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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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185.洗脳

 セレーネが兵ととも出撃していくのを丘の上から見送った。
 ハニアをでて、向かう先はアンフィスという名前の街。

 要塞・ハニアに糧秣や物資を補給するためにある街で、街自体に特色はないが、ハニアと繋がる道がやたらと整備されてるのが特徴だ。

「さて、おれたちも行くか」
(うむ)

 ワープの羽根を取り出して、一度行ったことのある場所へ飛ぶ。
 王都レティム、『夏の宮殿』。
 前にセレーネとヘレネーの二人と来た事のある場所だ。

「ひゃ! だ、だれ――」

 宮殿の中庭に到着するなり出くわしたメイドの首筋をトンと叩いた。
 メイドは気を失い崩れ落ちる。それを抱き留めて、草むらの中に隠す。

(なぜそこに隠す。あとでお持ち帰りでもするのか?)
「この子が倒れてるのが見つかったら騒ぎになるだろ? クシフォスを見つけるまでは無用な騒ぎを起こしたくない」
(なるほどな)

 納得するエレノア。
 おれはオーラをだして、自分を覆った。
 まわりからはまったく見えなくなるオーラ、迷彩の様なものだ。
 これを纏ってる限りエレノアと同等の力でもなければ見破れない――つまり実質だれにもみられないって事だ。

「今思ったが」
(うむ?)
「これ、ひかりに見破られるのか?」
(今から嫁にだす心配かオトーサン)

 軽口を叩くエレノアにデコピンした。

「そういう話じゃないだろ」
(くく。案ずるな、ひかりがわれの域に到達するまであと百年はかかるだろう)

 別に心配もしてないけど……そうか。
 さて、そろそろ行くか。

「エレノア、クシフォスの場所は? 感じとれるんだろ?」
(さっきからやっているが、みつからん。封印の中にいるか、それとももうここにいないかのどっちだろう)
「どっちなのか確認する事は?」

(……われに力を貸せ)
「力を?」
(例の、貴様の力を貸し出すヤツだ)
「あああれか。いいぞ、何を貸し出せばいい」
(視力)
「視るのか」

 ちょっとだけ驚いた、そして面白かった。

「エレノアに視力を貸し出し」
『魔剣エレノアに視力を貸し出します。残り59分59秒』

 貸し出した途端、はっきりと視力が落ちたのを感じた。
 元の世界にいたときと同じ人並みの視力になった。

(見つけた)
「早いな、どこだ?」

 聞くと、頭の中に地図が流れ込んできた。
 宮殿の中の地図、ここからしばらく離れた、宮殿の奥にそれがあるらしい。

 おれはそこに向かった。
 迷彩オーラを纏って、途中でメイドや兵士達とすれ違いつつ、一直線に目的地に向かっていく。

(それにしても)
「ん?」
(シラクーザの時といい、貴様はまだるっこしい事をするな。われを……われとひかりを持って、こうして要所に飛び込んで剣を振るえばそれで戦は終わるものを)
「それじゃセレーネのためにならないだろ」
(だからまだるっこしいといったのだ)

 それはおれも思う。

 エレノアと他愛のない世間話をしながらどんどん進む。。
 『夏の宮殿』の奥も奥、いくら騒いでも外に音が洩れないような奥地にやってきた。
 途中から人気がまったくなくなって、ひんやりと、よどんだ空気が漂うようになった。

(宮殿と言うよりは、まるで牢獄だな)
「イリスを嫁がせなくてよかったよ」
(さもあろう。あの娘にここは似合わん)

 更に進むと巨大な門の前にやってきた。
 やたらと重厚な、アイギナ王国の紋章が掘られている門だ。

「ここか……」

 門に手を触れると、バチッ、って火花が散った。

(封印があると言ったぞ?)
「わるい、忘れてた。どうすればいい」
(われを使って叩けばいい、全力でな)

 それほどの封印か――と思いかけたけどそうじゃない事に気づいた。
 エレノアと繋がってるから、気持ちが何となくわかってしまう。

 封印破りにかこつけて全力で振るわれる事を望んでるだけだ、こいつは。
 あの夜、シラクーザの戦いで一緒に星空をみてから、エレノアはこれを望む事が多くなった。

 もちろんする事に異論はない、おれはエレノアを抜き放ち、構えた。

「いくぞ」
(うむ)

 踏み込んで、真っ向からエレノアを振り下ろす。
 途中で結界のちょっとした抵抗を感じたが、おれとエレノアの全力の前にあっさり消し飛んだ。

 重厚な壁はちょうど一人分の穴が開いた。
 中に入る、祭壇があった。
 かつてメルクーリでみたような祭壇が。

 祭壇の上に一振りの剣が置かれている。
 目的の魔剣、クシフォスだ。

「あったな」
(で、どうする)
「その前にやらなきゃいけない事があるみたいだ」

 クシフォスがある祭壇の後ろに石像があった。
 人間の倍はある、クシフォスによく似た剣を持った石像だ。
 そいつは動き出した、目が赤く光って、おれを睨んだ。

 ――番人、って事か。

「全力で行く」

 エレノアの刀身が波を打った。
 それほどの相手か? という軽口が聞こえた様なきがした。

 言われてはない、声として聞こえた訳じゃない。
 さっきのおれと同じことだ。

 おれもエレノアもなんとなく言葉を飲み込んでたことにおかしさを覚えつつ、動く石像に飛び込む。

 エレノアをたたきつける!
 手応えはあった、石像は建てに真っ二つにされた。

「この程度か」
(では、ないようだな)
「再生するのか」

 真っ二つにされた石像は起き上がって、切断面がくっついた。
 やがて何もなかったかのように完璧に、元通りにくっついた。

(くく、相当の再生力だな)

 ドン!
 石像が石の剣を振り下ろした、地面が爆発したかのように割れた。

「おまけにパワーもあるみたいだ」
(強敵だな)
「強敵っぽいな」

 ちっとも強敵だと思っていない、おれとエレノアの軽いのり。
 今度は魔剣を乱舞して、石像をみじん切りにした。

 粉々になって地面に散らばる石像。
 それはしかしすぐにまた動き出して、集まって、元に戻っていった。

「なんかこんなの、いたような気がする」
(谷の主のことか?)
「ああオリクトか。そうだな、そいつに似てる」

 オリクダイト採掘の谷にすんでいる石のモンスター、オリクト。
 多分不死身で、どんなに砕いても再生してしまうのが特徴のヤツだ。

 エレノアで更に叩いた。今度は十字斬りで四分割した。
 石像は再生する、四つになったのがくっつく。

 元通りに再生したが――。

「再生速度がさっきに比べて落ちてる」
(オリクトほどではなかったな)
「だったらやることが決まったな」

 石像を砕く。
 再生して、砕く。
 再生したのを、念入りに砕く。

 再生する度に速度が落ちていく石像。
 最初は十秒程度で完璧に再生してたのが、一分かかるようになって、五分かかるようになって。
 やがて、十分待っても再生しなくなった。

 まったく動かなくなった石像――だった石のかけらをみおろすおれとエレノア。
 番人は片付いた、次はクシフォスだ。

 クシフォスは脈打っていた。かつてメルクーリにあったものと同じ脈動だ。

(で、どうするのだ?)
「レティムを出た時の事をおぼえてるか?」
(国王を連れ出したときのことか?)
「そうだ、あの時と同じ事をする」
(あの時と? ……あっ)

 思い出したか。
 そう、あの時おれは全力以上の更に全力をだして、エレノアからオーラを引き出して、王都全域で拡散した。
 その時の副作用でエレノアは幼児化した。

(あれは――)
「あれをクシフォスにやる。お前の力でそいつをマウンティングするんだ」
(……ほう)

 さっきまで慌てて――赤面する程の勢いで慌てていたエレノアが楽しそうになった。

(クシフォスを洗脳するという訳か、国王ではなく)
「そういうことだ」
(いいだろう、やってみるがいい)

 エレノアを持ったままクシフォスに近づく。
 脈動がが強くなった、刀身が放つ光に禍々しさがました。
 たいそう、魔剣らしい。

 だが――エレノアには、おれたちに遠く及ばん。

 オーラを出した、クシフォスを包み込んだ。
 抵抗を感じた、構わず押さえつけた。
 暴れる犬を頭から押さえつける感覚で。

 暴れ回るクシフォスをエレノアのオーラで浸食していき。
 そうして出来たのは、まっさらな、従順な子供のような人格だった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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