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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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18.ギルドの依頼

 買った物を全部屋敷に配達してくれと言い残して、サラマス商会を出て、適当にぶらつきながら考えた。

 たぶん、300枚の買い物ごとにくじ引き券が一枚もらえる計算だろう。

 細かい買い物は全部もらえなかった。ミウの代金と絵画の代金の300枚を支払ったときに一枚ずつもらえた。1600枚で腕輪をまとめ買いしたら5枚もらえた。

 なら、300枚ごとにくじ引き券一枚って考えた方が理にかなってると思う。

 そうなると、一つだけ気になる事がある。

 くじ引きの景品リストを思い出す。

 四等賞の、五割引き買い物券だ。

 五割引きで買い物したとき、300枚ごと1枚なのか、150枚ごと一枚なのか気になる。

 くじ引きがしたい。

 今のくじ引き券は計7枚、ここまで来たらあと3枚ためて11回連続で引いた方がいい。

 となると銀貨900枚、それはすぐにたまりそうにない。

 ちょっと考えて、ワープの羽を使って移動した。

 ロイゼーンとレイウースの街の間にある荒野。馬をのって駆け抜けたところだ。

 そこで、エレノアに言う。

「例のゾンビ兵を出してくれないか」

(死霊の軍勢か? いきなりどうした)

「いいから頼む」

 エレノアはあのくじ引き部屋に行けたけど、たしかこっちじゃくじ引き券が見えなかったんだよな。

 説明するのが面倒だから、とにかく頼み込んだ。

(我をあごで使う気か、無礼にも程がある)

 エレノアはそういったけど、直後に目の前に何かが徐々に形になっていった。

 文句は言うけど、やらないとは言ってないらしい。

 おれはエレノアを握り直した。

 スケルトンとかゾンビとかを狩って、くじ引き券をゲットしたい。

 そう、思ったけど。

「え?」

(え?)

 おれとエレノアの声がかぶってしまった。

 エレノアは召喚したけど、スケルトン達は出てこなかった。

 代わりに女の子が現われた。

 メイド姿の若い女の子、どこかで見た記憶がある。

「……屋敷の幽霊か?」

 つぶやくと、それが確信に変わる。

 そう、見た目は屋敷で払った幽霊だ。

 ただしあの時の悪霊っぽい感じはなくて、透けてるようにみえるけど、それ以外は普通の女の子だ。

(ここはどこですか?)

「……ロイゼーンとレイウースの間だ」

(ロイゼーンは知ってますけど、レイウースって?)

 普通に会話通じるようだ。

「エレノア、これはどういう事だ?」

(我が知りたいわ!)

「ゾンビ兵は?」

(さっきからずっと召喚しているが反応せん。なんだ? こんな事今までなかったぞ)

 どうやら嘘じゃないっぽい。頭の中に響くエレノアの声はいかにも困ってるって感じがするから。

「試しにゾンビ兵を出し入れする感覚でこの幽霊を出し入れしてみるよ」

(わかった)

 メイドの幽霊がいったん消えて、まだ現われた。いったん消えて、また現われた。

「できるみたいだな」

(なぜだ?)

「おれが知るか」

 おれにわかるのは、エレノアの召喚がゾンビ兵からこの女の子幽霊になったって事。

 それと、くじ引き券を楽にゲットする方法がなくなったことだ。

     ☆

(わたしはタニア、タニア・チチアキスっていいます)

「タニアか、おれは結城カケル。おれの事はわかるか?」

 タニアはおれの顔をじっと見てから。

(ああっ、屋敷に入ってきた人!)

「ああ、覚えてるのか」

(今思いだした。――って、あたし屋敷から離れてる!?)

「今まで離れられなかったのか?」

(うん、ずっとあそこに閉じ込められてたの。つまらなくて、外の人間が楽しそうに見えて、それで段々腹が立ってきて、恨むようになってって)

「早い話が地縛霊になった、って事だな」

 大体話が見えた。

 理由はわからないけど、エレノアを介して地縛霊を屋敷の外に連れ出すことが出来たって事だ。

(もしかして、カケルがあたしを屋敷から連れ出してくれたの?)

「確証はないけど、多分そうかなって思ってる」

(本当!? ありがとう!)

 タニアが抱きついてきた。幽霊なのに抱きつけるのか。

(ありがとね、カケル!)

 タニアの明るい笑顔を見ると、スケルトンとかゾンビとかよりも、こっちの方が断然いいって思った。

     ☆

 屋敷に帰ると、アンドレウ商会のアンドレウが来ていた。

 いつも山ウシを買い取ってもらってるけど、そういえば屋敷で会うのは初めてだ。

 応接間で向き合って座る。

「なんか用事なのか?」

「頼みたい事がある」

「山ウシの事か?」

「いや、そっちはまったく問題ない……が、できれば山ウシをおいといて、今から話す頼みをやってくれると助かる」

「なにがあった」

「アレクシスの事は知っているな?」

「アレクシス……ああ、あの四人パーティの」

 アンドレウは頷いた。

 アレクシスって言うのは最初にアンドレウ商会に入るきっかけになった四人パーティーのリーダーの名前だ。

 あの後もほぼ毎日山ウシの納品に商会に行ってたから、何回かあって、ちょっと話したこともある。

 アンドレウ商会ではエースだったけど、おれに抜かれた男でもある。

「アレクシスがどうかしたのか」

「重傷をおった」

「む?」

 おれは眉をひそめた。

「実は、数日前からある場所にモンスターが大量に発生するようになった。元々は何も無かった場所だったのだが、それが急に出た事で、ロイゼーンのギルドに討伐の依頼が舞い込んだ。ちなみにギルドにはわたしも運営に関わっている」

 ギルドって、そんなものあったのか。

「モンスターはそれほど強くない、だけど増殖のスピードが尋常じゃなかった。ギルドは調査した後所属の冒険者をほぼ全て投入した。そこで戦況が五分と五分になった」

「話が読めてきたぞ。そこにかり出されたアレクシスが大けがをした、ってことだな」

「そうだ、更に言えばアレクシスのパーティー全員が重傷をおった。一月は動けないほどの。アレクシスら四人が抜けたことで戦況が一気に悪くなった」

「つまり、おれに何とかしろと」

「そういうことだ。もちろん報酬ははずむ。正直ギルド創立以来の大ピンチだ、いくらでも払うつもりでいる」

「わかった」

 おれは即答した。

 モンスターを倒して報酬をゲット。

 倒す最中でくじ引き券も手に入るかも知れない。

 断る理由がどこにもない依頼だ。

     ☆

 討伐するにあたって、ギルドにメンバー登録された。

 ギルド所属の人間が倒したという形にしたってことらしい。

 それはいいんだけど……登録されたばかりのDランクというのがちょっと気にくわなかった。

 最初はそこからってのはわかるけど、聞いてみたらアレクシスがAランクだって言うし、この件が終わったらランク上げしようって思った。


 ギルドの人間に案内されて、モンスターが大量に発生してるという所に向かったけど。

「おい、なんかこの辺見覚えがあるぞ」

(……)

 エレノアは答えなかった。

「それにモンスターってのも見覚えがあるぞ」

(――♪)

 エレノアは頭の中で口笛を吹いた。

 わざとらしいにも程がある。

 案内されてやってきたのは何日か前にマリを助けた森の近く。

 遠目にみえる冒険者達と戦っているのは、スケルトンとかゾンビとか、見覚えるのあるモンスター。

「お前あとで説教な」

(我は悪くないぞ!)

 黒いオーラを放つエレノアを抜いて、モンスターに向かっていく。

 こっちに気づいたモンスターはおれとエレノアを見て、あきらかにびびった様子で後ずさった。

 わるいが……兵士と違って、お前らは逃がさん。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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