの戦いでまわりが地獄みたいになっているそこで、イオは地面にへたり込んでいた。
 すっ飛んでいく、イオをかばうように前に立つ。
 黒い玉が飛んで来た、エレノアとひかりを構えた。

「やれるか」
(貴様次第だ)
「丸投げどうも!」

 魔剣のオーラを出す、イオごと包み込む。
 パワー全開で防御する。
 黒い玉がぶつかる、目の前が真っ暗になった。

 瞬間、全身にかつてない程の衝撃がくる。
 体の芯を突き抜けて行く衝撃。
 それを耐えると、今度はまわりの空気が圧縮され、全身を押しつぶそうとする様な圧迫感がきた。

 オーラごと押しつぶす感覚。

「こんな……もの!」

 ヘソの下あたりに力を溜めて、一気に放出。
 パン! 破裂音と共に黒い玉がはじけた。

 それがまわりに飛び散って、地面や岩や木々を溶かしていく。
 視界が晴れた、そこにロドトスはいなくて、代わりにガイコツやゾンビの大軍があった。

「死霊の軍勢」
(懐かしいな)

 足止めのつもりか、それともおれをやった後の後始末用にか。
 それは分からないが、ロドトスがおいていったのは間違いない。

 ざっと200体はいたが、そいつらは一分もかからずに瞬殺した。

 死霊の軍勢を片付けた後、エレノアとひかりをおさめて、イオの方をむく。
 まだへたっている彼女に手を差し伸べる。

「大丈夫か」
「う、うん……」
「どこも怪我はないようだな」

 ちょっとほっとした。
 途中でイオの事を忘れていたのはおれの失態だ。
 反省しないとな。

 そのイオはおれの手を取って立ち上がったが、体が震えていた。

「どうした、やっぱり怪我してるのか?」
「う、ううん。ちがうんです、違くて……」

 そう言いながらもふるえるイオ。
 視線が泳いで、エレノアをみてびくっとなった。

(ふむ、われをみてそうなるか。ロドトスに怯えているのだな)
「さっきの男が怖いのか」
「……うん」
「そうか」

 ロドトスに怯えるイオを抱き寄せた。
 あごを摘まんでうつむき気味になった顔をあげて、キスをする。

 唇を押し当てるだけのキス、三秒も満たない短いキス。

「カケルさん?」
「まだ怖いか?」
「え、あ……そっか。カケルさんがいるんだ」

 おれにしがみつくイオ。
 その体勢のまま小さく頷いて、拳をぎゅっと握った。
 そして、顔を上げる。
 いつもの彼女、明るい笑顔がもどった。

「ありがとうカケルさん、もう大丈夫」
「そうか」

「でも、あれって一体何者なんでしょう。エレノアさん……みたいなの持ってましたし」
「あれもエレノアだ。ちなみにヤツの名前はロドトス、かつての覇王らしいな?」
「あっ、ロドトスだったんですね。やっぱりカケルさんすごいなあ、ロドトスと同じくらい強い……ってえええええ!?」

 一呼吸遅れて、おかしさに気づいて声を上げるイオ。
 その顔が可愛くて、説明する前にとりあえずもう一回キスをしてやったのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
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