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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

魔剣エレノア編

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17.全財産でお買い物

 ヘレネーの方から離れた。

 うつむいて恥じらって、チラチラおれを見る姿はものすごくかわいかった。

「あの……」

「うん」

「王族の女は……生涯一人の男、と決まってますから」

「うん?」

 どういうなのか考えた、すぐに分かった。

 おれが初めての相手、そしてこれからもおれだけ。

 ヘレネーはそういいたいんだ。

「うん、わかった」

「今すぐカケル様の元に行くのは難しいけど」

 ヘレネーは悲しそうな顔をする。

「さっきの言葉だけで充分だ。待ってる」

「――はい!」

 こうして、ヘレネーはおれの女になった。

     ☆

 次の日、家の中でのんびりしているところに、ミウが何かをもって部屋に入ってきた。

「ご主人様、お手紙です」

「お手紙?」

 ミウから封書を受け取った、表に見た事のある紋章が書かれている。

「サラマス商会からか」

 なんだろう、こんなものを送ってくるなんて。

 封書を開く、中の紙を取り出す。開いた紙を見る。

(請求書、この娘の代金か)

 頭の中でエレノアの声が聞こえた。字は読めないからどうしようかって思ってたから、ありがたい。

「そうか、ミウを買ったときに請求書をあとで送るって言ってたけど、それだったか」

「わたしのですか? ……あっ」

「どうした」

「銀貨三百枚……わたしこんなに高いんですね」

「三百か」

 相場は分からないけど、サラマスが今更ぼったくるとは考えにくいから、まあそんなものかなって思う。

「よし、じゃあ払いに行くか」

     ☆

 ワープの羽根を使って、銀貨三百枚をもってサラマス商会にいって、ミウの代金を払った。

 銀貨の枚数がちょっとかさばって、持っていくのが大変だった。

「確かに、銀貨三百枚いただきました。こちらが権利書ございます」

 サラマスからびっしり文字が書き込まれた立派な紙をもらう。

「今度とも当商会をごひいきに」

「ああ、何かあったら頼むよ」

「そういえばユウキ様、近々王国が新しい貨幣を発行するという噂をご存じですか」

「へえ?」

 ちょっとびくってなった。

 多分おれがイリス姫に提案した紙幣の話だ。

 それならもちろん知ってるけど、とぼけておくことにした。

「初耳だなそれは、そういうのは良くある事なのか?」

「いいえ、国王が替わるとき以外、基本的にはありませんな」

「そうなのか」

 紙幣の噂について色々聞いた。基本はおれがイリス姫に提案したものを、更にぼかしたものだった。噂って事を考えればそんなもんだろう。

 唯一、金の単位を決めると言う話は新しかった。多分円とかドルとか、そういう名前をつけるんだろう。

「どころで、先ほどから気になっていたのですが。ユウキ様が腰にかけてるその剣はもしかして……」

「うん? ああ、エレノアのことか」

 魔剣を持ち上げ、サラマスに見せた。

 最近は大分大人しいし協力的だけど、他人に触られると危ないから、肌身離さず持ち歩く様にしてる。

「やはり魔剣エレノア。そのようなものをお持ちでしたとは」

「言っとくけど、売らないぞ」

 サラマスが商人だって事を思い出して、念押しでいった。

     ☆

 商会を出て、ワープの羽根で屋敷に帰ろうとすると、ポケットの中に何かが入ってる事に気づく。

 取り出すと、おれはびっくりした。

 くじ引き券だった。前の11回連続くじ引きで券を使い切ったはずなのに、なんでポケットの中に入ったんだ?
 心当たりは――あった。

 ミウの権利書。

 銀貨300枚で買ったミウ。その直後にくじ引き券が出た。

「ものをかったからくじ引き券が、ってことなのか?」

 現代日本だと普通の話だけど、異世界だし、ちょっと変わったくじ引きだから確証は持てなかった。

 だから、実験する事にした。

     ☆

 現金での財産は銀貨で2000枚近くある。

 それを全部持って街にでた。

 銀貨一枚を使って食事をしたけど、くじ引き券はでなかった。

 仕立屋にいって、ミウのメイド服を何着か作ってもらった。十枚かかったけど、くじ引き券は出なかった。

 あっちこっちの店で色々買って、かれこれ100枚くらい散財したけどくじ引き券は出なかった。

 新しいくじ引き券、買い物が原因じゃなかったのか?
 なら、あと考えられる可能性は二つ。

 サラマス商会でものを買ったからか、それか高額な買い物をしたからか。

     ☆

「いらっしゃいませ。おや、ユウキ様ではありませんか。どうかなさいましたか?」

「ちょっとね、用意して欲しいものがあるんだ」

「何なりとお申し付けください」

 サラマスは商人の顔で言った。

 さて、まずは普通の買い物をしてみようか。

「家具がほしい。いくつか古かったりぼろかったりなってたから取っ替えたい」

「はい」

 サラマスにとりあえず変えたい家具を言った。

「それらですと……銀貨25枚でいかがでしょう」

「頼む」

 銀貨を25枚数えて、サラマスに渡した。

「毎度ありがとうございます。すぐに手配させていただきます」

「たのむ」

 言って、ちょっと待った。

 くじ引き券は出なかった。

 サラマス商会と関係ないのかな、だとしたら値段?
 おれはもう一つ、考えてきた事をサラマスに言った。

「絵画が欲しい」

「絵画、でございますか」

「そう、応接間にかけるような、額縁に入った絵画。絵のことはよく分からないから、300枚で見繕ってくれ」

 300枚というのはミウと同じ値段。くじ引き券が出たかもしれない値段だ。

「承知いたしました」

「じゃあ、これ300枚」

「たしかにいただきました。こちらは調達に時間をいただくことになってしまいますが……」

「任せる」

 高い買い物だしざっくりした注文だからそんなもんだろ。

 そんな事より、むしろくじ引き券だ。

 おれはポケットの中をまさぐった。

 すると。

「あった」

 さっきまでにはなかった、新しいくじ引き券が出た。

 ミウのヤツと合わせて、これで二枚目だ。

 ということは……高い買い物でもらえるのか。

 そうと決まったらもう遠慮はしない。

 おれがくじ引き券を持ってるのを不思議がってるサラマス(くじ引き券は見えない)に向かって、残った銀貨を全部出した。

「銀貨で1600枚くらいある、これで何が買える?」

「……ユニークな買い物ですな」

 サラマスが半笑いで言う。

 ごもっともだ、彼の視点から見れば確かにそうだ。

 だけど、おれの視点からすると。

 この金で買えるだけのくじ引き券をくれって言ってる様なものだ。

 実際の買い物なんて、何でもいい。

「少々お待ち下さい」

 サラマスはいったん引っ込んで、トレイに載せた何かを持ってきた。

 金の腕輪で、宝石がはめ込まれている。

「これは?」

「これは今、上流階級の殿方の間で流行っているものでして。ハーレムの女達につけさせて、自分の所有物だと主張するものでございます」

「へえ?」

「こちらは見本でございます。自分の所有物だと主張するためのものでございますので、お客様ごとにあわせたアレンジをしていくのでございます。基本、金の腕輪に宝石ですな」

 おもしろいなそれは。

 ハーレムの所有物だって主張するアイテムか。

 今の所使う機会はないけど、買っておくか。

「じゃあそれ、1600枚分」

「それだと四つになりますが、よろしいでしょうか」

「ああ」

 残った銀貨を布袋とともに差し出した。

 サラマスがそれを数える。

「確かに頂戴いたしました」

 サラマスが言った瞬間、ポケットの中にまたくじ引き券が出た。

 今度は五枚だった!
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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