挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

181/288

180.インターミッション

 マロネイ郊外、オーラで迷彩をつけた魔法コテージのリビング。
 おれとヘレネーの二人がそこにいた。

「しばらくはここが拠点ということになるのでしょうか」
「ああ。おれが絡んでる、デルフィナが動いてた。この二点が向こうにばれておれの屋敷もデルフィナの商会もつかえなくなったからな」

 だからここに移動した。
 出し入れが自由な魔法コテージ、魔剣エレノア以上の力がない限り見破れない不可視の迷彩オーラ。

 この組み合わせなら絶対安全といえる。

「カケル様」
「なんだ?」
「おおよその目安がついて、強力な戦略級範囲魔法陣を放ってこられると危険です」
「……なるほど完璧じゃなかったか」

 頷く。ヘレネーの指摘通りだ。
 あくまでこの組み合わせは移動が簡単かつ、外から見られることはないのが強みってだけで、防御力はそこそこレベルだ。
 ヘレネーが言ったとおり、ここを巻き込むような広範囲の魔法を撃ってこられたら普通に効いてしまう。

(油断だな)
「気をつける――ありがとう」
「いえ」

 ヘレネーははにかんで微笑んだ。
 そんな彼女を抱き寄せて舌を激しく絡むキスをしてやると、部屋の一つのドアが開いて、中からセレーネが出てきた。

「あっ……」

 おれがヘレネーを可愛がってるのを目撃して、セレーネは顔を赤らめた。
 ヘレネーを解放すると、セレーネが顔を赤らめたまま言ってきた。

「ありがとうショウ、お父様を匿ってくれて」
「気にするな。お前がそいつを超えるまで死なれちゃ困るからな」

 セレーネが出てきた部屋の中には寝たきりのアイギナ国王がいる。
 デルフィナが狙われるようになって、もうあそこに置いておけないからここにつれてきたのだ。

 年のくった男なんかまったく興味はないが、セレーネの願いを叶えるためにはアイギナ国王は活かしておかなきゃならないから、現状一番安全になるここに連れてきたって訳だ。

「さて、これからどうするかをきめるか」

 そう言って、ヘレネーに視線をむけた。
 女の顔からテレシアの双花たる、軍事を得意とするヘレネー姫の顔に戻して、口を開く。

「テリオス公爵、アンニス公爵、ゲート公爵――いわゆる三公は大義を手に入れたあと、アイギナを三等分して、それぞれの兵を進駐させて、支配を確実なものにしていきました」
「実効支配か」
「はい」
「それをどうする」
「二つ、必要な物があります。一つは兵力。実質的に支配されている以上、戦いは避けられません。何をするにしても叩いておく必要があります」
「それは知ってる。もう一つは?」

 ヘレネーは無言で扇子を取り出した、ちょっと前におれがプレゼントした新しい扇子だ。
 それを使って、雅やかに部屋を指した。
 セレーネが出てきた部屋だ。

「お父様?」
「正確には大義名分です」
「大義名分?」

 首をかしげるセレーネ、ちんぷんかんぷんって顔だ。

「……こういうことか?」

 エレノアを軽く握って、オーラを出して体に纏わせる。
 助け出したとき、運んできたときにみたアイギナ国王の姿をイメージする。
 すると。

「お父様!? じゃなくてショウ……どうしてお父様の姿に?」
「この姿でどうすればいい」

 セレーネじゃなくて、ヘレネーに聞く。

「戦場に出ればいいのですわ、三公摂政は国王が政を執り行えない時にのみ正統性を持ちます。国王が動けさえすればその正統性は瓦解します」
「なるほど」
「ただし――あくまでアイギナ国王ですので、カケル様がそうしている間は戦えません。本陣の置物にならざるを得ませんわ」
「……そうか」

 ヘレネーと見つめ合い、うなずき合った。

 別にそんな事はないのだ。
 このオーラは他人にかけることも出来る、実際情報を探るための潜入をした時にヘレネーにもかけてやった。
 そして掛けた後、おれがある程度離れてても見た目は維持される。
 これをしたからといって、おれが戦えない事なんて事はない。

 それでもヘレネーがそう言ったのは、セレーネに戦わせるためだ。
 自然な流れで、おれが戦えない――セレーネが踏ん張らざるを得ない形にした。

「つまりこうか。国王が神輿に乗って、王女が先陣を切って戦う」
「それがもっとも正統性を得られる形で、戦後すんなりとセレーネ様に権力を――総理王大臣として権力を移行させるための形です」
「なるほど」

 おれは頷き、セレーネに確認する。

「それでいいか」
「うん、いいと思う」

 セレーネは即答した。
 明るく、迷いなく。

 水をむける直前まで眉をしかめてたことから話をよく理解していないのが丸わかりだが、それでも彼女はいいといった。
 わからない事は分かる人間に任せる、救いを求める。
 彼女はそれを実行に移そうとしている。

 今はそれでいい、と、今度はヘレネーに聞いた。

「マロネイを起点だとして、どこからせめればいい」
「ハニア」
「即答だな、なぜだ」
「マロネイから侵攻した場合もっとも地形の制限を受け、率いる者の武勇と突破力がものをいう戦場だからです」

 扇子を両手で持って、ちらっとセレーネをみる。
 やるなヘレネー。
 どうやら彼女は、初戦を使ってセレーネに自信を植え付けようとしているようだ。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ